この記事では『精神障害者保健福祉手帳3級のメリット』について紹介する。
「精神障害者保健福祉手帳3級のメリットが知りたい」
「精神障害者保健福祉手帳3級の申請方法は?」
「精神障害者保健福祉手帳3級とその他の等級との違いは?」
そんな悩みや疑問を持った方へ読んでいただきたい内容になっている。
僕自身は身体障害者手帳2級を取得している。今回執筆する精神障害者保健福祉手帳を所持しているわけではないが、身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳で受けられるメリットや申請方法などは似ているのだ。
さらに、精神障害者保健福祉手帳3級を取得している友人に話を聞いたことにより、実体験に近い形でこの記事を執筆できたと思う。
※友人へのインタビュー記事があるので、ぜひこちらも読んでほしい【私は精神障害者ですが『精神障害者=危ない人』ではありません!】
それでは、精神障害者保健福祉手帳3級について紹介していく。
必ずあなたが”イマ”必要としている精神障害者保健福祉手帳の情報が見つかるはずだ。
もくじ
そもそも精神障害者とは?
精神障害者保健福祉手帳3級のメリットを説明する前に、精神障害者の定義について軽く触れておきたい。
精神障害者とは、法に規定される精神障害者をいう。具体的には次のイ又はロの者であって、 症状が安定し、就労可能な状態の者をいう。 イ 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者(発達障害のみにより交付を受けている者 を除く) ロ イ以外の者であって、産業医、主治医等から統合失調症、そううつ病又はてんかんの診断 を受けている者
参照:厚生労働省資料
※法=「障害者の雇用の促進等に関する法律」
つまり、精神障害者とは精神障害者保健福祉手帳を持っていて、就労可能なくらい症状が安定している人だ。
また、精神障害者保健福祉手帳を持っていない場合でも、産業医、主治医から統合失調症、そううつ病、てんかんの診断を受けている場合には精神障害者となる。
※ もし仮に障害者雇用促進法について知りたい方はこちらの記事(【体験談】障害者雇用の課題や問題点の本質に迫る』)を確認して欲しい。
精神障害者保健福祉手帳とは
さて、このトピックでは精神障害者保健福祉手帳について紹介する。
精神障害者保健福祉手帳とは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下、精神保健福祉法)が定める「精神障害の状態にある者」に対して、都道府県知事が交付する手帳のことだ。
手帳を所持していることで、法律的に「精神障害者」として区分され、多くのサービスやメリットを受けることが可能となる。
精神障害者保健福祉手帳3級とは
さて、このトピックでは精神障害者保健福祉手帳3級について紹介する。
精神障害者保健福祉手帳には3つの種類があることはご存知だろうか。
手帳は1級に近いほど重度の障害であり、3級に近づくほど軽度の障害とされている。
つまり、精神障害者保健福祉手帳3級は手帳の中で一番、軽度な精神障害として認定され交付される手帳なのだ。
身体障害者手帳の場合、手帳は1級に近いほど多くのサービスを受けることができるが、精神障害者保健福祉手帳の場合は大きな違いがない。
次のトピックで受けられるサービスについて確認しよう。
精神障害者保健福祉手帳3級で受けられるサービス
さてこのトピックでは、精神障害者保健福祉手帳3級で受けられるサービスについて紹介したい。
基本的には、1〜3級まで受けられるサービスに違いはない。(障害者控除に関しては1級と3級で違いがある)
自立支援医療(精神通院医療)
精神保健福祉法が規定する精神疾患(てんかんを含む)を持っていて、通院による精神医療が継続的に必要な人は、医療費の自己負担が1割に軽減される。(手帳の有無は関係ない)
しかしながら、入院の費用や病院や診療所以外でのカウンセリングに関しては対象外になるので注意してほしい。
※自立支援医療(精神通院医療)について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事を読んでほしい【ー準備中ー】
障害者雇用率へのカウント
身体障害の場合、重度障害者(1〜2級)は1人につき2カウントされる。
しかしながら、精神障害の場合は等級に関わらず1人につき1カウントされるのだ。(労働時間が20時間以上30時間未満の場合は0.5カウント)
