聴覚障害とは?聴覚障害者が抱く悩みについてを伝えたい

先天性胆道閉鎖症。15歳で肝臓移植・17歳で腸閉塞を発症。身体障害者手帳1級。個人ブログはこちら


この記事では『聴覚機能障害についてのあらゆる情報』について紹介する

この記事は、僕の友人の紹介で知り合った聴覚障害者へのヒアリングが基になっている

いくつか話を聞いてみると「聴覚障害のことがあまりにも世の中に知られていない」という課題があることがわかったのだ。

この後のトピックを見ると、『聴覚障害についてのあらゆる情報』についての疑問や課題が解決しているはずだ。

この記事を読んでわかること

まずは聴覚の仕組みを知る

耳の構造
引用:日本耳鼻咽喉科学会

 

外耳の役割

外耳の主な役割は、外からの音を集めることだ

構造としては、「耳介(じかい)」と「外耳道(がいじどう)」から成り立っており、音が最初に伝わる部分でもあるため、重要な役割を担っている。

 

中耳の役割

中耳の主な役割は、鼓膜から内耳へ振動や音を伝えることだ

中耳は、「鼓膜(こまく)」、「鼓室(こしつ)」、「耳小骨(じしょうこつ)」、そして「耳管(じかん)」から成り立っている。

「中耳炎」という症状には馴染みがあるだろう。これはまさしく中耳が炎症を起こしている状態のことだ。

 

内耳の役割

内耳の主な役割は、振動を電気信号に変え、脳や神経に伝達することだ

内耳は、「蝸牛(かぎゅう)」、「半規管(はんきかん)」、「前庭(ぜんてい)」で構成された構造を持っている。

脳や神経との距離が近いことから、最も重要かつデリケート一面を持ち合わせる。

聴覚障害とは?聴覚障害の定義共に解説する

聴覚障害とは「音を聞くことが不自由」である状態のことを指す。

実は、聴覚障害を定義することは、とても難しいのだ。
なぜならば、聴覚の不自由度は100人いれば100通りにもなり、その中でいくつかに分類できるとすれば….という前提で、今回は3つの分類を紹介する。

 

難聴者

難聴者とは、聴力は不自由な一方で、まだ聴力が残っている状態を指す

難聴者の場合補聴器を使用することで、会話によるコミュニケーションがスムーズに取れる人もいる。その一方で、補聴器を使用してもかすかにしか音を拾うことしかできない人もいるのだ。

天気などの外的要因に左右されると同時に、精神の安定・不安定といった内的要因にも左右されることから、ひとくくりにすることはとても難しいことだ。

 

中途失聴者

中途失聴者とは、音声言語を得た後で後天的に聴力が不自由になった人を指す

中途失聴者の場合、一度音声言語に触れていることが多い。そのため、話すことができる人が多くいるのが特徴と言えるだろう。

 

ろう(あ)者

ろう(あ)者は、音声言語を得る前に聴力が不自由になった人のことを指す

ろう(あ)者の場合には、補聴器を使用しても、聞き取れるのはほとんど雑音だ。そのため、手話でのコミュニケーションを第一に図っている人が過半数を占めている。

聴覚障害の種類

聴覚障害の種類は、症状がどの部位で発生しているかに関わる

障害の部位が外耳なのか中耳なのか内耳なのかによって分類されるのだ。

 

伝音性難聴

伝音性難聴とは、外耳、あるいは中耳における難聴を指す

外耳や中耳がなんらかの障害を起こしているために内耳まで音が伝わりにくい状態だ。

伝音性難聴の場合であれば、補聴器を使用することで、聞こえやすくなるケースがある一方で、症状が進行すると、補聴器を使用しても聞こえが改善しない場合もあるのだ。

 

伝音性難聴の原因は?

伝音難聴の原因はさまざまですが、中耳の感染症(中耳炎)、良性腫瘍(真珠腫)、鼓膜の損傷(鼓膜穿孔)、外傷、中耳・外耳奇形などがあげられます。

参考:Cochlear 伝音難聴

 

感音性難聴

感音性難聴とは、内耳になんらかの障害がある症状のことを指す

感音性難聴の症状は、伝音性難聴よりも聞こえがよくない状態だ。

補聴器を使用して音を大きくするだけでは、うまく聞き取れない場合がある。なので、細かい調整が必要となるのだ。

 

感音声難聴の原因は?

感音難聴の原因は様々ですが、先天的な原因と後天的な原因の2つに分けられます

先天的な原因による難聴(先天性難聴)は、出生時に難聴が生じています。新生児に最も多くみられる異常です。主な原因は、遺伝性、または胎児期の発達異常です。ワクチンが開発されるまでは、妊娠中に母親が風疹にかかることが、先天性難聴のもっとも一般的な原因でした。

一方で、出生後に発症する難聴(後天性難聴)には、外傷、加齢、過度の騒音、メニエール病、髄膜炎など、様々な原因が考えられます。ほかにも、特定の薬剤によって難聴になることもあります

参考:Cochlear 感音難聴

 

