この記事では『心臓機能障害についてのあらゆる情報』について紹介したい。
この後のトピックを見ると、『心臓機能障害についてのあらゆる情報』についての疑問や課題が解決しているはずだ。
心臓機能障害とは?
心臓機能障害とは、心臓が本来の働きを行えない状態を指す。
心臓病の種類は多岐に渡り、症状はそれぞれ異なる。
この章では、そもそも心臓はどんな働きをするのか。心臓病の種類と症状について見ていきたい。
心臓の働き
心臓は血液を体全体に送るためのポンプの役割を担っている。
もし心臓が障害を抱えると、体全体に血液が正常に送れなくなるのだ。
心臓病の種類
虚血性心疾患(狭心病 心筋梗塞)
心臓に栄養や酸素を送るための冠動脈が、動脈硬化で狭くなることが原因で引き起こる病気。
心臓に酸素を送れなくなってしまうと狭心症に、血管が詰まってしまうと心筋梗塞に繋がるのだ。
突然の発作で死の可能性もあるので、十分に注意が必要だ。
弁膜症
心臓には血液の流れを正常に機能させるための弁が4つ(右心房」「右心室」「左心房」「左心室」)ある。
その弁が何らかの障害が原因で、機能しない病気を弁膜症というのだ。
この病気は先天性の場合もあれば、後天的に発症する可能性もある。
不整脈
心臓は普段、電気的な刺激と伝道を用いて機能している。
不整脈とは、この電気的な刺激と電動が適切に機能しない状態のことを指すのだ。
この病気を発症しても、本人が無自覚な場合も多々あるので、気をつけなければならない。
ちなみに、僕も「ブルガダ症候群」という不整脈の一種を疑われた経験を持つ。その際に24時間心電図などを撮ったのを覚えている。
驚いたのが僕自身不整脈の疑いがあったにも関わらず、全く気がつかなかったのだ。
この経験を基に、定期的に心電図などの心臓病チェックをすることをおすすめする。
心臓病の症状
心臓病の症状は実にシンプルだ。
痛みの特徴は4つ。
1.喉の締めつけ感
2.胸の締めつけ感
3.胸の違和感
4.重圧感
上記4つの症状が見られた場合には、すぐに近くのお医者さんを受診しよう。
※)今回、『よつば循環器科クリニック』のサイトを参考にさせて頂いた。
もし、心臓病の症状についてもっと知りたい方はぜひサイトを確認して欲しい。
心臓機能障害の等級と認定基準
ここまで、心臓機能障害の基本情報や病気の種類、症状について確認してきた。
心臓機能障害について紹介する中で、心臓機能障害にはいくつかの種類や症状があることもご理解頂けたのではないだろうか。
ここでまた難しい問題がある。心臓機能障害は、種類が同じでも症状は人それぞれ違うという点だ。
その結果、全ての心臓機能障害者に身体障害者手帳が交付される訳ではないのだ。
身体障害者手帳が交付される条件として、身体障害者認定基準を満たす必要がある。
それでは、具体的に見ていこう。
身体障害認定基準とは
障害認定とは”対象者が身体障害者である“ということを定めたものだ。
身体障害の認定基準は都道府県によって様々。
いくつかの項目が設定してあり、そのどれかしらに当てはまることで該当者として認定されるのだ。
身体障害認定基準:『【2018年最新】身体障害の認定基準をわかりやすく解説』
心臓機能障害の等級と認定基準
まずは等級表をチェック
級別 | 心臓機能障害 |
1級 | 心臓の機能の障害により、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
2級 | 該当なし |
3級 | 心臓の機能の障害により、家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの |
4級 | 心臓の機能の障害により、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
心臓機能障害の認定基準(18歳以上)
【ア 等級表 1 級の障害は次のいずれかに該当するものをいう。】
1.次のいずれか 2 つ以上の所見があり、かつ、安静時又は自己身辺の日常生活活でも心不全症状、狭心症症状又は繰り返しアダムスストークス発作が起こるもの。
- 胸部エックス線所見で心胸比 0.60 以上のもの
- 心電図で陳旧性心筋梗塞所見があるもの
- 心電図で脚ブロック所見があるもの
- 心電図で完全房室ブロック所見があるもの
- 心電図で第 2 度以上の不完全房室ブロック所見があるもの
- 心電図で心房細動又は粗動所見があり、心拍数に対する脈拍数の欠
損が 10 以上のもの - 心電図で ST の低下が 0.2mV 以上の所見があるもの
