履歴書の志望動機は、障害者枠の面接で成功の可否を握る重要な部分。
つまり、あなたの第一印象や障害者枠での採用に、実は大きく影響する重要な内容なんですね。
採用の可否にも大きく影響するほど、重要な内容にも関わらず、
「そもそも何から準備すればいいのか、よくわからない」
などの悩みを抱えている方が多くいます。
あなたはどうですか?
もし、悩んでいたとしても大丈夫!
履歴書の志望動機は、書き方のポイントや構成を理解すれば、誰でもカンタンに書くことができますよ!
この記事では、障害者手帳1級の私が5社就業した経験、今まで100人以上を就職・転職指導した経験をもとに、
「採用側の心をググッとつかむ、障害者向け履歴書の志望動機の書き方」
を解説します。
今回解説する方法を理解すれば、採用側の心をググッとつかみ、採用に有利な状態で障害者枠の面接に進むことができますよ。
もくじ
履歴書に志望動機を書く目的と知っておきたいルール
履歴書の志望動機を書く前に、目的や書き方のルールを把握しておきましょう。
これらを把握したうえで志望動機を書くと、採用側の心に残る志望動機が書けるようになりますよ。
志望動機を書く目的は?
一言で説明すると、障害者枠の採用面接に進み、採用を勝ち取るため。
実際に採用側でも、履歴書の志望動機を重要視しています。
その証拠として、dodaのアンケート調査にも結果がハッキリと表れています!
「採用担当者に聞いた! 履歴書の内容で最も重視する項目は」
重視する項目の高い順から
- 職歴 38.8%
- 志望動機・志望理由 23.3%
- 自己PR 10.7%
- 写真 9.7%
- 学歴 7.8%
- 免許・資格 6.8%
- 本人希望欄 1.9%
- 趣味・特技 1.0%
※出典:doda調べ「採用に関するアンケート」
調査期間:2018年12月
調査対象:過去3年以内に中途採用での書類選考を担当した103人
調査実施:パーソルキャリア株式会社(転職サービス「doda」を運営)
この考えや目的を頭に入れておきながら、志望動機を書くことが重要ですよ!
志望動機と自己PRの違いを知る
志望動機と自己PRは、似ているようで実はまったく違うもの。
実際に同じ意味だと勘違いしてしまい、間違った志望動機を書いてしまう方も多くいます。
最初に自己PRとは、以下の3点になります。
- 強みや長所を伝える
- 仕事で貢献した実績・目標達成したことを伝える
- 仕事を通して得られたスキルを伝える
あまりいい表現ではありませんが、過去の自慢話を伝えるのが自己PRです。
一方で志望動機とは、以下の3点になります。
- なぜこの会社に入りたいのかを伝える
- なぜこの仕事をしたいのかを伝える
- 入社してどんなことを実現・貢献したいのかを伝える
結論優先型で書く
結論優先型とは、伝えるべき内容を最初に説明する文章の書き方です。
今回の志望動機であれば、以下の構成順番で書くのがおすすめです。
- 「なぜこの会社を志望したのか?」を一言で説明する
- 志望した詳しい理由や経緯(前職や過去の職歴から)を説明する
- 冒頭で書いた内容に結びつけて最後を締める
このような3つの構成で意識して書くと、説得力のある志望動機が書けますよ。
採用側の視点に立って志望動機を考える
志望動機は一方的にあなたの思い伝えるのではなく、採用側の考えに寄り添って書くのがポイントです。
採用側は、以下の3点を考慮しながら志望動機を読んでいます。
- なぜ他社ではなく当社を選んだのか(納得できる理由か)
- 社風やビジョン・理念とマッチしているか(会社の考えを理解しているか)
- どんな貢献をしてもらえるのか(即戦力となるか)
その共通点をもとに採用側の考えや思い、ほしい人物像に寄り添って志望動機を書くのがコツです。
志望動機の適切な文字数は?
