この記事では『身体障害者手帳の重要な概念である障害程度等級表』について紹介する。
この記事にたどり着いたということは「身体障害者手帳の等級表について網羅的に知りたい。または、等級ごとにどんなメリットがあるのか知りたい。」という欲求があるのではないだろうか。
それなら安心して欲しい。
実は僕自身、身体障害者手帳級手帳1級を持っている。
手帳を持っている当事者として、身体障害者手帳の等級について詳しく紹介したい。
必ずあなたが”イマ”必要としている身体障害者手帳の情報が見つかるはずだ。
もくじ
身体障害者とは
身体障害者手帳の等級表について説明する前に、身体障害者の定義について軽く触れておきたい。
身体障害者とは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(昭和 35 年法律第 123 号。以下「法」という。)に規定される身体障害者をいう。
原則として身体障害者手帳の交付を受けている者をいうが、身体障害者手帳の交付を受けていなくて も、指定医又は産業医(内部障害者の場合は指定医に限る。)の診断により確認 されている者も含む。
参照:厚生労働省資料
つまり、身体障害者とは「障害者の雇用の促進等に関する法律」に当てはまる障害を持つ特定の人物を指す。
場合によっては、身体障害者手帳を持っていない者であっても、身体障害者として認められる場合もある。
実際には「身体障害者手帳を持っている人だけが身体障害者だ」と勘違いしてる人が多いように思う。
なので、改めて確認することは非常に重要なことなのだ。
※ もし仮に障害者雇用促進法について知りたい方はこちらの記事(『【体験談】障害者雇用の課題や問題点の本質に迫る』)を確認して欲しい。
身体障害者手帳とは
さて、このトピックでは身体障害者手帳について紹介する。
身体障害者手帳とは、身体障害者福祉法が定める「身体上に障害がある者」に対して、都道府県知事や指定都市の市長が交付する手帳のことだ。
(※上記写真の手帳は実際に僕が所有している手帳
身体障害者手帳の所持は「身体障害者」としての1つの特徴であり、多くのサービスやメリットを受けることが可能となる。
身体障害者手帳には6つの等級がある
身体障害者手帳には6つの種類があることはご存知だろうか。
手帳は1級に近いほど重度の障害であり、6級に近づくほど軽度の障害とされている。
身体障害者手帳 1級 | 重度 | – |
身体障害者手帳 2級 | 重度 | – |
身体障害者手帳 3級 | (内部機能障害の場合)重度 | – |
身体障害者手帳 4級 | – | – |
身体障害者手帳 5級 | – | – |
身体障害者手帳 6級 | – | – |
身体障害者手帳 7級 | – | 手帳交付無し |
もしそれぞれの身体障害者手帳について詳しく知りたい方は下記のリンクから確認して欲しい。
障害程度等級とは
このトピックでは障害程度等級について紹介する。
身体障害者手帳の等級は、障害の種類や程度によって決まる。
その指標となるのが障害程度等級なのだ。
例えば、両腕を無くしている場合には、上肢不自由障害で障害程度は1級だ。
一方で、片方の腕を無くしている場合には、上肢不自由障害で障害程度は2級となる。
次のトピックでは、障害別の等級表について紹介する。
障害別、程度等級表一覧
このトピックでは、障害別に程度等級表を紹介する。
下記の一覧から、障害別の等級表ページに移動することができるので、確認して貰いたい。
もし、別の障害と一緒に障害程度等級表を比べたい場合には、次のトピックで紹介する。
障害別程度等級表
・『視覚障害の障害程度等級表』
・『聴覚障害の障害程度等級表』
・『肢体不自由の障害程度等級表』
・『ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害の障害程度等級表』
障害程度等級表を一覧で確認
このトピックでは障害程度等級表を一覧で紹介する。
もし別の障害と一緒に障害程度等級表を比べる場合にはぜひ活用して欲しい。
さらに、障害等級表で自分の等級表が確認できたら、身体障害者手帳を申請、取得する人もいるだろう。
そんな人のために次のトピックでは、身体障害者手帳の申請・取得方法を紹介するので、ぜひ参考にして欲しい。
視覚障害の障害程度等級表
級別 | 視覚障害 |
1級 | 両眼の視力の和が0.01以下のもの |
2級 | 1.両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの
2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上のもの |
3級 | 1.両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
2.両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が90%以上のもの |
4級 | 1.両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの
2.両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの |
5級 | 1.両眼の視力の和が0.13以上0.2以下のもの
2.両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの |
