『特例子会社へ就職・転職する際に選ぶべき求人サイト』についてわからないことを、僕らのサイトのみで解決できたらどんなに良いだろうかと考え実践を試みた。
今回は、身体障害者手帳1級を持つ僕自身が理解しづらいポイントをわかりやすく紹介する。
実際に特例子会社へ就職・転職する際に参考とする求人サイトは数多くある。
しかしながら、それぞれの求人サイトについてレビューしているサイトは無かった。
そこで、僕なりの基準を持っておすすめの求人サイトを紹介したい。
もくじ
特例子会社とは
特例子会社とは、障害者の雇用の促進及び安定を図るために設立された会社のことだ。
当然、障害者をスムーズに受け入れられるようなバリアフリー設計になっている特例子会社がほとんどだ。
特例子会社の条件として以下の要件を満たしている必要がある(※参考1
1.親会社が、当該子会社の意思決定機関(株主総会等)を支配していること
2.親会社との人的関係が緊密であること。(具体的には、親会社からの役員派遣等)
3.雇用される障害者が5人以上で、全従業員に占める割合が20%以上であること。
また、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の割合
が30%以上であること。
4.障害者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有していること。(具体的には、障害者のための施設の改善、専任の指導員の配置等)
5.その他、障害者の雇用の促進及び安定が確実に達成されると認められること
特例子会社で働くメリットは?【体験談】
さて、特例子会社については理解頂けただろうか。
この章では、特例子会社で働くメリットに軽く触れておきたい。
実は、このトピックを執筆するにあたって東京の特例子会社で働いている友人にヒアリングした。
彼のプロフィールを下の図で紹介しているのでぜひ確認して貰いたい。

周りからの理解を得やすい
僕:「特例子会社で働いていて心地よいこと、メリットみたいなのってある?」
友人:「そうだねー。周りから理解を得やすいことが一番良いことかな。俺の場合は特例子会社で働く前から車椅子での移動に少しコンプレックスみたいなものがあったからね。それが、今の会社だと車椅子の人も結構いるから、わざわざ説明する必要もないし、むしろ言葉にしなくてもわかってる。みたいなのが楽だね。」
僕:「なるほどね。僕もそれは共感できる。僕の場合は内部機能障害で、他人からは健常者として認識されることが多い。そうすると周りからの理解を得るためにはどうしても説明したくないことも説明しなければいけないことがある。けど、同じような障害や病気を持った人が周りに多かったらその必要はないよね。同じような境遇を体験してるってわかると、言葉にしなくてもなんとなくわかるっていうか。そういう感覚ってあるよね。笑」
特例子会社で働くデメリット
前のトピックでは、特例子会社で働くメリットについて紹介したが、このトピックでは特例子会社で働くデメリットについても触れておきたい。
給料が低い
特例子会社は障害者雇用になるので一般雇用で就職・転職するよりも給料が低くなる。
しかしながら、特例子会社は福利厚生についてはとても充実しているので、給料よりも福利厚生を重視する場合にはデメリットには感じないだろう。
専門的な知識やスキルが身につきにくい
全ての特例子会社に当てはまるわけではないが、主な仕事内容はパソコンを使ったデータ入力、書類の整理など簡単な業務が多い。
もしあなたが、専門的な知識やスキルを身に付けたいのであればあまりお勧めはできない。
逆に言えば、専門的な知識やスキルがなくても仕事が出来ることが特例子会社の良いところだろう。
特例子会社の仕事内容
このトピックでは、RepeLの共同執筆者の黒田が特例子会社で実際に1週間ほど職場実習(職場体験)をした経験を元に仕事内容を紹介したい。
もちろん、全ての特例子会社に当てはまるわけではないが、ぜひ参考にしてほしい。
データ入力、データの照合
黒田がお世話になった会社では個人情報を取り扱っていたので、名前や生年月日の入力、それらを照合する業務が非常に多かった。
個人情報を取り扱っていたので神経質な黒田にはあまり合わなかったそうが、作業自体はとてもシンプルで覚えやすかったようだ。
書類の郵送準備
パソコンに向き合うだけではなく書類を取り扱う業務もあり、封筒に社名入りのスタンプを押したり、書類を封筒に詰めたりする作業もあった。
今回の職場実習では体験出来なかったが、書類の仕分けを担当する業務もありチームワークがとても良かったのを今でもよく覚えている。
1週間の職場実習では全ての仕事を体験することは出来なかったが、業務内容は他にもあり、定期的に業務担当をローテーションして業務に飽きない工夫をしているそうだ。
特例子会社と一般企業に障害者雇用枠で就職した場合の違い
これまでのトピックをみて、特例子会社については理解して頂けただろうか。
このトピックでは、特例子会社と一般企業に障害者雇用枠で就職した場合の違いについて紹介したい。
職場環境の変化
一般企業の場合、健常者と同じ職場で働くので環境の変化が多く、障害への配慮が行き渡らない可能性がある。
一方で、特例子会社は人事異動は少なく環境が安定している上に、設備などもしっかりと配慮されているので働きやすい環境であると言えるだろう。
業務量の違い
一般企業の場合、もちろん配慮はしてくれるが健常者と同等の業務を任されることもあり、残業や休日出勤をする可能性もある。
一方で、特例子会社は配慮が行き渡っているので、無理のない業務を任せてもらえて残業や休日出勤の可能性はほとんどないだろう。

