この記事では「障害者雇用におけるプログラマーの需要と将来性」について紹介します。
というような悩みをお持ちの方に読んで頂きたい内容となっております。
実際に私自身が障害者雇用枠を活用したプログラマーの就職支援をおこなっているので、実体験を元に記事を執筆いたします。
もくじ
障害者雇用におけるプログラマーの現状
早速ですがプログラマーとして障害者雇用枠で働く方にとって、現状の社会は働きやすい環境は整っているのでしょうか。
プログラマーと聞くとGoogle社やApple社のような世の中をリードするIT企業で働いているのではないだろうかと想像する人も多いのでしょう。
そうすると、一見充実した働き方を実現しており、高い給与を貰っていると思われますが、実際の現状はどうなのでしょうか。
決して良いとは言えない雇用の現状
現状、多くのIT企業が障害者雇用枠でのプログラマーの獲得と定着に苦戦を強いられています。
厚生労働省が発表した「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業の法定雇用率2.2%に対して民間企業の平均実雇用率は2.11%でした。
そのうち障害者雇用枠でプログラマーを多く採用しているIT・情報通信業界の実雇用率は1.74%という結果。
業界的に見てもかなり低い水準であり、それだけ採用と定着に課題を抱えているのです。
障害者雇用枠でプログラマーが働きずらい理由
ではなぜ多くのIT企業や情報通信会社が障害者雇用におけるプログラマーの採用に苦戦しているでしょうか。
その原因には、日本のIT企業特有のビジネスモデルが大きく関わっているのです。
日本のIT企業のほとんどはいわゆるSIerと呼ばれる企業です。IT製品を作るプロ集団であるとご想像ください。
多くの企業がSIerにIT製品の製造を依頼します。そうするとそこで働くプログラマーは客先で常駐して作業をおこなう事を余儀なくされます。
そのため、雇用管理上問題が起こってしまった場合には十分に対応できないとの判断から、IT企業では、障害者雇用枠でプログラマーを雇うことが難しいのです。
障害者雇用におけるプログラマーの需要
さて、前の章では障害者雇用においてプログラマーが現状働きやすい環境を獲得できていないといったお話をしました。
ということは、企業側も障害者雇用でプログラマーを採用したくないということなのでしょうか。
その辺りを詳しく紹介していきます。
企業側の需要は絶大
多くのIT企業や情報通信会社が法定雇用率が著しく未達の状況であると紹介させて頂きました。
その文脈だけを捉えると「障害者雇用におけるプログラマーの需要は低い」と思われがちですが、実はそうではありません。
障害者雇用枠で採用できるプログラマーは、多くのIT企業や情報通信会社が喉から手が出るほど求められている人材なのです。
事実、障害者雇用におけるプログラマーの求人枠は沢山あります。
まさに供給が追いついていない、需要過多の状態にあるのです。
身体障害者の採用に爆発的な需要がある一方で・・・
多くのIT企業や情報通信会社が障害者雇用枠でプログラマーを採用したいと思っているのは事実ですが、客先での常駐作業になるため、雇用管理上の責任が取れないという大きな課題があるのです。
そのため、バリアフリー面さえ整えれば働けるような身体障害者の方の需要が多くある一方で、雇用管理が難しい精神障害や知的障害を抱えるプログラマーの採用には二の足を踏む企業が多いのです。
また、身体障害を抱える人の中には、一般枠でプログラマーとして就労する方も多いので、その辺りが需要と供給がマッチしない大きな要因です。
障害者雇用におけるプログラマーの将来性
さて、これまでの章では、障害者雇用におけるプログラマーの現状や需要といった”今”に焦点を合わせて紹介してきましたが、この章では、障害者雇用におけるプログラマーの将来性といった”未来”に焦点を合わせた話をご紹介させてください。
障害者雇用におけるプログラマーの将来は明るい
結論からいうと、障害者雇用におけるプログラマーの将来は非常に明るいものとなるでしょう。
理由としては、どの会社も慢性的に障害者の数およびプログラマーの数が足りておりません。
また、昨今のコロナウイルスの影響もあり、リモートワークの導入など、障害者にとって働きやすい環境が今後生まれるでしょう。
そういったことからも、障害者雇用におけるプログラマーの将来は明るいと言って差し支えありません。
未経験から障害者雇用でプログラマーになれるのか
さて、この記事を読んで頂いている方の中には「未経験だけどプログラマーになりたい」と思われる方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。
結論から言うと、新卒や第二新卒の方でなければ、未経験からプログラマーとして就職・転職するのは極めて難しいです。
しかしながら、一定期間プログラミングを学んだ後であれば、プログラマーとして就職・転職する事も十分に可能なので、そちらの方法を紹介しますね。
就労移行支援を利用して未経験からプログラマーになろう
結論から言うと、就労移行支援を利用して未経験からプログラマーになるのが最も良い選択でしょう。
就労移行支援とは、障害を持つ方のための職業訓練・就活支援サービスです。
通常、プログラミング教室のほとんどは費用が掛かります。しかしながら、就労移行支援所へ通う事ができればほとんど費用は掛かりません。
就労移行支援所の中には、プログラミングをはじめとするITスキルに特化した事業所も数多くあります。
ですので、もし未経験から障害者雇用枠でプログラマーになりたいと思われる方がいたら、ぜひ就労移行支援所へ通うことを検討してみましょう。
障害者雇用におけるプログラマーの需要は高い
いかがでしたでしょうか。
この記事では、「障害者雇用におけるプログラマーの需要と将来性」についてご紹介させて頂きました。
障害者雇用でプログラマーを多く採用するIT企業や情報通信企業は、法定雇用率が著しく未達である一方で、需要は高いという現状があります。
さらに将来性に関しても明るいため、障害者雇用枠でプログラマーとして就労する選択肢はとても良い選択になるでしょう。