この記事では『有料道路でETCを利用する際の障害者割引利用方法』について紹介する。
この記事にたどり着いたということは「障害者割引でETC割引をうまく利用できない」という課題を抱えているのではないだろうか。
それなら安心して欲しい。
僕自身、身体障害者手帳1級を持つ身体障害者だ。
実際にETCを利用した障害者割引を受けている当事者として執筆したい。(僕自身は車を運転しないので、扶養家族が割引を受けているという意味合いだ)
それでは確認していこう。
もくじ
ETC障害者割引とは
「身体障がい者の方が自ら運転する」または「重度の身体障がい者の方もしくは重度の知的障がい者の方が同乗し、障がい者ご本人以外の方が運転する場合」に、事前に登録された自動車1台に対して、割引率50%以下の障害者割引を実施しております。
参照:『NEXCO 東日本 ドラぷら 障害者割引』
上記は、NEXCOで紹介されているETC障害者割引の定義だ。
少しわかりずらいので噛み砕いて説明する。
つまり、①身体障害者自身が運転する②重度の身体障害者、または重度の知的障害者が同乗しているしている場合、どちらかの条件を満たすことで、事前に登録している車1台に対し、有料道路利用料金の50%割引を受けることができる。
上記のような制度がETC障害者割引なのだ。
ETC障害者割引を利用する際の注意点
さて、ETC障害者割引について軽く触れたところで、次にETC障害者割引を利用する際の注意点について確認していきたい。
極めて重要な注意点なので、ぜひ確認して欲しい。
割引額と有効期間
ETC障害者割引を活用することで、通常料金の半額で有料道路(高速道路など)の利用が可能だ。(端数は10円単位での切り上げ)
有効期間は初回の申請手続きを終了した日から、2回目の誕生日までとなる。
有効期間をすぎる前に、早めに更新手続きを心がけたい。
割引の対象者
身体障害者本人が運転する場合
身体障害者本人が運転する場合には、身体障害者手帳の等級に関係無く、全ての手帳保持者が割引の対象となる。
重度の身体・知的障害者が同乗している場合
重度の身体、または知的障害者が同乗している場合には、障害者本人が同乗していることを条件に割引の対象となる。
ちなみに、ここでいう重度の障害とはどういうことなのかを少し説明したい。
重度の障害という言葉には様々な定義があるが、ここで使用している意味合いとしては、「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」の第1種を指す。
下の表を確認して欲しい。
身体障害者手帳の等級に応じて1種、あるいは2種の区分がされているのだ。
第1種身体障害者 (本人及び介護者) |
第2種身体障害者 (本人) |
|
視覚障害 | 1級から3級及び4級の1 | 4級の2、5級及び6級 |
聴覚障害 | 2級及び3級 | 4級及び6級 |
平衡機能障害 | – | 3級及び5級 |
音声機能、言語機能又はそしゃく機能障害 | – | 3級及び4級 |
上肢障害 | 1級、2級の1及び2級の2 | 2級の3、2級の4及び3級から6級 |
下肢障害 | 1級、2級及び3級の1 | 3級の2、3級の3及び4級から6級 |
体幹障害 | 1級から3級 | 5級 |
心臓、じん臓若しくは呼吸器又は小腸の機能障害 | 1級、3級及び4級 | – |
ぼうこう又は直腸の機能障害 | 1級及び3級 | 4級 |
ヒト免疫不全ウィルスによる免疫又は肝臓の機能障害 | 1級から4級 | – |
ここでもし身体障害者手帳の等級表について詳しく知りたいという方がいたら、ぜひ参考記事を確認して欲しい。
※)ただいま準備中です。
レンタカーは割引対象外
よくある疑問としてレンタカーを使用した場合、ETC障害者割引を受けることが可能なのかという点だが、これは割引対象外だ。
十分に気をつけよう。
ETC障害者割引を実際に利用する
さて、これまでにETC障害者割引を利用する際の注意点について確認した。
この章では、実際の利用方法を確認したい。
ETC障害者割引の申請
ETC障害者割引を利用したいと思った時に最初にする行動は、市区町村の障害福祉担当窓口にて必要書類を提出することだ。
申請に必要な書類は以下の6つだ。
1.障害者本人の身体障害者手帳、または療育手帳
2.登録を申請される自動車の自動車検査証 3.運転免許証(障害者本人が運転する場合) 4.委任状(代理人による申請の場合) 5.ETCカード(障がい者ご本人名義、または未成年の重度障害者の場合は家族や後見人のETCカードでも可) 6.「ETC車載器セットアップ申込書・証明書」等登録を申請される自動車に取り付けられたETC車載器の車載器管理番号が確認できる書類 |
そして申請が終わり次第、福祉担当窓口で発行された「ETC利用対象者証明書」を、同時に渡される所定の封筒にて「有料道路ETC割引登録係」あてに、切手を貼付のうえ郵送する必要がある。
一連の申請手続きが完了した際、後日ETCでの利用が可能となる日付を記した書面が家に送られてくるのだ。
一連の作業は必要書類が多いため、少し複雑だ。
もし申請がスムーズにいかなそうだという判断であれば、近くの障害福祉担当窓口にヒアリングすることをおすすめする。
僕自身、身体障害者手帳関連でわからないことがあるといつも聞いている。
ETC障害者割引の更新
冒頭でも少し触れた通りだが、ETC障害者割引には有効期限(申請手続きが終了した日から2回目の誕生日まで)がある。
ETC障害者割引の更新は、期限が切れる2ヶ月前から更新申請が可能だ。
更新申請をおこなう際も、市区町村の障害福祉担当窓口にて必要書類を提出する。
必要な書類は、初めての申請時と同じ書類だ。
ETC障害者割引の変更手続き
ETC障害者割引の有効期限内に
・自動車のナンバー登録番号等
・自動車の所有者、使用者
・ETCカードの名義、番号
・ETC車載器の車載器管理番号
・申請者の名前、住所
上記5つの項目のどれかを変更する場合には、市区町村の障害福祉担当窓口にて、変更手続きが必要だ。
変更に必要な書類は、申請・更新時と同じ書類となる。
ETC障害者割引がどれくらいお得なのかを計算してみた
この章では、実際にETC障害者割引を使用した場合どれくらいの値段で、有料道路を利用できるのかを計算する。
今回は、僕自身が家族とよく利用している東名高速道路で確認したい。
IC(インターチェンジ) | 普通料金(普通乗用車) | 割引料金(普通乗用車) |
東京ー御殿場 | 2,570円 | 1,290円 |
横浜町田ー御殿場 | 1,940円 | 970円 |
ETC障害者割引のまとめ
いかがだっただろうか。
少し長くなってしまったが、ETC障害者割引の利用方法についてまとめてみた。
今回の記事では実体験を基に記述できたため、非常に書きやすかった。
今後とも身体障害者手帳を持つ当事者として、あらゆるトピックで記事の執筆を試みたい。
是非とも今回の記事があなたの課題を解決するものであったなら嬉しく思う。