コラム

視覚障害とは?視覚障害者に対する理解を広めたい

この記事では「視覚障害」について紹介したい。

僕は日々身体障害者1級当事者として生活を送る中で、同じような身体障害を持った仲間と触れ合う機会がある。

身体障害と言っても種類は色々。症状の程度や障害の種類によって、日常に抱く課題感は全く違うのだ。

そこで僕は、それぞれに抱く”課題感の正体“をあぶり出し、情報という手段で課題の解決を目指したいと思っている

今回、視覚障害を持つ友人との雑談の中で「視覚障害への理解が薄い世の中で生きるのが怖い」という声があり、そこに課題感を感じた。

彼は”歩きスマホの危険性“に対して強い課題感を持っていた。
視覚に障害を持たない僕らにとっては当たり前であっても、視覚に障害を持つ彼にとってはとても危険なことだ。

そういった経緯から今回は視覚障害についてわかりやすく説明したい。

視覚障害とは

視覚障害とは、両目の視力に著しい低下が見られる状態、または、視野の広さに著しい低下が見られた状態のことを指す。

基本的には、両目の視力と視野の広さで総合的に判断されるのだ。

 

視覚障害の種類を知る

 

視力障害

視力障害とは「目の見えにくさ」、視力に障害を抱えた状態を指す。
視覚的な情報を全く得ることのできない状態を盲、視覚補助具等を利用し見えずらい状態にある場合を弱視(ロービジョン)という。

 

視野障害

視野障害とは、視力の低下や視野の欠損によって、「ものが見えにくい」という状態

 

色覚障害

色覚障害とは、視力や視野に問題はない。しかしながら、特定の色を区別するのが難しい状態だ

区別するのが難しいことに加え、特定の色が違う色に見える場合もある。

 

光覚障害

光覚障害とは、明るさを区別するのが難しい状態
そのため、暗がりから急に明るくなると、適応するまでに時間がかかる。

なので、光覚障害の方と一緒にいる時には注意しよう。

視覚障害の認定基準と等級表

ここまで、視覚障害の定義について見てきた。

視覚障害にはいくつかの症状がある。それらを総称して視覚障害と定義するが、全ての症状において身体障害者手帳が交付されるとは限らないのだ

身体障害者手帳が交付される条件として、身体障害認定基準を満たす必要がある。

 

身体障害認定基準とは

障害認定とは”対象者が身体障害者である“ということを定めたものだ。

身体障害の認定基準は都道府県によって様々。
今回は、東京都の例をわかりすく噛み砕いて紹介したい。

 

第1条(目的)

身体障害者の障害程度の認定は、「身体障害者福祉法」「身体障害者福祉法施行令」「身体障害者福祉法施行規則」「東京都身体障害者手帳に関する規則」に定めることが基準となる。

 

第2条(障害の定義)

障害の程度が変わっても「障害」とみなす。

 

第3条(乳幼児の障害認定)

乳幼児に関わる障害の認定は満3歳行こうにおこなう。(一部例外あり)
しかしながら、3歳未満であっても四肢の欠損等身体機能の障害が明らかな場合は、障害認定をおこなう。

 

第4条(加齢現象及び意識障害を伴う身体障害)

加齢現象および意識障害を伴う身体障害の認定は、日常生活能力の回復の可能性又は身体障害の程度に着目し障害認定を行うこととする。

 

第5条(知的障害をもつ者の身体障害)

身体障害の判定は、知的障害の有無に関わらず法の対象として扱う。しかしながら、明らかに身体障害が知的障害によるものである場合は、身体障害とは認定しない。

 

第6条(7級の障害及び重複障害)

7級のみでは法の対象とはならないが、7級の障害が2つ以上ある場合は法の対象となる。

 

第7条

障害が重複する場合、障害者等級を以下のように認定する。
※)障害等級に関してはちらの記事で詳しく紹介しております。

 

1)2つ以上の障害が重複する場合、重複する障害の合計指数に応じて算出する

合計指数 認定等級
18以上

11〜17

7〜10

4〜6

2〜3

1級

2級

3級

4級

5級

6級

 

2)合計指数の算出方法は各々の該当する障害等級の合計したものとする

指数 障害等級
18

11

7

4

2

0.5

1級

2級

3級

4級

5級

6級

7級

※)合計指数の算出には例外が含まれるので、こちらの記事を参照ください。

 