特例子会社で就職・転職する際に選ぶべき求人サイト
さて、ここからはメイントピックである、特例子会社で就職・転職する際に選ぶべき求人サイトについて紹介していきたい。
選ぶべき求人サイトの条件として①透明性が高い②障害者の求人に特化しているという2つの基準があると思っている。
それらの基準を軸に確認していこう。
atGP(アットジーピー)

株式会社ゼネラルパートナーズが運営するサービス、atGPをまずはおすすめしたい。
透明性が高いという点では、メディアへの露出がそれを証明している。
さらに、ゼネラルパートナーズ自体が障害者の就職や転職サービスに特化しているため、僕が上記に挙げた条件を満たしているのだ。
ラルゴ高田馬場

次におすすめしたいのがラルゴ高田馬場だ。
ラルゴ高田馬場は、障害者手帳を所持している人の就労をサポートする、専門の就職・転職エージェントが在籍する会社。
そして、ラルゴ高田馬場の特徴・強みとしては、「長期就労」をゴールとして就労をサポートしている点だろう。
こちらも、上記に挙げた条件を満たしているので是非おすすめしたい。
※ ラルゴ高田馬場インタビュー記事はこちらから
dodaチャレンジ

dodaチャレンジは、日本最大級転職エージェント「doda」を運営するPERSOLグループの障害者の転職に特化したサービスだ。
強みとしては、圧倒的求人数だろう。
さらに「doda」で紹介している会社の非公開求人を多く持っているはずなので、より自分に合った企業へ転職しやすくなるはずだ。
ランスタッド(チャレンジド転職支援サービス)

ランスタッドは、世界39ヶ国、国内においても100以上の拠点を持つ転職エージェントだ。
1960年にオランダで創業以来、50年以上にわたり培ったノウハウと信頼で転職を成功に導いてくれるだろう。
全国ネットワークを活かし幅広く求人を紹介しているので、地方に弱いというデメリットを解消してくれるはずだ。
エージェント・サーナ

エージェント・サーナは、障害者の就労支援26年の実績を持つ、株式会社イフが提供する障害者のための職業紹介サービスだ。
強みとしては、高い内定率とスピード感ある対応だろう。
エージェント・サーナを利用した多くの人が面談から二ヶ月以内に内定を得ている。
26年間、真摯に向き合ってきたからこそ得られた経験とノウハウがあるので、充実したサポートが受けれるはずだ。
アビリティスタッフィング

アビリティスタッフィングは、株式会社リクルートのグループ会社の一つで、障害者の転職に特化したサービスだ。
今まで紹介してきた転職エージェントと違う点は、精神障害者の転職に特化していることだろう。
もちろん、身体障害者でも登録することはできるので安心してほしい。
大手企業だからこその手厚いサポートであなたに合った仕事が見つかるはずだ。
まとめ
いかがだっただろうか。
今回は、特例子会社へ就職・転職する際に選ぶべき求人サイトの条件について紹介した。
自分なりの軸で選ぶべき求人サイトを紹介出来たことは嬉しい限りだ。しかしながら、あくまでこれは個人的な見解だ。
実際に自分の手で色々と試して利用するのが良いかもしれない。
・参考リスト
参考1: 厚生労働省 『特例子会社制度の概要』
