この記事では『精神障害者が障害年金を申請する方法』について紹介する。
「障害年金の金額が知りたい」
「障害年金の申請方法は?」
「精神障害者は障害年金もらえない?」
そんな悩みや疑問を持った方へ読んでいただきたい内容になっている。
今回は、精神障害者の友人に話を聞いたことにより、リアルな記事を執筆できたと思う。
※友人へのインタビュー記事があるので、ぜひこちらも読んでほしい【私は精神障害者ですが『精神障害者=危ない人』ではありません!】
それでは、精神障害者の障害年金について紹介していく。
必ずあなたが”イマ”必要としている障害年金の情報が見つかるはずだ。
障害年金とは?
障害年金とは身体、精神、知的の障害によって生活や仕事が著しく制限される場合に受け取ることができる公的な年金のことだ。
障害基礎年金と障害厚生年金を総称して障害年金と呼んでいる。
一般的に年金というと65歳以上の方が受給できる「老齢年金」を想像するだろう。しかしながら、20歳以上であれば受給できる年金が障害年金なのだ。
もったいないことに障害年金の受給資格があるにも関わらず、約4割もの方が障害年金を受け取っていないという事実もある。
障害年金の存在すら知らない人が多いのだ。
また、障害年金は障害者手帳の交付とは関係がないので注意が必要だ。
障害基礎年金
障害基礎年金とは、病気や怪我によって、障害の状態になってしまった時に支給される国民年金の1つだ。
障害基礎年金が支給されるためには、病気や怪我の初診日に国民年金を払っている必要がある。
もし障害基礎年金についてもっと知りたい方はぜひ下記の参考ページを確認して欲しい。
障害厚生年金
障害厚生年金とは、病気や怪我によって障害の状態になってしまった時に支給される厚生年金の1つだ。
障害厚生年金が支給されるためには、病気や怪我の初診日に厚生年金を払っている必要がある。
もし障害厚生年金についてもっと知りたい方はぜひ下記の参考ページを確認して欲しい。
精神障害者が障害年金を受給するための条件
さて、このトピックでは精神障害者が障害年金を受給するための条件を紹介する。
障害年金を申請するためには下記の3つの条件をクリアしなければならない。
1.障害年金の認定基準を満たしていること
2.保険料の納付要件を満たしていること
3.障害認定日に達していること
障害年金の認定基準を満たしていること
障害年金を受給するためには、障害年金の認定基準を満たしている必要がある。
この障害者年金の認定基準と障害者手帳の交付条件である認定基準は別ものであることには注意が必要だ。
精神障害者保健福祉手帳を持っているかどうかは障害年金の受給資格とは関係が無い。
さらに、就労していても障害年金受給の対象になる。
実際に障害年金を受給している人の約28%は就労している。
精神疾患の場合、統合失調症、気分障害、器質性精神障害、てんかん、知的障害、発達障害、これらの疾患が日常生活にどれほど影響があるかで認定されるのだ。
詳しくはこちらを参照して欲しい。厚生労働省『精神の障害に係る等級判定ガイドライン』
保険料の納付要件を満たしていること
障害年金は初診日に65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がない方にのみ支給される。
さらに、初診日のある月の前々月までの加入期間のうち全体の3分の2以上保険料を納付している必要があるので、注意が必要だ。
しかしながら、20歳前(国民年金の被保険者になる前)に初診日がある場合には、上記の条件を満たしていなくてもクリアできる。
障害認定日に達していること
障害年金を受給するためには、初診日から1年6ヶ月を経過してなければならない。
なぜ1年6ヶ月を待たなければならないのかというと、症状が時間の経過と共によくなる可能性があるからだ。
そのため、1年6ヶ月という期間を設け経過を観察するのだ。
障害年金の金額について
さて、精神障害者が障害年金を受給できる条件について確認した。
このトピックでは、実際に受け取ることのできる金額を確認したい。
詳細については以下の表にまとめたので確認して欲しい。
障害基礎年金
等級 | 支給額(年) | 子が1人 | 子が2人 | 子が3人 |
1級 | 97万4125円 | 119万8425円 | 142万2725円 | 149万7525円 |
2級 | 77万9300円 | 100万3600円 | 122万7900円 | 130万2700円 |

障害厚生年金
等級 | 支給額 |
1級 | 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級(年間97万4125円) |
