この記事では『聴覚障害者に向いている仕事・探し方』について紹介する。

聴覚障害者に向いている仕事・向いていない仕事ってなに?

事務職が多いイメージがあるけど電話の応対が出来なくても大丈夫なの?

聴覚障害6級だけど障害者雇用枠は利用するべきなの

といった疑問を持っている方に読んで頂きたい内容となっている。

僕自身は身体障害者なのだが、前職の先輩(部署は違った)が聴覚障害者であり、仕事をする姿をよく見ていた。

さらに今回は、聴覚障害6級で事務関係の仕事をしている友人に話を聞けた。

彼の体験談を元に、きっとあなたにとって役に立つ記事が執筆できただろうと思っている。

障害者雇用とは

メイントピックに入る前に、少しだけ障害者雇用について確認したい。

もし「知っているよ」という方であれば、読み飛ばしてもらっても結構だろう。

さて、障害者雇用とは、障害者が自身の障害を苦にせず、能力や特性に応じて働くことができるようにサポートする制度のことだ。

障害者雇用は、「障害者雇用促進法」という法律によって成り立っている制度であり、少しそのあたりを詳しく確認していこう。

障害者雇用促進法とは

「障害者雇用促進法」とは、(中略)職業リハビリテーションの措置等を通じて、障害者の職業の安定を図ることを目的とする法律です。

参考:日本の人事部

障害者雇用促進法とは障害者の職業の安定を図ることを目的として作られた法律だ

企業は社会的義務として全社員の約2%以上は障害者を採用しなければならない

資本主義社会では、仕事をする上で業務効率が高いことが重要な評価対象となってしまう場合がある

しかしながら、障害や病気を抱える人は、それが原因で社会や会社が求める生産性を担保できない可能性がある。(実際に僕自身がそうであるように…。)

そういった資本主義の合理的な考え方から守ってくれるのがこの法律だ。

聴覚障害者に向いている仕事

このトピックでは、聴覚障害者に向いている仕事について紹介する。

あくまでも、障害の特性上向いている仕事を紹介するので、あなた自身に向いているか向いていないかは自己判断してほしい。

事務職

前置きが長くなってしまったが、事務職は聴覚障害者に向いている仕事だろう。

事務職では、データの入力やファイルの整理が主な業務内容になるので、口話が難しい方でも比較的仕事がしやすいのだ。

しかしながら、事務職は電話の応対をしなければならない事が多い。

こればかりは、僕がどうこう言える事ではないが、障害者雇用枠を利用して就職する場合には、電話の応対は難しいことをしっかりと伝えれば企業側が配慮してくれるだろう。

ちなみに、僕が働いていた会社では、連絡先一覧表の聴覚障害がある方の電話番号には耳のマークがあり、一目で聴覚に障害があると分かるように配慮されていた。

聴覚障害者に向いていない仕事

さてこのトピックでは、聴覚障害者に向いていない仕事について紹介する。

先ほどのトピック同様、障害の特性上向いていない仕事を紹介するので、あなた自身に向いているか向いていないかは自己判断してほしい。

接客業

接客業はお客さんの言葉を聴くだけではなく、発声してコミュニケーションを取らなければならないので難しいだろう。

次のトピックでも紹介するが、比較的軽度な聴覚障害6級の友人でも、後ろから声をかけられると聴こえにくいと言っているので、やはり事情を知らないお客さんとコミュニケーションを取る必要がある接客業は難しいと考えられる。

しかしながら、全面的なバックアップがあれば出来ない事はないので、この話は参考までに留めてほしい。

聴覚障害者が就職に成功したケース【体験談】

このトピックでは、聴覚障害者が就職に成功したケースを紹介する。

今回は、僕の友人である聴覚障害6級で事務(人事担当)をしている男性に話を聞くことができた。

普段は、口話で会話をして必要に応じて手話を使っているのだが、手話はほとんど忘れちゃった(冗談)というとてもユーモア溢れる友人だ。

左:友人 右:RepeL執筆者 黒田

仕事をするにあたって注意すべきこと

黒田:「今まで詳しく聞いたことなかったけど、どんな仕事してるの?」

友人:「今年で2年目になるんだけど、人事部で個人情報の管理ファイリング社員の勤怠管理を主にしてるよ。人事部は電話の応対もあるんだけど、僕の場合は聴覚に障害があるから電話に出なくて良いように配慮してもらってるよ。」