目安として300文字前後を目標に書きましょう。
志望動機を書くコツは、まずは字数を気にせず必要と思われる内容を書き出します。
そして不要な部分をカットし、最終的に300文字前後に合わせます。
障害者枠採用の面接時と一貫性を持たせる
志望動機は履歴書で見られるだけでなく、面接時にも聞かれます。
そのため面接時に聞かれることを考慮して、一貫性を持たせましょう。
履歴書に書いた志望動機をもとに、内容を膨らませるのがコツです。
【全7つ】履歴書の志望動機に書いてはいけないNG例
履歴書の志望動機に書いてしまうと、あなたの印象を悪くしてしまう内容があります。
ここでは志望動機に書いてはいけない、NG例を7つ紹介します。
NG例【1】 志望動機の使いまわし
「転職サイトや本に書いてある、志望動機の例文をそのまま使っている」
「考えるのはメンドウだからと、一度書いた志望動機を使いまわしている」
このような考えで、志望動機を使いまわすのは絶対にNG!
前者の場合、たくさん履歴書を読んでいる担当者から見たら、一発でバレてしまいます。
後者の場合、どうしても汎用的な志望動機になるため、心に響かない内容になってしまいます。
NG例【2】 志望動機が自己PRになっている
「自分を少しでもよく見せよう!」
「どうしても採用されたい!」
こういった思いから、知らずのうちに自己PRを書いてしまうことも。
前章でも触れましたが、志望動機と自己PRは別物です。
こうすることで落ち着いた状態で、客観的に志望動機を見直すことができますよ。
NG例【3】 待遇や職場環境・勤務条件が志望動機になっている
一例として以下があります。
- 大企業だから(有名だから)
- 将来性や安定性があるから
- 給料がいいから
- 残業が少ないから
- 正社員の採用だから
- 障害者枠の採用だから
- 家から近いから・通いやすいから(交通の便がいいから)
- 福利厚生がしっかりしているから
上記に書いてある内容を志望動機に書いてしまうと、
「他にいいところが見つかったら、辞めてしまうのでは?」
このように思われてしまい、結果不採用になるケースも。
待遇や職場環境を考慮することは重要ですが、志望動機には書かないようにしましょう。
NG例【4】 社風や理念・ビジョンに共感した内容だけになっている
「●●の社風に憧れて志望しました」
「●●の理念(ビジョン)に共感して志望しました」
これは、ついやってしまうNGの書き方です。
社風や理念・ビジョンで志望動機を書く場合、あなたのスキルや実績に関連付けて理由を書きましょう。
NG例【5】 商品やサービスのレビューだけになっている
「御社の商品(サービス)の使い勝手がよく志望しました」
これでは志望動機ではなく、お客さんの立場で書いたレビューと変わりありません。
商品やサービスをもとに志望動機を書くなら、
「前職の営業(開発)実績から、こういう商品やサービスを販売や提案(開発)したい」
このように売る側の立場で志望動機を書きましょう。
NG例【6】 学ぶこと・教えてもらうことが前提で書いてある
「御社で学ばせていただきたいです」
「スキルや知識を吸収していきたいです」
このような志望動機を書くと、自分から学ぶ意欲がない、受け身な人と思われてしまうのでNG。
採用側は、即戦力ある人を求めていることを忘れないようにしましょう。
NG例【7】 業務内容や仕事内容に触れていない
応募先企業の業務内容や仕事内容に一切触れていないと、
と思われてしまいます。
このような間違いをしないためにも、企業分析をしっかりと行いましょう。
履歴書に書く志望動機のサンプル文
先のNG例を踏まえたうえで、志望動機のサンプル文を紹介します。
前職で培ったWebスキルの経験を活かし、お客様に直接提案できる御社に大変興味を持ち、志望しました。
前職では、サイト制作の提案やヒアリングを営業がすべて行い、私は営業から聞いた内容をもとに、サイト制作を行っていました。
しかし、間に営業が入ることで認識のズレが起こる。対応に手間がかかることで、お客様に迷惑をかけることもあり、もどかしさを感じていました。
御社が理念として掲げている、
「社員1人1人がお客様と直接対応し、きめ細やかなサービスを提供する」
この理念に共感し、今までのWebスキルの経験をもとに、お客様にベストな提案そして御社に貢献したいと考え志望しました。
上記のサンプル事例のポイントは、以下の3点です。
- 1行目に志望動機を簡潔に書く
- 前職の業務内容に触れて転職した理由を触れる
- 理念やビジョンに触れて自分がやりたいことを書く
今回のサンプルを参考に、採用側の心に突き刺さる志望動機に仕上げてくださいね。
志望動機の書き方【5つ】のステップ
「志望動機を書きはじめたものの、途中で手が止まりいつまでも完成しない」
「そもそも何から準備すればいいのか、よくわからない」
このような悩みはありませんか?
