この記事では『障害者手帳を利用した公営住宅への優先入居』について紹介する。
この記事にたどり着いたということは「障害者手帳を利用して公営住宅への入居を考えているけど、仕組みがわからない」という課題を抱えているのではないだろうか。
僕自身、身体障害者手帳1級を所持していると同時に、東京都内の公営住宅に入居している1人だ。
ぜひ、実体験を踏まえて執筆しようと思う。
公営住宅の障害者優先入居とは
まず、公営住宅というのはご存知だろうか?
簡単に言うと、地方自治体が賃貸している住宅のことだ。
公営住宅に入居すると、安い家賃で生活をすることができるのが強みだろう。
その一方で、入居したい人が後を絶たない。多くの人が公営住宅に入居したいのだ。
入居したい人が住宅の数よりも多かった場合は抽選になる。
通常、平等に抽選が行われるのだが、身体障害者手帳を所持していると公営住宅に優先的に入居できるのだ。
身体障害者手帳で抽選の当選確率を上げる
どういうことなのか説明しよう。
一般の方が公営住宅に入居したい場合には、抽選がおこなわれる。
基本的に、特別な理由が無い限り当選確率は1倍だ。
しかしながら、身体障害者手帳を所持していれば当選確率が5倍、7倍になる場合がある。
住んでいる地域によっては即入居できる場合もあるので、近くの役所に相談しよう。
公営住宅に入居できる可能性は、身体障害者手帳の等級と比例する。
当選確率7倍になる身体障害者手帳等級
東京都の場合、身体障害者手帳の等級が1級から4級の場合当選確率が7倍になる。5級や6級の場合には当選確率は5倍だ。
住んでいる地域や地方自治体によっては、身体障害者手帳1級・2級といった重度の身体障害者向けに即入居の制度が用意されている地域もある。
注意点
これまで公営住宅の障害者優先入居について紹介したが、1つ注意がある。
繰り返しにはなるが、住んでいる地域によって公営住宅の障害者優先入居制度が異なる。
そのため、お住まいから最も近い市役所などに細かい情報はヒアリングしよう。
東京都の公営住宅、障害者優先入居について
さて、公営住宅の障害者優先入居について確認したところで、実際に東京都の例で確認してみよう。
冒頭でも記述したが僕自身、身体障害者手帳1級を所持しており、公営住宅に住んでいる。そんな縁もあって、実体験ベースで紹介したい。
身体障害者手帳を利用して、入居の確率を上げる
東京都では、住宅に困っている人を対象に公営住宅入居者を募っている。
公営住宅は賃貸料が安いため、常に人気の的なのだ。
もちろん身体障害者だけではなく、一般の方も応募する。
そのため、膨大な応募数が原因でかなりの倍率を叩き出してしまうのだ。
通常、一般枠の場合は当選確率は1倍だ。
しかしながら、身体障害者手帳を所持していると当選確率が上がる。
詳しい当選確率に関して、下の表を確認して欲しい。
当選倍率 | |
一般の方 | 1倍 |
身体障害者手帳(1級〜4級) | 7倍 |
身体障害者手帳(5級〜6級) | 5倍 |
応募者限定の公営住宅障害者優先入居
東京都にはポイント方式という都営住宅の入居者募集方式がある。
この方式では、障害者や母子家庭などに入居者の対象を絞ることによって、一般の方では応募できない仕組みになっている。
先ほどの制度が抽選であったのとは異なり、こちらの方式では生活に困窮している度合いに応じて入居者を決める。
身体障害者の場合、障害の程度が重度であればあるほど優先的に審査して貰えるのだ。
車椅子の方限定の公営住宅優先入居制度
東京都の公営住宅には、車椅子専用のバリアフリー住宅がある。
入居の対象となるのは、身体障害者手帳の等級が1級、または2級であり、車椅子を利用する障害者がいる世帯や1人暮らしに限る。
該当者に世帯があった場合にはポイント方式、単身の場合には抽選によって入居が決まるのだ。
さらに東京都では車椅子ユーザーのために、自宅をバリアフリーにする際の補助金制度がある。
なので、バリアフリーが整備されている公営住宅に入居できなくても心配する必要はないのだ。
都営住宅使用料の減免
東京都では身体障害者手帳1級、または2級所持者に対して、都営住宅使用料の割引制度がある。(愛の手帳1・2・3度、精神障害者保健福祉手帳1・2級も制度の対象となる)
もちろん所得に応じて受けることができない場合もあるが、ぜひ検討して欲しい。
東京都の公営住宅、障害者優先入居の時期
さて、これまでに東京都の公営住宅、障害者優先入居についての概要を紹介した。
この章では簡単に、障害者の入居募集時期について確認したい
募集時期 | 対象世帯等 |
5月上旬 | 家族向、単身者向 |
8月上旬 | 家族向(ポイント方式) |
11月上旬 | 家族向、単身者向 |
2月上旬 | 家族向(ポイント方式) |
※)家族向け(ポイント方式)…応募者限定の公営住宅障害者優先入居
東京都の公営住宅、障害者優先入居の応募方法
さて、東京都の公営住宅障害者優先入居についてあらゆる視点で確認してきた。
最後に、障害者優先入居の応募方法を確認してみよう。
申込書を手に入れる
応募するためには申込書を手に入れる必要がある。
申込書は、募集期間中に(土日以外)都庁・区役所・市役所・町村役場・東京都住宅供給公社本社、各窓口センターで無料配布している。
さらに、東京都住宅供給公社ホームページの「都営住宅の最新情報」のページからダウンロードすることも可能だ。
申込書を手に入れたら、必要事項を記入し郵送で送る必要がある。
申し込みから入居までの10ステップ
さて申込書の入手ができたら、申込書から入居までの段階を確認しよう。
1.募集期間
2.申し込み(郵送)
3.公開抽せん(募集月の翌月の後半)
4.当せん(資格審査対象者)
5.入居資格審査
6.合格
7.入居予定者登録(空き家が出るまで待ち)
8.住宅のあっせん(約募集期間の5か月後~1年後)
9.入居説明会・入居手続
10.入居
僕自身も結構驚きだったのですが、このように入居するまでに結構な時間を要します。
なので、余裕を持って申し込むのが良いでしょう。
まとめ
いかがだっただろうか。
今回は、障害者手帳を利用した公営住宅への優先入居について執筆した。
実際に僕自身が体験したことも含まれていたので、非常に執筆しやすい内容だった。
今後とも身体障害者手帳を持つ当事者として、あらゆるトピックで記事の執筆を試みたい。
是非とも今回の記事があなたの課題を解決するものであったなら嬉しく思う。