この記事では『障害年金の打ち切りにあった場合の対処法』について紹介する
・障害年金って打ち切りになったらどうすればいいの?もう二度と支給されないの?
上記のような疑問を解消するために、今回は記事を執筆する。
※ 僕自身が障害年金の打ち切りを経験したわけではないので、今回の記事は体験談ではない。そのため、事実(ファクト)を意識して執筆したい。
もくじ
障害年金の打ち切りを発表
2018年5月29日、衝撃のニュースを目にした。
日本年金機構が、障害程度の軽い者1010人に対して障害年金を打ち切ると発表したのだ。
打ち切りが検討されている障害年金の種類は、障害基礎年金。
障害基礎年金額は障害年金等級にもよるが、生活を脅かすほどの金額であることは間違いなく、今回打ち切られる方にとっては悲痛でしかないだろう。
障害年金の打ち切り理由とその対象者
今回打ち切りの対象者となったのは「障害の程度が軽い者」(※参考:1
実際障害や疾病に関する医師の診断書を、機構の障害年金センターに送ったところ、「障害年金を受給できるほどの障害程度ではない。」との見解から、障害年金の打ち切りを検討する次第となったようだ。
障害年金の打ち切りの撤回
「障害の程度が軽い」との理由で対象者に対して、障害年金の打ち切りを発表していた障害年金機構だったが、その方針を急遽撤回。
対象の1010人に対して、再審査通知を送ったのだ。
一説によると、当事者の呼びかけや運動によって撤回の流れが出来たようだ。
当事者にとっては、これ以上ない喜びだろう。
しかしながら、決して安心は出来ない。
年々政府の社会保障費は削られていく中で、またこの波がくるのではないかと僕は懸念している。
そもそも障害年金とは?
障害年金とは病気や怪我で生活や仕事が著しく制限される場合に受け取ることができる公的な年金のことだ。(参考:2
障害基礎年金と障害厚生年金を総称して障害年金と呼んでいる。
一般的に年金というと65歳以上の方が受給できる「老齢年金」を想像するだろう。しかしながら、20歳以上であれば受給できる年金が障害年金なのだ。
もったいないことに障害年金の受給資格があるにも関わらず、約4割もの方が障害年金を受け取っていないという事実もある。
障害年金の存在すら知らない人が多いのだ。
また、障害年金は障害者手帳の交付とは関係がないので注意が必要だ。
障害基礎年金
障害基礎年金とは、病気や怪我によって、障害の状態になってしまった時に支給される国民年金の1つだ。
障害基礎年金が支給されるためには、病気や怪我の初診日に国民年金を払っている必要がある。
もし障害基礎年金についてもっと知りたい方はぜひこちらの記事(『障害基礎年金を詳しく解説』)を確認して欲しい。
障害厚生年金
障害厚生年金とは、病気や怪我によって障害の状態になってしまった時に支給される厚生年金の1つだ。
障害厚生年金が支給されるためには、病気や怪我の初診日に厚生年金を払っている必要がある。
もし障害厚生年金についてもっと知りたい方はぜひこちらの記事(『障害厚生年金を詳しく解説』)を確認して欲しい。
障害年金が打ち切られた時の対処法
一度、障害認定を受けると永久的に障害年金を受給することができる「永久認定」と、一度障害認定を受けたとしても定期的に更新する必要がある「有期認定」がある。
有期認定を受けた場合には、障害の状態によって障害年金が打ち切られる可能性があるのだ。
では、障害年金が打ち切られた時にどのように対処すれば良いのだろうか。
支給停止事由消滅届の提出
仮に障害年金を打ち切られたとしても、それは一時的に支給が止まっている状態であり、いつでも再支給要求ができるのだ。
ただし、再支給を要求するためには「支給停止事由消滅届」を提出しなければならない。
この書類は担当医に書いてもらい、自分で提出する必要がある。
障害年金の支給が停止されて間も無く、支給停止事由消滅届を出しても申請が通らない可能性が高いので、期間をおいてから提出するのが良いだろう。
支給停止事由消滅届とは
支給停止事由消滅届と聞くと少し難しそうに聞こえるかもしれない。しかしながら、役割はとてもシンプルだ。
支給停止事由消滅届とは障害年金を受給していたにも関わらず、何らかの理由で障害年金が支給停止になった場合、年金機構に停止の解除(再開)を求めるために提出する書類のことだ。
診断書の審査などを含めると結果が出るまでに約3ヵ月〜6ヵ月ほど掛かる。
支給停止事由消滅届の書き方
① 年金証書の基礎年金番号および年金コード
(年金証書に書いてあるものをそのまま記入する。)
②生年月日
③消滅の事由に該当した年月日
(提出する診断書の「現症日」と同じ日付を記入する。)
⑤配偶者について、右の欄に記入してください。
⑥生計維持申立
(18歳以下の子供や配偶者に付いて記入する。)
⑦受給権者の個人番号
(こちらにはマイナンバーを記載する。)
必要な添付書類
給停止事由消滅届を提出する際、一緒に提出しなければならない書類があるので、以下に列挙しておく。(※参考3
1.請求者の年金証書や年金手帳などの基礎年金番号がわかるもの
2.医師または歯科医師の診断書
3.請求者の住民票または戸籍抄本(提出する日から1ヶ月以内に作成)
4.18歳以下の子供や配偶者との身分関係が証明できる書類
5.18歳障害児医師又は歯科医師の診断書(国民年金法、厚生年金法、国家公務員共済組合法の障害等級の1級または2級に該当する障害児)
6.20歳前傷病で受給資格がある場合には取得できる一番最近の所得証明書、または課税・非課税証明書
7.レントゲンフィルム (呼吸器系結核、肺化のう症、けい肺(これに類似するじん肺症を含む障害の場合には提出)
障害年金が打ち切りになった場合の対処法まとめ
いかがだっただろうか。
今回は、『障害年金の打ち切り対象者になった場合の対処法』について記事を執筆した。
今回の記事のまとめとしては、以下の項目ををおさえておけば十分だろう。
・障害年金が打ち切られた場合には『支給停止事由消滅届』を提出する必要がある
・支給停止事由消滅届とは、障害年金の支給停止に対して異議申し立てをするための書類
もしこの記事があなたの課題を解決できるものであったならとても嬉しい。
・参考リスト
参考1: ハフポスト『障害年金の「打ち切り予告」1010人に送付。年金機構が「障害の程度が軽い」として』
参考2: 障害年金サポートサービス『障害年金とは?』
参考3: 咲くやこの花相談室『障害年金を再開させるには?支給停止事由消滅届をご説明します!』