- 心電図で第Ⅰ誘導、第Ⅱ誘導及び胸部誘導(ただし V1を除く。)の
いずれかの T が逆転した所見があるもの
2.人工ペースメーカを装着したもの又は人工弁移植、弁置換を行ったもの
【イ 等級表 3級の障害は次のいずれかに該当するものをいう。】
1.aからhまでのうちいずれかの所見があり、かつ、家庭内での極めて温和な日常生活活動には支障がないが、それ以上の活動では心不全症状若しくは狭心症症状が起こるもの又は頻回に頻脈発作を起こし救急医療を繰り返し必要としているもの
【ウ 等級表 4級の障害は次のいずれかに該当するものをいう。】
1.次のうちいずれかの所見があり、かつ、家庭内での普通の日常生活活動又は社会での極めて温和な日常生活活動には支障がないが、それ以上の活動では心不全症状又は狭心症症状が起こるもの。
- 心電図で心房細動又は粗動所見があるもの
- 心電図で期外収縮の所見が存続するもの
- 心電図で ST の低下が 0.2mV 未満の所見があるもの
- 運動負荷心電図で ST の低下が 0.1mV 以上の所見があるもの
2.臨床所見で部分的心臓浮腫があり、かつ、家庭内での普通の日常生活活動若しくは社会での極めて温和な日常生活活動には支障がないが、それ以上の活動は著しく制限されるもの又は頻回に頻脈発作を繰り返し、日常生活若しくは社会生活に妨げとなるもの。
心臓機能障害の認定基準(18歳未満)
【ア 等級表 1 級の障害は次のいずれかに該当するものをいう。】
1.重い心不全、低酸素血症、アダムスストークス発作又は狭心症発作で継続的医療を要するもので、次の所見(a~n)の項目のうち 6 項目以上が認められるものをいう。
- 著しい発育障害
- 心音・心雑音の異常
- 多呼吸又は呼吸困難
- 運動制限
- チアノーゼ
- 肝腫大
- 浮腫
- 胸部エックス線で心胸比 0.56 以上のもの
- 胸部エックス線で肺血流量増又は減があるもの
- 胸部エックス線で肺静脈うっ血像があるもの
- 心電図で心室負荷像があるもの
- 心電図で心房負荷像があるもの
- 心電図で病的不整脈があるもの
- 心電図で心筋障害像
【イ 等級表 3級の障害は次のいずれかに該当するものをいう。】
1.継続的医療を要し、アの所見(a~n)の項目のうち 5 項目以上が認められるもの又は心エコー図、冠動脈造影で冠動脈の狭窄若しくは閉塞があるものをいう。
【ウ 等級表 4級の障害は次のいずれかに該当するものをいう。】
1.症状に応じて医療を要するか少なくとも、1~3 か月毎の間隔の観察を要し、アの所見(a~n)の項目のうち 4 項目以上が認められるもの又は心エコー図、冠動脈造影で冠動脈瘤若しくは拡張があるものをいう。
※)参考:『心臓機能障害』
身体障害者手帳の申請について
さて、これまでは心臓機能障害の認定基準や等級表について確認してきた。
理解に役立ったなら嬉しい。
さて、身体障害認定の確認ができたら、次に身体障害者手帳を取得することがあるだろう。そのあたりを見ていきたい。
そもそも身体障害者手帳とは?
身体障害者手帳とは、身体障害者福祉法が定める「身体上に障害がある者」に対して、都道府県知事や指定都市の市長が交付する手帳のことだ。
(※上記写真の手帳は実際に僕が所有している手帳
身体障害者手帳の所持は「身体障害者」としての1つの特徴であり、多くのサービスやメリットを受けることが可能となる。
身体障害者手帳の申請・取得方法は?
さて、実際の身体障害者手帳の申請・取得方法は下の図を確認して欲しい。
まず始めに、障害認定基準で身体障害者手帳を取得できるのかを確認した後、障害等級表と照らし合わせて手帳の申請資格を確認する。
次に、市区町村の障害福祉窓口で診断書や交付申請書を取得し、書類を揃える必要がある。
そして最後に書類を提出すれば身体障害者手帳の取得は完了する。
身体障害者手帳の申請や取得を目指す場合、実際にはうまくいかないことが沢山ある。
そんな時はぜひこちらの記事(『【体験談】身体障害者手帳の申請・取得方法を紹介』)を参考にして欲しい。
※ 本当はこの記事内で詳しく説明したいのだが、説明が長くなってしまい良くないのではないかと考えた。なので、別の記事で身体障害者手帳の申請・取得の方法を紹介する。
心臓機能障害についてのまとめ
いかがだっただろうか。
少し長くなってしまったが、心臓機能障害の基本情報や認定基準から身体障害者手帳の申請方法までをまとめてみた。
今後とも身体障害者手帳を持つ当事者として、あらゆるトピックで記事の執筆を試みたい。
是非とも今回の記事があなたの課題を解決するものであったなら嬉しく思う。