黒田:「そうなんだね!電話のほかに配慮してもらってることってある?」

友人:「僕の場合は、軽度の聴覚障害なんだけど、やっぱり後ろから声をかけられると聴こえにくいから、前から話しかけてもらうようにお願いしてるよ。」

黒田:「なるほど!逆に自分で気をつけてることってある?」

友人:「もちろんあるよ、ちゃんと相手の顔をみて話を聞くように心掛けてるよ。」

黒田:「なるほどね!僕と話すときもちゃんと顔をみて話を聞いてくれてるもんね!答えづらい質問もあったと思うけど協力してくれてありがとう!」

今回の友人との会話でわかったことは、配慮してもらうべきことを明確にして、自身でも意識することが就職成功の秘訣なのだろう。

さらに、友人のような軽度の聴覚障害でも配慮が必要な場合が多いので、障害者雇用枠で就職するほうが成功率はあがるだろう。

障害者雇用枠で就職する際のメリットとデメリットが知りたい方は是非こちらの記事も読んでほしい(障害者雇用のメリットとデメリットを紹介【体験談】)

聴覚障害者が就職に失敗したケース【体験談】

このトピックでは、聴覚障害者が就職に失敗したケースを紹介する。

実は今回、僕の友人である聴覚障害で事務をしていた女性にも話を聞くことができた。

しかしながら、成功したケースと違ってあまり話を掘り下げることが出来なかったので、僕の推測と共に紹介する。

ちなみに、彼女の手帳の等級はわからないが普段は手話と筆談で会話をしている。

人間関係のトラブル

黒田:「久しぶり!仕事は順調?」

彼女:「実は最近、退職したばかりで・・・」

黒田:「えっ!ごめん!差し支えなければ辞めた理由を聞いても大丈夫?」

彼女:「人間関係で色々あって辞めました!」

黒田:「人間関係か〜!わかるわかる、、、」

ここで会話は終わってしまったのだが、僕が推測するに仕事を辞めてしまった要因は二つあると思っている。

一つ目は、コミュニケーション不足だと思っていて、先ほどの成功した友人の場合は配慮してほしいことを明確にしていた。

一方で、彼女は内気な性格ということもあり、自ら発言できるタイプではなかった印象がある。

つまり、配慮してほしいことを明確に出来なかったために人間関係のトラブルに発展してしまったのではないかと僕は推測する。

二つ目は、仕事(事務職)が向いていなかったのではないかと思っていて、実は彼女は絵を描くことが好きで、就職する前はデザイン関係の勉強をしていたのだ。

聴覚障害者が向いている仕事のトピックで事務職を紹介したが、自己判断を仰いだのはこのためである。

あくまでも、障害特性上向いている仕事であって、あなた自身がやりたい仕事ではない場合には他の職種を探すことをおすすめする。

「じゃあ、どうやって探せば良いの?」という声が聞こえてきそうなので、次のトピックで紹介する。

聴覚障害者の仕事の探し方

このトピックでは、聴覚障害者の仕事の探し方について紹介する。

今回は、障害者雇用枠を利用することを前提として紹介する。

1.企業ホームページから応募

2.ハローワークに相談

3.就職エージェントに相談

4.合同面接会に参加

企業ホームページから応募

まずはじめに障害者枠で就職しようと思った場合に思いつくのが企業の障害者雇用枠専門サイトから応募することだろう。

自身の経歴や面接力に自信のある方はこの方法で応募するのが最も良いだろう。

しかしながら、自信の経歴や面接力に自信が無い方はハローワークや就職・転職エージェント、合同説明会へ参加し相談するのが良いだろう。

ハローワークに相談

企業の障害者雇用枠専門サイトからの応募の次に多いのがハローワークでの相談だろう。

もちろん、ハローワークのスタッフは優秀なので、親身になって就職相談に対応をしてくれて、就職先の紹介をしてくれるだろう。

しかしながら、ハローワークに相談する事が必ずしも良いとは限らないので注意が必要だ

なぜならば、ハローワークの求人は良いものばかりではない

むしろ、誤解を恐れずに言うと”求人掲載費を出したくない“という広告主が求人を出す場所がハローワークとも言える。※ もちろん全ての求人がそうではないが、ハローワークは求人掲載費が無料)

そのため、仕事内容や仕事環境にこだわりたい人であれば就職・転職エージェントに相談をした方が良いだろう。

就職・転職エージェントに相談

結論から言うと僕は就職・転職エージェントを利用するのが最も良い方法だと思っている

基本的に障害者が就職を考える時に相談できる場所は、ハローワーク人材紹介会社(就職・転職エージェント)、あるいは合同面接会の3つだ。

ハローワークか就職・転職エージェント、合同説明会のどれを利用するのかということだが、やはり就職・転職エージェントに相談するのが良いだろう。

先ほども少し触れたが、ハローワークであれば求人掲載費が一切掛からない。

なので、採用にお金をかけたくない企業がハローワークに求人を出す傾向がある

一方で、人材紹介会社(就職・転職エージェント)経由で採用を考えている企業の場合には、人材紹介料(相場は年収の30%〜35%程度)を払う必要がある。

つまり、金を掛けてでも障害者を採用したい会社の求人が揃っているのだ。

そのため、就職・転職エージェントの利用は非常に良い手段だといえる。

※ 就職・転職エージェントとは?こちらの記事をチェック!

