この記事では『就労継続支援B型のわからないポイント』について紹介する。
「検索しても思い通りの情報にアクセスできない!」こんな煩わしさを思い知ったことはないだろうか?
今回は、身体障害者手帳1級を持つ僕自身が就労継続支援B型について理解しづらいポイントをわかりやすく紹介する。
この後のトピックを読むと『就労継続支援B型』についての疑問や課題が解決しているはずだ。
もくじ
就労継続支援B型とは?
就労継続支援B型とは、障害を理由に企業で働くことが困難な方が軽作業などの就労訓練を行うことができる福祉サービスだ。
障害者総合支援法に基づく福祉サービスのひとつであり、基本的に利用者の状況に合わせて柔軟に対応して貰えるのが特徴だろう。
就労移行支援所と大きく違う点として、工賃(成果に対する報酬)を受け取ることができる。
各地に1万以上の就労継続支援B型事業所があり、利用者数は25万人を超える。(※参考:1
就労継続支援B型の仕事・作業内容を確認
就労継続支援B型事業所では、場所によって仕事や作業内容は様々だ。
パンやクッキーなどを作るところもあれば、Webサービスを作るようなプログラミングの技術を教えている事業所もある。
事業所によって作業内容が違うので注意が必要だ。
1日のスケジュール
ここで、就労継続支援B型事業所の簡単な1日のスケジュールを紹介したい。(※参考:2
ここで紹介するのはあくまで1例だが、概ねどこの事業所でも同じようなスケジュールだろう。
1. AM:9:30 朝礼・体操
2. AM:10:00 作業開始
3. AM:10:50 休憩
4. AM:11:00 作業開始
5. AM:11:50 昼食
6. PM:13:00 作業開始
7. PM:13:50 休憩
8. PM:14:00 作業開始
9. PM:14:50 休憩
10. PM:15:00 作業開始
11. PM:16:00 掃除・終了
就労継続支援B型の利用対象者は?
就労継続支援B型を利用できるのは、基本的に身体障害、知的障害、精神障害、発達障害を患っている方になる。
その上で、以下4つの項目のどれかを満たすことが条件となる。
1.就労経験があり、年齢や体力面で一般企業の就労が困難な方
2.年齢が50歳以上である方
3.就労移行支援事業者などによるアセスメントで、就労面の課題が浮き彫りになった方
4.障害基礎年金1級を受給している方
就労継続支援B型の利用には就労経験が必要
就労継続支援B型事業所を利用するためには、就労経験、または就労移行支援所での訓練経験が必要だ。
そこで、就労に対する課題のアセスメントが行われる必要があるのだ。
アセスメントについて、詳しく知りたい方はこちらの記事(『就労継続支援B型に通うための就労アセスメントとは?』)を確認して欲しい。
また、障害者手帳を持っていない方でもB型事業所を利用できることがある。
そのあたりは近くの市区町村の障害福祉課に確認して貰いたい。
就労継続支援B型の利用には年齢制限がない
就労継続支援B型事業所を利用する際に、「年齢制限はあるの?」といった意見を多く耳にするが、年齢制限はないので心配する必要はない。
就労継続支援B型の利用料金は?
就労移行支援B型事業所の利用料金は、事業所に通所する日数と世帯収入によって変わる。
もちろん通う日数が多ければ多いほど利用料金は掛かるが自己負担学に関しては、月額の上限額が定められているので安心だ。
具体的な月額の上限額に関しては、以下の表を確認して欲しい。(※参考:3
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般 1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
一般 2 | 上記以外 | 37,200円 |
就労継続支援B型の利用手続きは?
さて、この章では実際に就労継続支援B型を利用するための手続きを確認したい。
就労継続支援B型を利用するために踏むべき手続きは3つある。
1つづつ確認していこう。
01:就労継続支援B型事業所の見学
まずは、自身が通いたいと思うような事業所を見つけることが何よりも重要だ。
何故ならば、これから長い時間通うことになるからだ。
この見学によって、スタッフや仲間達の雰囲気を確認したい。
見学の申し込みに関しては、就労継続支援B型事業所のHPやかかりつけのクリニックを利用して対応しよう。
02:市区町村の障害福祉窓口へ利用申請
実際に就労継続支援B型の利用を開始するには、B型事業のサービス受給者証が必要だ。
そこで、いくつかの資料を手に利用申請をおこなう必要がある。
この記事で申請するための資料について説明しても良いが、正直複雑でわかりづらい場合が生じることが多い。
なので申請資料に関しては、市区町村の障害福祉窓口に相談するのが良いだろう。
03:B型事業のサービス受給者証の交付
さて申請作業が終わりB型事業のサービス受給者証が交付されたら、いよいよB型事業所の利用段階になる。
この段階で、自分が通いたい事業所に連絡しよう。その後は事業所の方で対応してくれるはずだ。
就労継続支援B型の工賃は?