6級 | 一眼の視力が0.02 以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超えるもの |
聴覚障害の障害程度等級表
級別 | 視覚障害 |
1級 | 該当なし |
2級 | 両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの(両耳全ろう) |
3級 | 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの) |
4級 | 1.両耳の聴力レベルが80デシベル以上のもの(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの)
2.両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの |
5級 | 該当なし |
6級 | 1.両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
2.側耳の聴力レベルが90デシベル以上、他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの |
平衡機能障害の障害程度等級表
級別 | 平衡機能障害 |
1級 | 該当なし |
2級 | 該当なし |
3級 | 平衡機能の極めて著しい障害 |
4級 | 該当なし |
5級 | 平衡機能の著しい障害 |
6級 | 該当なし |
心臓機能障害の障害程度等級表
級別 | 心臓機能障害 |
1級 | 心臓の機能の障害により、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
2級 | 該当なし |
3級 | 心臓の機能の障害により、家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの |
4級 | 心臓の機能の障害により、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
じん臓機能障害の障害程度等級表
級別 | 腎機能障害 |
1級 | じん臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
2級 | 該当なし |
3級 | じん臓の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの |
4級 | じん臓の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
呼吸器機能障害の障害程度等級表
級別 | 呼吸器機能障害 |
1級 | 呼吸器の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
2級 | 該当なし |
3級 | 呼吸器の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの |
4級 | 呼吸器の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
5級 | 該当なし |
6級 | 該当なし |
膀胱又は直腸器障害の障害程度等級表
級別 | 膀胱直腸障害 |
1級 | ぼうこう又は直腸の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
2級 | 該当なし |
3級 | ぼうこう又は直腸の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの |
4級 | ぼうこう又は直腸の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
小腸機能障害の障害程度等級表
級別 | 小腸機能障害 |
1級 | 小腸の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
2級 | 該当なし |
3級 | 小腸の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの |
4級 | 小腸の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害の障害程度等級表
級別 | 免疫機能障害 |
1級 | ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害により、日常生活がほとんど不可能なもの |
2級 | ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害により、日常生活が極度に制限されるもの |
3級 | ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害により、日常生活が著しく制限されるもの(社会での日常生活活動が著しく制限されるものを除く。) |
4級 | ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害により、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
肝臓機能障害の障害程度等級表
級別 | 肝臓機能障害 |
1級 | 肝臓の機能の障害により日常生活活動がほとんど不可能なもの |
2級 | 肝臓の機能の障害により日常生活活動が極度に制限されるもの |
