この記事では『JR新幹線の障害者割引料金と乗車方法』について紹介する。
・障害者割引でJR新幹線っていくらで乗れるっけ?
・障害者割引券ってどうやって買うんだっけ?
上記のような疑問を僕自身が抱いたこともあり、実際に利用してみた。
その時の体験も踏まえてこの記事では、JR新幹線の障害者割引料金と乗車方法について詳しく紹介したい。
もくじ
身体障害者手帳とは
さて、このトピックでは身体障害者手帳について紹介する。
JR新幹線に障害者割引を利用して乗車する方法を知る前に、まずは身体障害者手帳について知って欲しい。
なぜならば、障害者手帳が無ければJR新幹線の障害者割引を受けることができないからだ。
身体障害者手帳とは、身体障害者福祉法が定める「身体上に障害がある者」に対して、都道府県知事や指定都市の市長が交付する手帳のことだ。
(※上記写真の手帳は実際に僕が所有している手帳
身体障害者手帳を利用することで、多くのサービスやメリットを受けることが可能となる。
身体障害者手帳には6つの種類があり、それぞれの手帳によって受けることのできるサービスやメリットが違う。
身体障害者手帳について詳しく知りたい方はこちらの記事(『身体障害者手帳とは【手帳所持者が解説】』)を確認して欲しい。
JR新幹線の障害者割引制度とは
さて、このトピックではJR新幹線の障害者割引制度について紹介したい。
実際に僕自身が新幹線で障害者割引を利用した際の体験をもとに執筆する。
JR新幹線の障害者割引の概要
身体障がい者及び知的障がい者のお客様が、次の条件を満たしてご利用になる場合、運賃及び普通急行料金が割引(5割引)になります。
JR新幹線の障害者割引とは該当する障害者には運賃および、普通急行料金が5割引になる制度のことだ。
ただ、もう少しこの説明に付け加えなければならない。
「障害者手帳を利用すれば、JR新幹線が半額で乗れる!」と考えている人がいるかもしれないがそれは間違いだ。
まず、JR新幹線を利用する際には、障害者割引とは関係なく、普通乗車券と特急乗車券の2つが必要となる。
障害者割引が適用されるのは、普通乗車券のみで、特急乗車券には適用されないのだ。
※)上記は実際に僕が大阪に行った時の券だ。左が『普通乗車券』右が『特急券』だ。左の『普通乗車券』のみが割引になってるのがわかる。
なので、割引に該当する障害者の場合には、普通乗車券の割引を5割受けることができる。
さて、それではここで言う”該当する障害者“とはどのような人物のことを指すのか。
そのあたりを少し確認していこう。
JR新幹線で障害者割引を利用するための条件
障害者割引を利用するための条件は身体障害者手帳、または療育手帳を持っていることだ。
さらに、障害者手帳、または療育手帳の「旅客運賃減額」の欄に1種か2種の記載がある必要がある。
1種なのか2種なのかという区分は、障害者等級によって決まる。
ただ、今回のケース。つまり新幹線の障害者割引については、1種であろうが2種であろうが、普通乗車券は半額になる。
しかしながら、2種の場合には同伴の介護者割引は適用されないので注意してほしい。
もし障害者手帳を持つ該当者が自分で券を購入ができない場合には、介護者(母親や父親)が代理で乗車券を購入できる。
しかしながら、購入時には、必ず手帳が必要となるので注意しよう。
「旅客運賃減額」が1種になる障害種類と等級
障害の種類 | 等級 |
視覚障害 | 1級〜3級、または4級の1 |
聴覚障害 | 2級と3級 |
上肢不自由 | 1級と2級の1、2級の2 |
下肢不自由 | 1級と2級、3級の1 |
体幹不自由 | 1級〜3級 |
心臓・腎臓・呼吸器・小腸障害 | 1級〜4級 |
ぼうこう・直腸障害 | 1級と3級 |
HIV・肝臓障害 | 1級〜4級 |
JR新幹線障害者割引の料金と券の種類
さて、これまでにJR新幹線の障害者割引の概要と利用条件を確認した。
ここまで確認できたら次に気になるのは、JR新幹線を利用する際にいくら割引されるのかということだろう。
概要を確認した際に普通乗車券が5割引になることは確認したので、具体的な割引後の金額パターンを見ていきたい。
障害者割引が適用される乗車券の種類
普通乗車券
旅行先や営業先の距離が片道100キロを超える場合に発行され、手帳の等級に「1種」の記載がある場合は、介護者も割引対象になるのだ。
ここで出てきた手帳の等級に関しては、参考記事(『身体障害者手帳交付の基本となる障害程度等級表をかんたん解説!』)を読んで欲しい。
定期乗車券
手帳の等級に「1種」の記載、または、12歳未満で手帳に「2種」の記載があり、かつ介護者が同伴することを条件に本人と介護者に販売される。
この乗車券では、距離の制限はない。
一人で乗車する場合はこの券は利用できないので、注意が必要だ。
普通回数乗車券・普通急行券
手帳の等級に「1種」の記載がある場合は、距離に関係無く介護者にも販売される。
特急券の割引には使えないので、注意が必要だ。
JR新幹線の障害者割引後の往復料金表