就労継続支援B型の工賃(作業に対する成果報酬)は、事業所によって異なる。
例えば、事業所によっては1日x円のような形で工賃が支払われる場合もあるが、一方で、成果物の出来高で工賃が支払われる場合もある。
就労継続支援B型事業所では最低賃金という概念がなく、時給換算すると200円程度の工賃しか支払われていないケースもあり昨今問題になっている。
厚生労働省の調査によると、2015年度の平均月額工賃は1万5033円であり、年々工賃は上がっているものの課題は多いと言えるだろう。(※参考:4
就労継続支援B型とA型の違いは?
就労継続支援B型とA型の違いは色々あるが、最も注目すべき違いは、雇用契約があるのかないのかということだろう。
就労継続支援B型は雇用契約を結ばない一方で、A型は雇用契約を結ぶ。
就労移行支援A型の場合には、最低賃金額以上の給料が支払われるのだ。
他にもいくつか違いがあるので、下の表で確認して欲しい。
就労移行支援 | 就労継続支援B型 | 就労継続支援A型 | |
対象者 | 18歳〜65歳未満 | 年齢制限無し | 18歳〜65歳未満 |
利用期間 | 最長2年 | なし | なし |
雇用契約 | なし | なし | あり |
月額の平均収入 | なし(一部支援がある市町村もある) | 約1.5万円 | 約6.7万円 |
就労継続支援A型とは
就労継続支援A型とは、現時点では企業での就労は難しいが、一定働くことのできる障害者を支援する事業所だ。
就労継続支援B型と比べると比較的一般企業での業務と近い形になる。
さらにA型事業所と雇用関係を結ぶので、最低賃金額以上の給料が支払われるのだ。
就労継続支援A型に関して、もっと知りたい方はぜひこちらの記事(『就労継続支援A型とは?』)を確認して欲しい。
就労移行支援とは
就労移行支援とは、障害のある人のための職業訓練・就活支援サービスだ。
一般企業で働くことを目指している障害者に対して、身につけるべきスキルを熟練させるための手助けをしてくれるようなサービスだと思ってくれて良いだろう。
就労移行支援所では工賃や給料は出ない。
しかしながら就労移行支援所melkでは交通費やランチを支給して貰える制度があるのだ。
下記に見学相談のリンクを貼っておくので、少しでも一般企業での就労を考えている方はぜひ一度見学に行ってみると良いだろう。
▶️障がいのある方の「働きたい」を支援します!就労移行支援のMelkへの登録はこちら
おすすめの就労継続支援B型を紹介
さて、これまでの章で就労継続支援B型についてご理解頂けたかと思う。
この章では、実際に利用すべき就労継続支援B型について紹介したい。
おすすめの就労継続支援B型は人によって違う
B型事業所では場所によって全く異なる作業内容が用意されている。
なので、自分が本当にやりたい仕事や作業を基準に考えるのが最も良い選び方だろう。
例えば、おいしいパンを作って消費者に届けたい人はそれを仕事や作業にしているB型事業所に通えば良いし、パソコンの技術を使って仕事をしたい人はそれをおこなっているB型事業所に通えば良いのだ。
さらに家から通えることもB型事業所を選ぶ上で重要な指標だろう。
就労継続支援B型の評価・口コミ
さて、最後に就労継続支援B型の評価や口コミを確認してみよう。
【B型事業所を再利用する方も】
【一方で不満を口にする方も】
まとめ
いかがだっただろうか。
今回は、就労継続支援B型のあらゆる情報について執筆させて頂いた。
就労継続支援B型は、場所によってあらゆる仕事や作業があるため、自分に向いているものを選べるというメリットがある一方で、工賃が少ないという課題もある。
そのあたりもしっかり確認した上で、通うべきB型事業所を選ぶことが重要だろう。
今後とも身体障害者手帳を持つ当事者として、あらゆるトピックで記事の執筆を試みたい。
是非とも今回の記事があなたの課題を解決するものであったなら嬉しく思う。
・参考リスト
参考1: 厚生労働省 『社会福祉施設等調査』
参考2: NPO法人 はっぴぃ21 福祉会 『就労継続支援B型 1日の流れ』
参考3: 厚生労働省 『障害者の利用者負担』
参考4: 厚生労働省 『障害者の就労支援対策の状況』