3級 | 肝臓の機能の障害により日常生活活動が著しく制限されるもの(社会での日常生活活動が著しく制限されるものを除く) |
4級 | 肝臓の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
身体障害者手帳を申請・取得する
このトピックでは僕の実体験に基づいて身体障害者手帳の申請・取得方法を紹介する。
まずは下記の図で簡単に流れを把握しよう。
Step1 身体障害者手帳の申請資格があるかを確認する
まずはじめに、あなたが身体障害者を貰えるかどうか知る必要がある。
身体障害者手帳を申請・取得するためには、都道府県が定める障害認定基準をクリアする必要、さらに上記で紹介した等級を知る必要があるのだ。
「自分の病気や障害で手帳を申請できるかどうか知りたい!」と思う方がいたら、こちらの記事(『【2018年最新】身体障害の認定基準をわかりやすく解説』)をぜひ参考にして欲しい。
Step2 身体障害者手帳の申請に必要な書類を揃える
さて、身体障害者手帳の申請・取得資格があることを確認できたら具体的に申請に必要な書類を揃える段階に入る。
申請書類と聞くと「なんだか難しそうだな」と思う方もいるだろう。
しかしながら、しっかりとポイントさえ押さえれば簡単だ。
申請に必要な書類は2つ。
実際にどんな書類が必要なのかを確認しよう。
1.診断書・意見書
診断書・意見書とはあなたの病気や障害がどの程度の症状なのか証明する書類だ。
まず、市区町村の障害福祉担当窓口で書類を取得する。その後担当医に書類の記述を依頼すれば良いだろう。
記述依頼は担当医に直接頼むパターン、または大病院であれば受付などを経由する方法になる。
2.交付申請書
手帳を申請するためには、診断書や意見書と共に交付申請書を揃えなければならない。
こちらの書類も市区町村の障害福祉担当窓口で取得することができる。
もし記述内容で困った点があったら、障害福祉担当窓口に相談すると良いだろう。
申請書類に関しての情報は以上になる。
しかしながら、申請書類を揃えるにあたって細かな注意事項がある(マイナンバーや証明写真が必要など)。
長くなるのでこの記事内では省略するが、もし知りたい方はこちらの記事(『【体験談】身体障害者手帳の申請・取得方法を紹介』)をぜひ参考にして欲しい。
Step3 市区町村の障害福祉担当窓口に書類を提出する
さて、必要書類を揃えたらいよいよ書類を提出する段階に入る。
書類に不備が無ければ、書類の提出自体はスムーズに終わるだろう。
しかしながら注意すべき点がある。
身体障害者手帳は申請してから届くまでに1ヶ月から3ヶ月ほどの時間が掛かるのだ。
申請したらその場で手帳を受け取れると勘違いする人が多いので、気をつけて欲しい。
身体障害者手帳のメリット
さて、身体障害者手帳の申請・取得方法を学んだら、次は手帳を取得したことで得られるメリットを確認していこう。
障害者雇用で得する障害者手帳のメリット
※)ラルゴ高田馬場 滝田さんへのインタビュー時写真 右は僕。笑
この記事を読んでいる方の中には「今の職場を変えたい!」と思われる方もいるのではないだろうか。
原因としては「自分はもっと違う仕事がしたい。給料をあげて欲しい!」と思う人もいれば、「今の職場は全然配慮にかけている!」と思われる方もいるだろう。
もしそう思われるのであれば、チャンスだ。
なぜならば、身体障害者手帳を所持している場合には、障害者雇用で就職・転職しやすくなる体。
障害者の就職・転職支援をしている『ラルゴ高田馬場』へインタビューを敢行した際、「障害者雇用での転職で給料が上がるケースは結構ある」とのことだった。
※『ラルゴ高田馬場』インタビュー全文はこちら
関西への観光で利用できる障害者手帳のメリット
東京が住まいの僕にとってはコンボのような手帳の利用方法がある。
ぜひ紹介するので、よかったら試して欲しい。
1.新幹線の障害者割引
障害者手帳を利用することで新幹線の特急券が割引になる。
例えば、普通料金で東京駅から新大阪へ新幹線を利用して行こうとすると2人で往復57,800円掛かる。
しかしながら、身体障害者手帳を利用すると2人で往復40,280円を支払えば新幹線に乗ることができるのだ。
身体障害者手帳を利用した特急券の購入方法はこちらの記事(『【体験談】JR新幹線の障害者割引を利用した感想』)で紹介している。
2.USJの障害者割引
障害者手帳を利用することでUSJの入場料が半額になる。
通常の大人入場料は7,300円(2018年10月現在)だが、手帳の障害者割引を利用すると大人3,600円で入場できる。
さらに、並ばずにアトラクションへ乗ることができる「ゲストサポートパス」も手帳を提示することで利用可能だ。
USJの身体障害者手帳メリットについてさらに詳しい情報はこちらの記事(『【体験談】障害者割引でUSJを最大限楽しもう!』)で紹介しているので、ぜひ興味のある方には見て欲しい。
他にも身体障害者手帳には数多くのメリットがある。
残念ながらこの記事ではボリュームの関係上全てを紹介することはできない。
身体障害者手帳のメリットについて記述した記事の一覧を紹介したので、ぜひ興味のある方は確認して欲しい。
障害程度等級表のまとめ
いかがだっただろうか。
今回は障害程度等級表について紹介した。
実際に僕の実体験を交えながらより詳しく紹介することができたことで、良い情報が提供できたのではないだろうか。
身体障害者手帳の等級について網羅的に知りたい。または、等級ごとにどんなメリットがあるのか知りたい。という課題をこの記事が解決できていたのなら嬉しい。