つまり、3級でも症状が重い1〜2級とカウント数が変わらないので、障害者雇用においては得をするのではないだろうか。
障害者控除
精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている場合、所得税や住民税が控除されるのだ。
控除額については2〜3級の場合、一般障害者に区分され、1級の場合は特別障害者に区分されるので控除額が変化する。
※控除額についてはこちらの記事で紹介しているので、ぜひ読んでほしい【障害者控除とは?対象者や手続き方法を紹介】
精神障害者保健福祉手帳の判定基準
さてこのトピックでは精神障害者保健福祉手帳の判定基準について紹介する。
障害等級は診断書に基づいて精神保健福祉センターで審査が行われて決定する。(診断書については申請方法のトピックで確認してほしい)
精神障害者保健福祉手帳1級
精神障害によって、一人では日常生活を送ることができない状態。
例えば、一般の公共施設を利用できない、協調的な対人関係を築けない、通院や服薬を規則的に行うことができない状態をいう。
精神障害者保健福祉手帳2級
精神障害によって、日常生活に著しく制限を受ける状態。
例えば、一般の公共施設を援助なしでは利用できない、協調的な対人関係を援助なしでは築けない、通院や服薬を規則的に行うことが援助なしではできない状態をいう。
精神障害者保健福祉手帳3級
精神障害によって、日常生活または社会生活に制限を受ける状態。
例えば、一般の公共施設をおおむね利用できるが援助を必要とする、協調的な対人関係を築けるが不安定である、通院や服薬を規則的に行うことをおおむねできるが援助を必要とする状態をいう。
参考:厚生労働省【精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について】
精神障害者保健福祉手帳3級の申請・更新方法
このトピックでは精神障害者保健福祉手帳3級の申請・更新方法を紹介する。
実は、精神障害保健福祉手帳の申請・更新方法は1級〜3級まで全く同じだ。
実際の申請・更新方法は下の図を確認して欲しい。
市区町村の障害福祉窓口で診断書や交付申請書を取得し、書類を揃える必要がある。
診断書は、初診日(精神障害にかかわることで初めて診察を受けた日)から6ヶ月以降に作成されたもので、作成日が手帳の申請日から3ヶ月以内のものを用意しよう。
そして最後に書類を提出すれば精神障害者保健福祉手帳の申請は完了する。
申請後は、精神保健福祉センターで審査が行われ、承認されることで手帳を取得できるのだ。
なお、手帳の更新は2年に1度あり、上記の書類に加え交付された手帳の写しが必要になる。(有効期限の3ヶ月前から更新申請ができる)
実際のところ、障害者手帳を申請するにあたって不安や抵抗があるかもしれない。(僕自身も今でこそ障害を受け入れてオープンにできているが、当時は障害者になるのを認める事になるのでやっぱり抵抗があった)
しかしながら、そんな不安や抵抗を打ち消すことができるくらいメリットがたくさんあるのだ。
早速、次のトピックで確認しよう。
精神障害者保健福祉障害者手帳3級のメリット
このトピックでは精神障害者保健福祉手帳3級のメリットを紹介する。
「どんなメリットがあるの?」と疑問に思う方もいるだろう。
冒頭でも述べたように精神障害者保健福祉手帳と身体障害者手帳で受けられるメリットは似ている。
今回は、実際に僕やRepeL共同執筆者の渡邉(身体障害者手帳1級所持)の体験を参考にして紹介している部分もあるので、よりリアルな情報が提供できると思う。
まずは簡単に精神障害者保健福祉手帳3級のメリットを一覧形式で並べる。
その後、それぞれのメリットについて詳しく紹介していきたい。
精神障害者保健福祉手帳3級のメリット一覧
・精神障害者保健福祉手帳3級、スマホ・携帯電話の割引メリット
USJの割引メリット
障害者手帳を利用することでUSJの入場料が半額になる。
通常の大人入場料は7,300円(2018年10月現在)だが、手帳の障害者割引を利用すると大人3,600円で入場できる。
さらに、並ばずにアトラクションへ乗ることができる「ゲストサポートパス」も手帳を提示することで利用可能だ。
USJの障害者手帳メリットについてさらに詳しい情報はこちらの記事(『【体験談】障害者割引でUSJを3倍楽しもう!』)で紹介しているので、ぜひ興味のある方には見て欲しい。
東京旅行で利用できる手帳のメリット
