この記事では『障害者雇用の給料は本当に安いのか』についてあらゆる視点から紹介する。
・障害者雇用だと給料が安い…。一人暮らしだと本当にやばそう。
障害者雇用枠で就職を叶えた、RepeLの共同執筆者である黒田がよく口にしている言葉だ。
そこで、実際本当に障害者雇用枠で就職すると給料が低いのかどうかについて調べてみた。
そして後のトピックでは、障害者雇用枠で就職を叶えた黒田のインタビューも載せている。
もくじ
障害者雇用とは
障害者雇用の給料が実際に安いのかを検証する前に、障害者雇用について少し説明が必要だと思ったので紹介する。
障害者雇用とは、障害者が自身の障害を苦にせず、能力や特性に応じて働くことができるようにサポートする制度のことだ。
障害者雇用は、「障害者雇用促進法」という法律によって成り立っている制度なのだ。少しそのあたりを詳しく確認していこう。
障害者雇用促進法とは
「障害者雇用促進法」とは、(中略)職業リハビリテーションの措置等を通じて、障害者の職業の安定を図ることを目的とする法律です。
参考:日本の人事部
障害者雇用促進法とは障害者の職業の安定を図ることを目的として作られた法律だ。
資本主義社会では、仕事をする上で業務効率が高いことが重要な評価対象となってしまう場合がある。
しかしながら、障害や病気を抱える人は、それが原因で社会や会社が求める生産性を担保できない可能性がある。
そういった資本主義の合理的な考え方から守ってくれるのがこの法律なのだ。
障害者雇用の平均給料を確認
さて、障害者雇用についてはご理解頂けただろうか。
この章では、障害者雇用で入社した場合、実際に給料が一般の平均給料より安くなるのかどうかについて紹介したい。
障害別平均給料を確認
まずは下記の表で厚生労働省が平成25年にリリースした情報を確認して貰いたい。
身体障害者 | 通常(週30時間以上) | 25万1千円 |
20時間以上30時間未満 | 10万7千円 | |
20時間未満 | 5万9千円 |
知的障害者 | 通常(週30時間以上) | 13万円 |
20時間以上30時間未満 | 8万7千円 | |
20時間未満 | 3万5千円 |
精神障害者 | 通常(週30時間以上) | 19万6千円 |
20時間以上30時間未満 | 8万3千円 | |
20時間未満 | 4万7千円 |
日本人の平均給料が約33万円であることと比べた場合、障害者雇用で入社した際の平均給料が低いことがわかる。
さらに、障害者が働く方法として、就労継続支援A型や就労移行支援B型といった福祉サービスを利用する手段もあるが、それらのサービスを利用する場合には、もっと給料や賃金は低くなってしまうのだ。
就労継続支援B型 | 就労継続支援A型 | |
対象者 | 年齢制限無し | 18歳〜65歳未満 |
利用期間 | なし | なし |
雇用契約 | なし | あり |
月額の平均収入 | 約1.5万円 | 約6.7万円 |
なぜ障害者雇用枠の平均給料は安いのか
さて、このトピックでは障害者雇用枠で入社した際に、なぜ給料が安くなってしまうのかについて紹介したい。
結論から言うと、給料が安くなってしまう理由は以下2つだ。
・雇用形態が正社員ではないケースが多い
・給料が上がりづらい職種で就労している
それぞれの理由について詳しく見ていこう。
雇用形態が正社員ではないケースが半分以上
一般的に最も給料が支払われる雇用形態は正社員だ。
意外と知られていないことだが、実は障害者雇用を利用して入社した場合、正社員として勤務できるケースは半分にも満たないのだ。
以下のグラフを確認して欲しい。(引用:1
上記のグラフからも読み取れるように、障害者雇用利用者の約半分が非正社員なのだ。
給料が上がりづらい事務職での就労が多い
一般的に給料が上がるケースはどんな状態だろうか。
よくあるケースは「数値の達成」や「売上への貢献」だろう。
実際に数値達成や売上貢献は非常に評価しやすい指標であるため、功績に応じて給料が上がる仕組みを作りやすい。
一方で、事務職などの場合には「数値達成」や「売上への貢献」が見えずらいため、なかなか給料が上がりづらい。
障害者枠で就職をした人の多くが評価が難しい仕事で就労しているため、給料が低いという現象が起こっているのだ。
以下のグラフを確認して欲しい。(引用:1
【身体障害者の職業】
【精神障害者の職業】
【知的障害者の職業】
知的障害者の場合は少し例外だが、身体障害者・精神障害者の多くが事務職で就労していることがわかる。
そこで今回、障害者雇用のリアルを探るために身体障害(下肢不自由)を抱えながら事務職で働いている黒田にインタビューを敢行した。
障害者雇用枠での給料での生活はかなり難しい
—障害者雇用を利用して事務職での就労をしている中で給料が低いと感じることはありますか?