2級 | 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級(年間77万9300円) |
3級 | 報酬比例の年金額(最低保障額 年間58万4500円) |
障害手当金 | 報酬比例の年金額の2年分(最低保障額 116万9000円) |
障害年金の申請方法について
このトピックでは、障害年金の申請方法について紹介したい。
障害年金を申請するために必要な書類を確認していこう。
必要な書類
障害年金の申請に必要な書類は9つある。以下で確認していこう。
1.年金請求書
2.受診状況等証明書
障害年金の申請をするためには初診日を明らかにする必要がある。
そのため、受診状況を確認できる証明書の用意が必要だ。
ただし、診断書作成医療機関と初診病院が同じである場合には提出しなくても良い。
3.診断書
障害認定日による請求の場合、障害認定日以降3ヶ月以内の症状が記載されている診断書が必要になる。
事後重症による請求の場合、年金請求書提出日以前3ヶ月以内の障害の状態が記載されている診断書が必要になる。
ちなみに、複数の障害を抱えている(執筆者の黒田を例にすると血液、肢体など)場合、どの障害で障害年金を申請するか、あるいは全ての障害で申請するかは自己判断なのだが、診断書は障害別に分かれており、診断書を主治医に依頼するには1枚あたり自費で5,000円ほどかかるので、覚えておこう。
4.病歴・就労状況等申立書
この申立書は、発症から現在までの日常生活状況や就労状況を記載するものだ。
診断書では伝えきれない日常生活状況を伝えるための重要な書類なので、覚えておこう。
5.年金手帳
郵送で発送する場合には、基礎年金番号が記載されているページのコピーを同封する必要がある。
6.戸籍抄本・住民票
戸籍謄本や住民票は提出日から半年以内でなければならないので注意しよう。
7.銀行口座の通帳・キャッシュカードの写し
8.精神障害者保健福祉手帳の写し
もし取得していない場合には提出しなくても良い。
9.印鑑(認印)
年金請求書の書き方
障害者年金請求書は初診日に加入していた制度によって様式が違う。
請求書の様式 | 使用者 |
障害厚生年金請求書 | 初診日時点で厚生年金に加入していたもの |
障害基礎年金請求書 | 初診日時点で、国民年金に加入していた方・配偶者の扶養に入っていた方・20歳未満だった方・60歳以上65歳未満だったもの |
記入自体はそこまで難しいものではないが、記入項目が多い。
そのため、年金請求書の書き方自体は別の記事で紹介しているので、確認して欲しい。
病歴・就労状況等申立書の書き方
病歴・就労状況等申立書の書き方は結構手こずるかもしれない。
なぜかというと、決まっているフォーマットが無いからだ。
それぞれの病歴や就労状況に合わせて、カスタマイズする必要がある。
ここで紹介すると少し長くなるので、別の記事で紹介した。
下記の記事をぜひ参考にして欲しい。
障害年金の更新について
最後に、障害年金の更新について紹介する。
障害年金には、有期認定と永久認定があり、有期認定の場合は1〜5年の間隔(障害の程度により異なる)で更新が必要になるのだ。
更新の年の自身の誕生月になると、障害状況確認届(診断書)が自宅に送られてくる。
今までは、更新の年の誕生月の1ヶ月前に障害状況確認届が送られてきて、誕生月の末日までに提出が必要だった。
しかしながら、令和元年8月以降に誕生日を迎える人からは、3ヶ月前に障害状況確認届が送られてくるように変更されたのだ。
つまり、障害状況確認届(診断書)を医者に作成以来するまでに3ヶ月あるので、診断書の作成期間が大幅に改善された。
僕自身は、身体障害で右足を切断しているため永久認定されているが、精神障害の場合は症状が良くなったり、逆に悪くなってしまうこともあるので、有期認定になるだろう。
その際は、3ヶ月間あるとはいえ更新を忘れないように注意してほしい。
精神障害者が障害年金を申請方法 まとめ
いかがだっただろうか。
今回は精神障害者が障害年金を申請する方法について紹介した。
実際に精神障害者の友人に話を聞くことにより詳しく紹介することができた。
この記事をまとめると
・障害年金と障害者手帳の認定基準は別もの
・認定基準は日常生活にどれほど影響があるかで決まる
・更新は1〜5年にあり、3ヶ月以内に診断書を提出
今後も障害当事者として執筆していくので、ぜひブックマークもしくはスマホのホーム画面に追加して定期的に見直してもらいたい。
精神障害者が障害年金を申請する方法について自分が知りたい情報を集めたいけど、十分に情報が取れるサイトが無い。という課題をこの記事が解決できていたのなら嬉しい。