精神障害者保健福祉手帳3級、東京スカイツリーの割引メリット
精神障害者保健福祉手帳を利用することで東京スカイツリーの入場料が半額になる。
通常一般料金で入場した場合には当日券2,060円だが、精神障害者保健福祉手帳を利用した場合には1,030円だ。
ちなみに、展望回廊に登るための入場料も半額割引になる。
その辺りの料金や利用方法についてはこちらの記事(『障害者割引を使って東京スカイツリーを楽しむ方法』)で紹介している。
精神障害者保健福祉手帳3級でディズニーランドを快適に過ごす
精神障害者保健福祉手帳3級を利用することで、ディズニーランドを快適に過ごすことができる。
ディズニーランドではUSJのように入場料の割引は無いが、アトラクションに乗車する際、ストレスを感じることなく乗れるサービスがある。
そのあたりの情報は、こちらの記事(『【実体験】ディズニーランドで身体障害者手帳を利用してみた』)に詳しく記述した。もしディズニーランドに遊びに行く予定があるのなら、ぜひ読んで欲しい。
精神障害者保健福祉手帳3級のメリット、障害者雇用
※)ラルゴ高田馬場 滝田さんへのインタビュー時写真 右はRepeL共同執筆者 渡邉
この記事を読んでいる方の中には「今の職場を変えたい!」と思われる方もいるのではないだろうか。
原因としては「自分はもっと違う仕事がしたい。給料をあげて欲しい!」と思う人もいれば、「今の職場は全然配慮にかけている!」と思われる方もいるだろう。
実は以前、障害者の就職・転職支援をしている『ラルゴ高田馬場』へインタビューを敢行した際、「障害者雇用での転職で給料が上がるケースは結構ある」とのことだった。
※『ラルゴ高田馬場』インタビュー全文はこちら
障害者雇用について詳しく知りたい方は下記の一覧表から確認して欲しい。
障害者雇用の体験談記事一覧
障害者手帳3級のメリット、映画の割引
※)身体障害者手帳を利用して映画を観たときの写真
精神障害者保健福祉手帳3級を利用することで、800円分の映画券割引が適用される。
通常料金1800円の映画券が1000円になるのだ。
さらに、精神障害者保健福祉手帳3級を所持している本人だけで無く、付き添いの方にも割引が適用されるので、合計で1600円分のメリットになる。
障害者手帳を利用した映画の割引メリットに関してはこちらの記事(『障害者割引で映画を1000円で鑑賞した感想』)で紹介しているので確認して欲しい。
精神障害者保健福祉手帳で受けられる障害福祉サービス
このトピックでは、精神障害者保健福祉手帳で受けられる障害福祉サービスについて紹介する。
障害福祉サービスとは、身体、精神、知的といった障害のある方や特定の疾患のある方の生活を支援してくれるサービスのことだ。
自宅や施設で介護や自立訓練などのサービスを利用料金の1割負担で受けることができる。
下の表にわかりやすくまとめたので、ぜひ確認して欲しい。
※障害福祉サービスについて詳しく知りたい方はぜひこちらの記事を読んで欲しい(障害福祉サービスとは?【障害者本人が紹介】)
精神障害者保健福祉手帳と身体障害者手帳の違い
このトピックでは、精神障害者保健福祉手帳と身体障害者手帳の違いについて紹介する。
手帳の更新
精神障害者保健福祉手帳の場合、症状が良くなったり悪くなったりすることがあるので2年に1度手帳の更新がある。
一方で、身体障害者手帳は基本的には手帳の更新はないのだ。
しかしながら、認定時に障害の程度が変化するかもしれないと判断された場合には身体障害者手帳でも更新の必要がある。
交通運賃の割引
身体障害者手帳の場合、電車やバスなどほとんどの機関で割引サービスを受けることができる。
一方で、精神障害者保健福祉手帳の場合は割引サービスを受けられるところは少ない。
しかしながら、全くないわけではないので利用する機関で確認してほしい。
精神障害者保健福祉手帳3級のメリット まとめ
いかがだっただろうか。
今回は精神障害者保健福祉手帳3級のメリットについて紹介した。
実際に精神障害者保健福祉手帳3級を取得している友人に話を聞くことにより詳しく紹介することができた。
少々長くなってしまったので、一度読んだだけでは精神障害者保健福祉手帳3級のすべてを把握することはできなかったと思う。
ぜひ、ブックマークもしくはスマホのホーム画面に追加して定期的に見直してもらいたい。
精神障害者保健福祉手帳3級について自分が知りたい情報を集めたいけど、十分に情報が取れるサイトが無い。という課題をこの記事が解決できていたのなら嬉しい。