混合性難聴

混合性難聴とは、伝音性難聴と感音声難聴の両方の症状がある状態のことを指す

この症状の場合、より音を完治する能力が不自由になる。加えて症状の悪化が進行することで、聞き取ること自体が困難になる場合もあるのだ。

聴覚障害の認定基準と等級表

ここまで、聴覚障害の定義について確認してきた。

聴覚障害の定義を紹介する中で、聴覚障害にはいくつかの種類があることもご理解頂けたのではないだろうか。

ここでまた難しい問題がある。聴覚障害の種類が同じでも症状は人それぞれ違うという点だ。

その結果、全ての聴覚障害者に身体障害者手帳が交付される訳ではないのだ。

身体障害者手帳が交付される条件として、身体障害者認定基準を満たす必要がある。

それでは、具体的に見ていこう。

 

身体障害認定基準とは

障害認定とは”対象者が身体障害者である“ということを定めたものだ。

身体障害の認定基準は都道府県によって様々。
今回は、東京都の例をわかりすく噛み砕いて紹介する。

 

第1条(目的)

身体障害者の障害程度の認定は、「身体障害者福祉法」「身体障害者福祉法施行令」「身体障害者福祉法施行規則」「東京都身体障害者手帳に関する規則」に定めることが基準となる。

 

第2条(障害の定義)

障害の程度が変わっても「障害」とみなす。

 

第3条(乳幼児の障害認定)

乳幼児に関わる障害の認定は満3歳行こうにおこなう。(一部例外あり)
しかしながら、3歳未満であっても四肢の欠損等身体機能の障害が明らかな場合は、障害認定をおこなう。

 

第4条(加齢現象及び意識障害を伴う身体障害)

加齢現象および意識障害を伴う身体障害の認定は、日常生活能力の回復の可能性又は身体障害の程度に着目し障害認定を行うこととする。

 

第5条(知的障害をもつ者の身体障害)

身体障害の判定は、知的障害の有無に関わらず法の対象として扱う。しかしながら、明らかに身体障害が知的障害によるものである場合は、身体障害とは認定しない。

 

第6条(7級の障害及び重複障害)

7級のみでは法の対象とはならないが、7級の障害が2つ以上ある場合は法の対象となる。

 

第7条

障害が重複する場合、障害者等級を以下のように認定する。
※)障害等級に関してはちらの記事で詳しく紹介しております。

 

1)2つ以上の障害が重複する場合、重複する障害の合計指数に応じて算出する

合計指数 認定等級
18以上

11〜17

7〜10

4〜6

2〜3

1級

2級

3級

4級

5級

6級

 

2)合計指数の算出方法は各々の該当する障害等級の合計したものとする

指数 障害等級
18

11

7

4

2

0.5

1級

2級

3級

4級

5級

6級

7級

※)合計指数の算出には例外が含まれるので、こちらの記事を参照ください。

 

第8条

障害種類別の身体障害認定基準は「障害程度等級表」の通りとする。
※)障害程度等級表はわかりやすくこちらの記事で紹介しております。(準備中)

 

第9条

身体障害の再認定を必要とする者は、再認定が必要とされる疾患や症状に該当する者とする

 

第10条(再認定のための診査の期日)

再認定を必要とする者は、身体障害者手帳を交付されてから1年以上5年未満に再認定を受ける必要がある

 

以上、上記10ケ条のいずれかに値する人が身体障害者として認定を受ける。
※)全文はこちら(東京都心身障害者福祉センター参考資料)から参照できます。

 

聴覚障害の認定基準と等級表

級別 視覚障害
1級 該当なし
2級 両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの(両耳全ろう)
3級 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの)
4級 1.両耳の聴力レベルが80デシベル以上のもの(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの)

2.両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの

5級 該当なし
6級 1.両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)

2.側耳の聴力レベルが90デシベル以上、他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの

聴覚障害者の特徴と抱える課題や悩みについて

聴覚障害者は、聴覚に障害を抱え「聞こえ」が不自由なことで様々な課題を抱える

日々、健常者がする当たり前の行動が聴覚障害者にしてみれば、大きな困難になり得るのだ。

ここでは、聴覚障害を持つ方へのヒアリングを基に、聴覚障害者が抱える課題を紹介したい

 

聴力の病気に気が付いてもらえない

「聴覚障害者の中には、見た目はほとんど普通の健常者と変わらない人もいます。その際、死角から声をかけられても気づかないことがあります。」

「仮に『補聴器を着けていれば気づいてもらえるよね?』という方をお見かけすることがありますが、イヤホンだと勘違いされることが多いです。」

 

音が聞こえづらいことで周囲の状況を判断できない

「周囲の状況を音によって判断しないといけない時は困りますね。例えば、電車の遅延などは、車内アナウンスのみの場合が多いですよね。そんな時は、音によってのみ判断可能なので、非常に困ります。」

まとめ

いかがだっただろうか?
今回は聴覚障害の基本情報や定義、聴覚障害者が抱える悩みや課題について”わかりやすく”を心がけ、紹介させて頂いたつもりだ。

今後とも身体障害者手帳を持つ当事者として、あらゆるトピックで記事の執筆を試みたい。

是非とも今回の記事があなたの課題を解決するものであったなら嬉しく思う。

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