乗車券の種類を確認したところで、次は具体的な料金について確認したい。
今回は、僕が実際に利用した東京駅〜新大阪駅、さらには東京駅〜各主要駅までの利用料金を確認しよう。
※)下の表はある日の休日の料金を参考にしている。
出発地 | 行き先(往復) | 正規の値段(往復) | 割引後(往復) |
東京 | 新大阪 | 28,900 | 20,140 |
出発地 | 行き先(往復) | 正規の値段(往復) | 割引後(往復) |
東京 | 名古屋 | 22,180 | 15,920 |
東京 | 仙台 | 43,120 | 32,080 |
東京 | 博多 | 21,780 | 15,840 |
東京 | 長野 | 16,400 | 12,400 |
東京 | 新潟 | 21,140 | 15,520 |
東京 | 盛岡 | 28,460 | 20,040 |
東京 | 秋田 | 33,620 | 25,760 |
東京 | 山形 | 22,680 | 16,740 |
東京 | 新青森 | 31,640 | 23,520 |
JR新幹線の障害者割引で券を購入する方法
前章で、障害者割引を使った際の利用料金について紹介した。
この章では、実際の購入方法を紹介したい。
みどりの窓口で券を購入
最近では、あらゆる方法で新幹線の乗車券や特急券を購入することができる。
その中で、最も一般的な券の購入方法が、JRみどりの窓口を利用することだろう。
窓口で行き先を告げ、障害者手帳を提示するだけで、係りの方が障害者割引を適用してくれるのだ。
よくやってしまう間違いの1つに販売機で券を購入してしまうパターンがある。
障害者割引を適用させる時には、必ずみどりの窓口で券を購入する必要があるので、十分に注意しよう。
JRみどりの窓口を利用する際の注意
JRみどりの窓口を利用したことのある人ならわかると思うが、時間帯によっては相当混雑する。
1人で新幹線を利用する際には、時間に余裕を持って家を出れば良いだろう。
しかしながら、友人との旅行などで新幹線を利用する場合には、1週間前くらいまでには普通乗車券を障害者割引で購入することをおすすめする。
ネットで購入
最近ではネットで券を購入できる。
しかしながら前提として、ネットで購入できるのは特急券のみだ。
普通乗車券を購入する場合には、必ず駅員さんに障害者手帳の原本を見せる必要がある。
もしネットで券を購入したい場合には、普通乗車券をみどりの窓口で購入。
その後、特急券をネットで購入すれば良いだろう。
JR新幹線で障害者割引を利用する際の注意点
ここまで、新幹線で障害者割引を利用するための条件や実際の値段、購入方法を確認してきた。
今までの記述と重複する内容があるかもしれないが、最後にJR新幹線を障害者割引で乗車する際の注意事項を確認して締めたいと思う。
普通乗車券の購入は手帳のコピーではできない
障害者割引を利用して新幹線の普通乗車券を購入する際には、必ず障害者手帳の原本が必要となる。
コピーを印刷して提示しても、券を購入することは出来ないので、注意が必要だ。
新幹線の乗車料金が半額になるわけではない
いくつかの章で紹介した通りだが、改めて記述しておく。
JR新幹線の障害者割引はあくまで普通乗車券が半額になるのであって、特急券は半額にはならない。
ここは間違える人が多いので、しっかりと留意して欲しいポイントだ。
料金については先ほどの章で記述した。是非とも確認して欲しい。
障害者割引は他の割引とは併用できない
障害者割引を利用してJR新幹線の乗車券を購入した場合には、他の割引とは併用できない。
例えば、学生割引などとの併用はできないのだ。
ただ、どんな割引よりも障害者割引の方が割引額が高いので、迷わず障害者割引を利用して大丈夫だろう。
JR新幹線の障害者割引を利用してみた感想
結論から言うと、僕にとってはとても便利な割引だった。
身体障害者手帳1級を持っていると、「旅客運賃減額」は1種だ。同伴者にも割引が適用されるのでとても感謝されるのが嬉しかったりする。
さらに、新大阪に行ったついでにUSJにも遊びに行った。
実は、USJでも障害者割引のサービスがあり、こちらは入場チケットが半額になる。
もし興味のある人はぜひ参考記事(『障害者割引を使ってUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)を3倍楽しむ方法』)から見て欲しい。
JR新幹線の障害者割引についてのまとめ
いかがだっただろうか。
少し長くなってしまったが、JR新幹線の障害者割引の利用方法について紹介した。
さいごにさくっとこの記事をまとめたので確認して欲しい。
・特急券は割引対象外
・普通乗車券が5割引
・販売機ではなく、みどりの窓口で購入
・券購入時には必ず手帳が必要
・ネットで購入できるのは特急券のみ
今回は実体験も踏まえて執筆できたことで内容に色を加えることができた。
今後とも身体障害者手帳を持つ当事者として、あらゆるトピックで記事の執筆を試みたい。
是非とも今回の記事があなたの課題を解決するものであったなら嬉しく思う。