気になる世界の障害者雇用の現状ー韓国編ー

下肢不自由障害。片足不全。義足をつけて生活をする。身体障害者手帳2級を所持。


この記事では『韓国の障害者雇用』について紹介する。

日本の障害者雇用枠を利用して働いた経験がある僕自身が、世界の障害者雇用について興味を持ったので徹底的に調べてみた。

韓国と日本では、障害の定義や障害者雇用政策が似ていることがわかった。

今回の記事を簡単にまとめると

・障害の定義が似ている

・障害者差別禁止法と割当雇用制度の2つのアプローチを採用

・韓国の法定雇用率は3%

 

それでは、日本と比較をしながら出来るだけわかりやすく紹介していく。

この記事を読んでわかること

 

韓国の障害の定義

まずはじめに、日本の障害の定義と比較しながら韓国の障害の定義について紹介したい。

障害の定義を比較しながら学ぶ事によって、他国と日本の障害者の権利について知る良いきっかけになるだろう。

 

障害の定義(韓国)

障害とは『身体的・精神的損傷または機能喪失が長期間にわたって個人の日常生活または社会生活に相当な制約を招く状態』をいう。

 

障害の定義(日本)

『身体障害、 知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の 障害がある者であって、障害及び社会的障壁(事物、制度、慣行、 観念等)により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいう

 

日本の定義を僕なりに整理すると、障害とは身体的、知能的、精神的な機能の低下によって、日常生活や社会生活に支障がある人といった感じだろう。

韓国と日本を比較してみると障害の定義は似ていることがわかる。

しかしながら、国際的に定義を統一しない理由は、障害を定義することによって起こる谷間の障害の問題があるからだ

つまり、障害の定義から外れてしまった人は支援やサービスを受けられなくなってしまう可能性があるため、各国で定義が異なるのだろう。

※谷間の障害とは:障害の定義や制度によって障害認定されない障害や難病のこと。

韓国の障害者を守る法律と義務

このトピックでは韓国の障害者を守る法律と義務について紹介する。

他国の法律や義務を知ることによって、その国の障害者に対する考え方や施策が見えてくるだろう。

 

国家人権委員会法

国家人権委員会法は、権利侵害や差別からの救済が主な役目だ。

この法律の第2条「平等権侵害の差別行為」では差別について、性別や障害、年齢、社会的身分などを理由にした雇用、財・サービスの利用、交通手段、教育における特定の者への優待、排除、区分、不利益扱い、セクシャルハラスメント行為と定義している。

雇用に関しては、特定の者への優待・排除・区別、並びに不利に取り扱う行為を平等権侵害の差別行為と定義している。

 

障害者差別禁止および権利救済に関する法律

日常生活、社会生活における障害を理由とする差別、合理的配慮の不提供を禁止し障害者を守る法律だ。

1999年に『障害者雇用促進及び就業リハビリテーション法』に改正された。

 

一方で、日本では2016年に障害者差別解消法が制定されて、障害者それぞれに合ったやり方で配慮すること、差別をなくすことで、障害者も健常者も共に生きる社会を創ることを目指しているのだ。

韓国の障害者雇用政策

このトピックでは韓国の障害者雇用政策について紹介する。

世界における障害者雇用政策は、大きく『障害者差別禁止法』と『割当雇用制度』の2つのアプローチに分かれる。

韓国では、この2つのアプローチを併用している。

 

障害者差別禁止法

アメリカのADA(障害に基づく差別を全般的に禁止と定める法律(Americans with Disabilities Act))がモデルになっている。

ADAの特徴は、機会均等と待遇の平等、差別禁止、合理的配慮と合理的調整が挙げられる。

具体的には、募集、採用、昇進、解雇、報酬、訓練などの雇用条件で、仕事ができる障害者を障害をゆえに差別することを禁止している。

 

割当(わりあて)雇用制度

法律で雇用率を定めて事業主に義務的な雇用を課す割当雇用制度は、国によって雇用率・納付金制度は様々だが、共通で見られる原則は『障害者雇用は社会の責任・義務である、目的は障害者の社会への統合を促進すること』である。

 

日本は割当雇用制度を採用していたが、2016年に障害者差別解消法(障害者差別禁止法)が制定されたことによって、割当雇用制度と障害者差別解消法の2つのアプローチとなった。

世界的にも、この2つからアプローチを試みる国が増えてきているのだ。

 

割当雇用制度(法定雇用率)について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も読んでほしい『障害者を雇用する義務、法定雇用率とは?

韓国の障害者雇用に対するアプローチ

このトピックでは、韓国の障害者雇用に対するアプローチについて紹介する。

先ほどのトピックでも述べた通り、韓国では障害者差別禁止法と割当雇用制度を採用しているが、このトピックでは割当雇用制度について紹介したい。

 

日本でも採用している割当雇用制度(法定雇用率)を比較すると、日本の法定雇用率2.2%に対して韓国の法定雇用率は3%だ。

さらに韓国では、法定雇用率を未達成の企業に対する納付金を強化することにより、障害者雇用の促進を目指している。

日本の納付金は、不足する障害者1名につき年額600,000円(月額50,000円)を納付する。

一方、韓国では雇用割合に応じて納付金が決まり、不足する障害者1名につき下記の通り納付しなければならない。(下記の表は月額表記)

義務雇用人数の3/4以上雇用した場合 約72万ウォン(約62,800円)
義務雇用人数の1/2未満の場合 約78万ウォン(約68,000円)
義務雇用人数の1/4~1/2未満の場合 約85万ウォン(約74,000円)
義務雇用人数の1/4未満の場合 約92万ウォン(約80,000円)
障害者を一人も雇用していない場合  約117万ウォン(約100,000円)

 

日本と韓国の3/4以上雇用してる企業を比較しても韓国の納付金が高いことがわかるが、果たして納付金額をあげれば雇用率が高くなるのだろうか、次のトピックで確認しよう。

韓国の障害者雇用の現状

このトピックでは、韓国の障害者雇用の現状について紹介する。

韓国の割当雇用制度は、法定雇用率の引き上げや対象事業所の拡大などをみても確実に発展している。

前のトピックでも触れたが韓国の法定雇用率は政府部門、民間部門共に3%だ。

しかしながら、2009年の達成雇用率は、政府部門が1.97%、民間部門のうち公共機関が2.11%、民間企業が1.84%、全体としては1.87%だった。

この結果を受けて、2010年より重度障害者のダブルカウント制度を導入している。

2016年、韓国の某大企業は年間約84億ウォン(約8億円)の納付金を納めた事例もある。

日本においても言える事だが、納付金で解決するのではなく、障害者が働ける環境を創っていくことが重要だと僕は思う。

韓国の障害者雇用まとめ

いかがだっただろうか。

今回は韓国の障害者雇用について紹介した。

日本と韓国では、障害の定義や割当雇用制度を採用しているなど似ている点は多かったが、詳しく調べてみるとたくさんの違いがあることがわかった。

今後も、日本だけでなく各国の障害者雇用について執筆していくので、ぜひブックマークもしくはスマホのホーム画面に追加して定期的に確認してもらいたい。

 

参照資料『韓国の障害者雇用制度

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