この記事では『障害者手帳の医療費割引・助成制度』について紹介する。

実際に僕自身が障害者手帳1級の手帳を所持しており、医療費の割引や助成を受けている。

・あれ?今まで医療費掛かってなかったのに、急に医療費が掛かるようになったぞ。

・あれ…?そうなったら実際医療費いくら掛かるんだっけ…?

上記のような疑問を僕自身が抱いたこともあり、実際に調べて運用してみた。

そもそも身体障害者手帳とは

最初のトピックでは身体障害者手帳について紹介する。

なぜ手帳を紹介するのかというと、医療費割引や助成制度を受けるために障害者手帳が必要だからだ。

さて、身体障害者手帳とは、身体障害者福祉法が定める「身体上に障害がある者」に対して、都道府県知事や指定都市の市長が交付する手帳のことだ。

(※上記写真の手帳は実際に僕が所有している手帳

身体障害者手帳の所持は「身体障害者」としての1つの特徴であり、多くのサービスやメリットを受けることが可能となる。

もし身体障害者手帳についてもっと知りたい方はこちらの記事(『身体障害者手帳とは【身体障害者手帳所持者が解説】』)を読んで欲しい。

障害者手帳の医療費割引・助成制度とは

さて、障害者手帳について紹介させて頂いたところで、このトピックでは障害者手帳の医療費割引・助成制度について紹介したい。

結論から言うと、障害者手帳を所持していると等級によって医療費割引や助成を受けることができるのだ。

それにより通常の医療費ではなく、手帳によって割引された医療費を支払うことになる。

さらに医療費の割引や助成制度は、国ではなく都道府県・市区町村単位での独自制度だ。

住んでいる地域によって、医療費の割引額や割引対象者の条件が違うので注意しよう。

今回は、僕自身が実際に障害者手帳で医療費の割引を受けている東京都を一例に紹介したい。

障害者手帳、医療費割引・助成制度の対象者

さて、このトピックでは障害者手帳で医療費の割引や助成制度を受けることができる対象者の条件について紹介したい。

医療費の割引・助成制度を受けることができる対象者の条件は以下になる。

・障害者手帳1級、または障害者手帳2級所持者(内部機能障害者の場合は3級も対象)

もちろん、都道府県や市区町村によって微妙に異なるが、都道府県や市区町村のほとんどが似たような条件だ。(今回は東京都の一例)

手帳所持者でも医療費割引・助成制度が受けられないケース

障害者手帳1級、または障害者手帳2級を所持していても医療費割引・助成制度を受けられないケースがある

医療費割引・助成制度が受けられない条件については以下にまとめたので確認してもらいたい。(参考:1

・所得制限基準額を超えている

扶養親族数 所得額
0人 3,604,000円
1人 3,984,000円
2人 4,364,000円
3人 4,744,000円
4人 5,124,000円
5人 5,504,000円
6人 1人につき38万円加算

・生活保護受給者

・65歳以上になってはじめて1級、または2級手帳の交付を受けた場合

・65歳に達する日の前日までマル障(医療費の割引・助成)申請を行わなかった場合

・後期高齢者医療の被保険者で、かつ住民税が課税されている場合

障害者手帳、医療費割引・助成制度の自己負担額

さて、医療費割引や助成制度の対象者の条件がわかったら気になるのが、実際の自己負担額だろう。

障害者手帳の医療費割引・助成制度の自己負担額は手帳の等級が1級、または2級、3級(内部機能障害の場合)だとしても以下の負担額で一律だ。

・本来の医療費の1割負担(本来の医療費が10,000円だった場合、負担額は1,000円)

・住民税非課税の場合は全額無料(20歳以下の場合は世帯主の所得で決まる)