第8条

障害種類別の身体障害認定基準は「障害程度等級表」の通りとする。
※)障害程度等級表はわかりやすくこちらの記事で紹介しております。(準備中)

 

第9条

身体障害の再認定を必要とする者は、再認定が必要とされる疾患や症状に該当する者とする

 

第10条(再認定のための診査の期日)

再認定を必要とする者は、身体障害者手帳を交付されてから1年以上5年未満に再認定を受ける必要がある

 

以上、上記10ケ条のいずれかに値する人が身体障害者として認定される。
※)全文はこちら(東京都心身障害者福祉センター参考資料)から参照できます。

 

視覚障害の認定基準と等級表

級別 視覚障害
1級 両眼の視力の和が0.01以下のもの
2級 1.両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの

2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上のもの

3級 1.両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの

2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が90%以上のもの

4級 1.両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの

2.両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの

5級 1.両眼の視力の和が0.13以上0.2以下のもの

2.両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの

6級 一眼の視力が0.02 以下他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超えるもの

視覚障害の原因は?

視覚障害は先天性で患う症状もあれば、後天的に患う症状もあり、未だに原因がわからない症状もあるのだ

この章では、後天的に視覚障害を患ってしまう原因について見ていきたい。

 

最も多い視覚障害の原因は「緑内障」

障害者手帳発行数から推定される、日本人における視覚障害の原因疾患の第1位は緑内障です。1)治療せずに放っておくと失明につながるおそれがあります。

参照:『緑内障の情報サイト』

いくつかある視覚障害の原因の中で最も多いのが「緑内障」だ
実に視覚障害者の3割近くが「緑内障」が原因で視覚障害を患ってしまう。

視覚障害者に私たちができる配慮とは

僕たちは視覚障害を持つ人々と日々共存している。
あなたも街中で”白杖”をついている人を見かけたことはないだろうか。

社会での共存の中できっと僕らにもできる配慮はたくさんある。

この章では、”私たちにできる配慮はなにか“ということで、視覚障害を持つ友人にヒアリングしてみた結果を記している。

 

歩きスマホをやめること

友人:「歩きスマホは、こちらが注意していても、向こうが気づいていない場合があるから、衝突するのではないかという危険性を感じる。

僕たちは、日々何気なくスマートフォンを見ながら移動をおこなう。
しかしながら、当たり前の生活の中にも視覚障害者とっての危険性が潜んでいるのだ。

 

名乗ってから話をかける

友人:「目が不自由な私たちは、初対面の方を目の前にすると声だけでは判断できません。大勢の人がいると、誰が誰だかわからなくなるので、名乗って貰えると嬉しいです。

 

体に触れるときには先に声をかける

電車に乗っていると、席を譲ってくれる方がいます。大変ありがたいのですが、声をかける前に肘に触れられてしまうとびっくりします。もちろん配慮であることは承知していますが、できれば先に声をかけてください。

視覚障害者に学ぶダイアログ・イン・ザ・ダーク

参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、グループを組んで入り、
暗闇のエキスパートである視覚障がい者のアテンドにより、中を探検し、様々なシーンを体験します。
その過程で視覚以外の様々な感覚の可能性と心地よさに気づき、
コミュニケーションの大切さ、人のあたたかさなどを思い出します

参考:『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』

あなたは、ダイアログ・イン・ザ・ダークをご存知だろうか。

簡単に説明すると、目を隠した状態で視覚障害者の案内によって暗闇の中を体験するイベントだ。

このようなイベントや体験を通して、視覚障害への理解が広まってくれること願うばかりだ。

まとめ

いかがだっただろうか?
今回は視覚障害の定義について”わかりやすく”を心がけ、紹介させて頂いたつもりだ。

「視覚障害への理解を深めたい」との想いが、少しでも届いていると嬉しい。そして、少しでも視覚障害者をはじめとする、障害者への配慮が進む世の中を目指していきたいと心から願う。

ABOUT ME
渡邉まさる
先天性内部機能障害 / 身体障害者手帳1級所持 / うつ病の闘病経験 / 青山学院大学在学中にRepeL, Inc.を創業 / 個人ブログはこちら