マスク氏による買収でTwitterは変わるのか

テスラのイーロン・マスクCEOが、10月末に短文投稿サイトのTwitterを買収した。この買収は超大型の買収というだけではなく、マスク氏が世界的にユーザーの多いTwitterの運営方針を大きく変えることで注目されている。 自身もTwitterユーザー 一昨年頃から米自動車メーカーのテスラ株が高騰してきたことで、イーロン・マスクCEOは世界有数の富豪になった。そして自身もTwitterユーザーだったマスク氏は、今年春頃にTwitterを買収することを提案。 その後夏にはTwitter上の偽アカウントが公式発表より多いと推定される問題で一旦は買収を撤回したが、その後再度買収話を持ち掛け10月末は買収契約が締結された。   株式は上場廃止に 買収価格は1株あたり54.2ドルで、総額にすると日本円で約6兆円にもなる。4月に最初に買収話が出た時から買収完了までのTwitter株の動きを見てみよう。Twitterの株価が見られるサイトはいろいろあるが、海外のトレード業者であるeasyMarketsのサイトでもチャートが見られる。サイト上の「市場分析」→「取引チャート」と選べばチャートのページに着く。 買収が発表された直後のTwitter株は買収価格の54.2ドルに近い水準まで上昇したが、7月には一旦撤回したために35ドルを割るところまで下落。しかしその後はまた上昇し、10月末に取引停止が決まった時には買収価格にかなり近い54ドル付近だった。   Twitterの方針を変える マスク氏は買収する以前から、「Twitterには言論の自由がない」と発言していた。これはTwitter上では誹謗中傷や差別発言への取り締まりが厳しすぎ、もっと自由に発言できるサイトであるべきという意味。そのためTwitterを買収したら運営方針をこれまでとは大きく変えると述べていた。 またコスト削減などを目的として大規模リストラを行うとも述べており、買収直後から全世界の従業員の半分を削減するリストラを始めている。ただし急激に多くの人員を削減したために業務が滞り、一部の従業員を呼び戻している例もあるようだ。   認証バッジ有料化は停止 また買収直後の11月上旬には、Twitter上でユーザーが本人であることを示す「認証バッジ」を有料化する方針を発表し実施した。ところが有料化したことでかえってなりすましアカウントが激増し、数日後には有料化を一旦停止するという迷走も見せている。 そしてTwitterの主な収入源は広告だが、マスク氏の買収によって運営方針が大きく変わることで、様子見をしようという広告主が増加。買収後には一旦広告の出稿を停止した広告主企業も少なからずいるという。 買収後のTwitterの大改革は今後半年~1年、あるいはそれ以上の期間続けられるだろう。ユーザーとしてはTwitterがどう変わっていくかかなり気になるところだ。 …