黒田:ありますね。給料は、年収ベースで約200万円くらいなんです。下手するとアルバイトの方が給料は高いかもです。さらに都会の方に職場あるので、家賃を払うとなるとかなり厳しいですよね。僕の場合は、実家暮らしなのでなんとかなりますが、一人暮らしの人は本当にきついと思いますね。
—実際に「給料が低いなぁ」と感じる瞬間ってどんな時ですか?
黒田:僕の職場には障害者だけではなく、一般枠で就労している社員さんもいます。当然僕よりも給料は高いんですけど、業務量はほとんど変わらないんですね。むしろ一般枠の方より多く働くこともあります。そういう勤務体系が続くと少し不満を持つこともありますね。
障害者雇用枠で給料を上げるためには
さて、このトピックでは障害者雇用枠で給料を上げる方法について紹介する。
結論から言うと、障害者雇用枠で給料を上げる方法は以下2つだ。
・現職で正社員登用、または昇進を目指す
・障害者雇用枠で転職を目指し給料を上げる
現職で正社員登用、または昇進を目指す
まず、障害者雇用枠で給料を上げる方法として現職にこだわって一生懸命頑張るという選択肢がある。
実際、会社によっては契約社員から正社員へ登用している会社もある。
さらに、先ほど事務職などは評価するのが難しいと紹介したが、実際に昇進しているケースもある。
なので、もし現職で正社員登用や昇進の可能性があるのであれば、現職にこだわるのも一つの方法だろう。
障害者雇用枠で転職を目指し給料を上げる
現職で給料を上げることが難しい場合には、障害者雇用枠を利用して転職を目指すのも一つの方法だ。
ちなみに「え?そんな転職したくらいで給料って上がるの?」と思われている方もいるかと思うが、転職すると給料が上がる可能性は十分ある。
障害者雇用の就職や転職をサポートしている「ラルゴ高田馬場」へインタビューを敢行した際、『転職をして給料が上がるケースは多くある』とのことだった。
もし、読者の中で就職・転職を考えている人がいればぜひ次のトピックを参考にしてもらいたい。
障害者向けおすすめ就職・転職エージェント
※ 転職エージェントは最低でも2社以上の登録が個人的にはおすすめ。なぜなら1社だけの登録になると「担当エージェントとの相性が悪い」場合に回避できないからだ。
dodaチャレンジ
dodaチャレンジは、日本最大級転職エージェント「doda」を運営するPERSOLグループの障害者の転職に特化したサービスだ。
強みとしては、圧倒的求人数だろう。
さらに「doda」で紹介している会社の非公開求人を多く持っているはずなので、より自分に合った企業へ転職しやすくなるはずだ。
もしdodaチャレンジへ相談したい!と思う方がいたらこちらのHPから面談の申し込みをして貰いたい。
アットジーピー(atGP)
障害者転職サポート実績業界No.1、国内最大手の障害者専門転職エージェントであるアットジーピーはまず間違いなく信頼できる転職エージェントだ。
運営会社は、東京にオフィスを構える株式会社ゼネラルパートナーズ。
実際に僕自身もゼネラルパートナーズとは縁があり、本社まで訪れた事がある。
その際にも、社員全員が気持ちの良い挨拶をしてくれたのをよく覚えている。
社長自身が「障害者差別」という課題を解決したいと強く願っている一人でもある。それは、会話をしている中でいつも感じていた。
アットジーピー(atGP)を利用すればまず間違いなく親身になってくれるだろう。
もしdodaチャレンジへ相談したい!と思う方がいたらこちらのHPから面談の申し込みをして貰いたい。
エージェントサーナ
エージェント・サーナは、障害者の就労支援26年の実績を持つ、株式会社イフが提供する障害者のための職業紹介サービスだ。
強みとしては、高い内定率とスピード感ある対応だろう。
エージェント・サーナを利用した多くの人が面談から二ヶ月以内に内定を得ている。
26年間、真摯に向き合ってきたからこそ得られた経験とノウハウがあるので、充実したサポートが受けれるはずだ。
もしエージェント・サーナへ転職の相談をしたい!と思う方がいたら
こちらのHPから面談の申し込みをして貰いたい。
障害者雇用の給料についてのまとめ
いかがだっただろうか。
今回は、障害者雇用を利用して入社した場合の給料が低いかどうかについて紹介した。
今回の記事をまとめると
・障害者雇用を利用して就職すると一般と比べ給料は低い
・障害者雇用で給料を上げるためには現職で正社員を目指す、または昇級する他に転職という道もある
ということになるだろう。
実際に今回の記事を通して、障害者雇用で働いた場合には給料が低いことがわかった。
しかしながら、働く価値は給料だけでは計れないのもまた事実だ。
だからこそ給料ではない、やりがいの部分も考慮して就労をより良いものにしてもらいたい。
・参考リスト
参考1: 厚生労働省公式HP