合同説明会については参加するのも良いかもしれないが、やはりあまりお勧めできない。

その理由を説明しよう。

合同面接会に参加

合同面接会については僕自身が就職活動をしていた時に何度か参加したことがあるが手応えを感じなかった。

理由としては面接の質が悪いこと

合同面接会は大きな体育館や公民館で行うのだが、何百人も集まってる中で書類選考もなしに流れ作業のように面接(1人あたり5〜10分程度)をするので、当然一人一人をじっくり選考する時間はない。

結局、履歴書だけで判断されて人間性をみてもらえていないんじゃないか?と僕はよく不満を口にしていた。

しかしながら、会場内では面接を受けたい企業のブースに並ぶ慣例になっているので、時間が許す限り何社でも面接を受けられるため面接に慣れる(練習になる)ことができるメリットがあることは言及したい。

おすすめの転職エージェント

先ほどのトピックでも触れたが、僕は転職エージェントを利用するのが最も良い方法だと思っているので、おすすめの転職エージェントを紹介したい。

紹介する前に、少し転職エージェントの役割をまとめると、転職相談者の悩み・課題を聞き、その人に合った転職先を紹介することだ。

※ 転職エージェントは最低でも2社以上の登録が個人的にはおすすめ。なぜなら1社だけの登録になると「担当エージェントとの相性が悪い」場合に回避できないからだ。

dodaチャレンジ

dodaチャレンジは、日本最大級転職エージェント「doda」を運営するPERSOLグループの障害者の転職に特化したサービスだ。

強みとしては、圧倒的求人数だろう。

さらに「doda」で紹介している会社の非公開求人を多く持っているはずなので、より自分に合った企業へ転職しやすくなるはずだ。

もしdodaチャレンジへ相談したい!と思う方がいたらこちらのHPから面談の申し込みをして貰いたい。

アットジーピー(atGP)

障害者転職サポート実績業界No.1、国内最大手の障害者専門転職エージェントであるアットジーピーはまず間違いなく信頼できる転職エージェントだ。

運営会社は、東京にオフィスを構える株式会社ゼネラルパートナーズ。

実際に僕自身もゼネラルパートナーズとは縁があり、本社まで訪れた事がある。

その際にも、社員全員が気持ちの良い挨拶をしてくれたのをよく覚えている。

社長自身が「障害者差別」という課題を解決したいと強く願っている一人でもある。それは、会話をしている中でいつも感じていた。

アットジーピー(atGP)を利用すればまず間違いなく親身になってくれるだろう。

もしdodaチャレンジへ相談したい!と思う方がいたらこちらのHPから面談の申し込みをして貰いたい。

エージェントサーナ

エージェント・サーナは、障害者の就労支援26年の実績を持つ、株式会社イフが提供する障害者のための職業紹介サービスだ。

強みとしては、高い内定率とスピード感ある対応だろう。

エージェント・サーナを利用した多くの人が面談から二ヶ月以内に内定を得ている。

26年間、真摯に向き合ってきたからこそ得られた経験とノウハウがあるので、充実したサポートが受けれるはずだ。

もしエージェント・サーナへ転職の相談をしたい!と思う方がいたら
こちらのHPから面談の申し込み
をして貰いたい。

まとめ

いかがだっただろうか。

今回は聴覚障害者に向いている仕事・探し方について紹介した。

最後にもう一度伝えたいことを以下に繰り返して、この記事を締めたい。

障害特性上事務職が向いているが、あなたが本当にやりたい仕事を見つけるべき

仕事を探す方法はいくつかあるが転職エージェントをおすすめする

今回は、友人の体験談を元に執筆出来たので、より良い記事になったと思う。

最後まで読んでくれたあなたにとって、この記事が役に立つことを願っている。

ABOUT ME
黒田のぞみ
下肢不自由障害。片足不全。義足をつけて生活をする。身体障害者手帳2級を所持。

 

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