そこで採用側の心に残る志望動機を早く書く方法を、5つのステップにわけて説明します。
ステップ【1】 自己分析をする
志望動機は入社したい思いだけでなく、あなたの魅力やスキル、強みを書く必要があります。
そのためには自己分析をして、自分自身を知ることが必要不可欠。
おもに以下の3点を自己分析します。
- 強みやスキル
- 障害があってもできること・克服したこと
- 前職や過去の職歴で得たこと・貢献したこと
自己分析の詳しいやり方は、下記の記事を参考にしてください。
>> 障害者向け自己分析の全解説!会社探しから面接まで超重要な理由も紹介
ステップ【2】 企業分析をする
自己分析をしたら、応募した企業を知る必要があります。
この企業分析をするかしないかで、採用側の心に響く志望動機になるかが大きく変わりますよ。
企業分析で調査する内容は、以下の7点です。
- 会社の沿革
- 事業内容や売上規模
- 取引実績企業
- 取り扱っている商品やサービス
- 商品やサービスを利用したお客さんの声
- 社風や理念・ビジョン
- 経営者やスタッフのメッセージ
ステップ【3】 寄り添える点や共通点を探す
採用側は、何らかの意図や目的を持って募集します。
つまり、応募側が採用したいと思う、ほしい人物像があります。
そのほしい人物像を想定し、寄り添える点や共通点を探してみましょう。
探すポイントはおもに以下の3点です。
- 採用職種
- あなたの強みやスキル
- 社風や理念などで共感できる部分
共通点を探すために、先の自己分析や企業分析が必要になるんですね。
ステップ【4】 自分自身に質問して答える
志望動機に書く内容を明確化させるため、以下5つの質問に答えましょう。
- なぜ他社ではなく当社に志望したのか?
- なぜ転職を決意してまで当社を志望したのか?
- 何に魅力や共感して志望したのか?
- 入社してどんな貢献ができるのか?
- どんな目標や取り組みたいことがあるのか?
とくに前職や過去の職歴のスキルや実績をもとにして、志望する理由や経緯を説明することが重要です。
あわせて業務内容や社風・理念と関連付けましょう。
こうすることで、
「ウチの社風に合う人材かもしれないな」
と好意的に思ってもらえますよ。
ステップ【5】 文章化する
ステップ4で質問した回答をもとに、志望動機を300文字前後で文章化します。
以下の構成順番で書いていくと、説得力と魅力ある志望動機になりますよ。
- 志望した理由を一言で書く
- 具体的な志望理由や経緯を書く
- 自分が取り組みたいこと・やってみたいことを書く
- 最初に書いた理由で締める
【全7つ】志望動機を書き終わったら確認すべきチェックリスト
履歴書の志望動機を書き終えたら一晩寝て、落ち着いた状態で見直しましょう。
誤字や脱字、おかしな表現に気づき、より採用側の心に突き刺さる志望動機に仕上げられますよ。
では、どんな点をチェックすればいいのか?
以下の7つをチェックしましょう。
- 300文字前後で書かれているか
- 自己PRになっていないか
- 冒頭で志望した理由を一言で書いてあるか
- 志望した理由が待遇や職場環境・勤務条件になっていないか
- 理念やビジョン・社風に共感した内容だけになっていないか
- 企業分析した内容をもとに志望動機が書かれているか
- 商品やサービスのレビューだけになっていないか
たった300文字の志望動機が障害者枠面接突破のカギになる
今回紹介した5つのステップで履歴書の志望動機を書いていけば、途中で手が止まることなく、あなたらしさをアピールできる志望動機が書けます。
その結果として、あなたに興味・関心を持った状態で、障害者枠の面接に進むことができますよ。
採用側の心をググッとつかみ、採用率を高める志望動機を書くためにも、5つのステップに沿って1つずつ順番に進めてくださいね。