障害者手帳、医療費割引・助成制度の上限額

仮に医療費割引の対象者として認定され、自己負担額が本来の医療費の1割になったとしても高額な医療費になってしまった場合には相当額になってしまう可能性がある。

例えば、月の医療費が100万円になったとしよう。その場合、1割負担だとしても10万円を支払わなければならない。当然払える額ではない場合もあるのだ。

そんな時のために医療費割引・助成制度には上限額が設けられている。

上限額については、通院の場合と入院の場合でそれぞれ以下の値段になるので、確認して欲しい。

・通院の場合の上限額、月12,000

・入院の場合の上限額、月44,400

障害者手帳、医療費割引・助成制度の手続きや利用方法

さてこのトピックでは、障害者手帳で医療費割引・助成制度を利用するための手続きや利用方法について確認したい。

医療費割引・助成制度を利用するための手続きはかなりシンプルなので、以下に手順を記載する。

1.区役所、あるいは市役所で心身障害者医療費助成制度(マル障)の申請をして、「マル障受給者証」を交付してもらう。

2.交付された「マル障受給者証」を医療機関や薬局で提示する

この手順のみで、医療費の割引を受けることができる。

障害者手帳で医療費の割引を受ける際の注意事項

さて、このトピックでは障害者手帳で医療費の割引を受ける際の注意事項について紹介する。

医療費割引や助成制度の対象外となるもの

基本的に医療保険の対象とならないもの(健康診断、予防接種、薬の容器代、差額ベッド代、紹介状を持たずに受診した200床以上の病院の初診料)は、障害者手帳の医療費割引や助成制度の対象外となるので、注意しよう。

各都道府県・市区町村の医療費割引・助成制度

さて、最後のトピックでは各都道府県・市区町村の医療費割引・助成制度について軽く紹介する。

神奈川県横浜市の医療費割引・助成制度

重度障害者医療費助成の対象者は?

・障害者手帳1級所持者

・障害者手帳2級所持者

重度障害者医療費助成の手続き方法

・手続きに必要なもの(①障害者手帳健康保険証印鑑)を持参し、区役所の保険年金課保険係へ申請する。

大阪市の医療費割引制度

重度障害者医療費の割引・助成対象者は?

・障害者手帳1級所持者

・障害者手帳2級所持者

障害者手帳3級〜6級で中度以上の知的障害がある対象者

重度障害者医療費の割引・助成を受けられない人は?(参考:2

  1. 所得制限基準額を超える場合
扶養人数 所得制限額
0人 462万1千円以下
1人 500万1千円以下
2人 538万1千円以下
3人 576万1千円以下
4人以上 1人増すごとに扶養人員3人の所得制限額に
38万円を加算した額以下

2. 生活保護を受けている場合

3. 児童福祉法に基づく措置により医療の給付を受けている場合

4. その他国等の公費負担によって、医療費の全額支給を受けることができる場合

5. こども医療費助成制度により医療証の交付を受けている方で医療費の助成を受けることができる場合

6. ひとり親家庭医療費助成制度により医療証の交付を受けている方で医療費の助成を受けることができる場合

医療費割引後の自己負担額

複数の医療機関にかかる場合は、1つの医療機関ごとに1日最大500円の負担となる。

ただし、健康保険の対象外の費用(入院時の有料個室代など)は自己負担となるので、十分に気をつけよう。

重度障害者医療費の割引・助成の手続き・利用方法

お住まいの区の保健福祉センター医療助成業務担当(区役所内)に申請することで「障がい者医療証」を受け取ることが可能だ。

申請に必要なものは以下の3つだ。

・障害者手帳

・健康保険証

・印鑑

利用に関しては「健康保険証」と「障がい者医療証」を所定の医療機関で提示すれば割引を受けることが可能だ。

障害者手帳の医療費割引・助成制度まとめ

いかがだっただろうか。
今回は障害者手帳の医療費割引・助成制度について紹介した。

さいごにさくっとこの記事をまとめたので確認して欲しい。

障害者手帳の医療費割引制度を利用すれば、自己負担額が1割になる

・障害者手帳等級が1級、または2級の場合に利用可能

自己負担額には上限がある

今回は実体験も踏まえて執筆できたことで内容に色を加えることができた。

今後とも身体障害者手帳を持つ当事者として、あらゆるトピックで記事の執筆を試みたい。

是非とも今回の記事があなたの課題を解決するものであったなら嬉しく思う。

・参考リスト

参考1: 東京都福祉保健局 『心身障害者医療費助成制度(マル障)』
参考2: 大阪市 『重度障がい者医療費の助成

ABOUT ME
渡邉まさる
先天性内部機能障害 / 身体障害者手帳1級所持 / うつ病の闘病経験 / 青山学院大学在学中にRepeL, Inc.を創業 / 個人ブログはこちら

 

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