「履歴書の学歴で、学校名はどう書けばいいの?」
「入学・卒業時と学校名が変わった場合は?」
「特別支援学校は、最終学歴に入れて問題ないの?」
とくに障害や病気で休学・中退した場合、どこまで書けばいいのか迷いますよね。
この記事では、障害者手帳1級の私が5社就業した経験、今まで100人以上を就職・転職指導した経験をもとに、
「採用率をアップさせる、障害者向け履歴書の学歴の書き方」
のすべてを徹底解説します。
この記事を読んでいただき、好印象を与える履歴書を作成していきましょう!
障害者向け履歴書の「学歴の書き方」5つの基本ルール
基本的には、健常者の方と同じ書き方で対応を進めます。
基本ルールは全部で5つありますので、まずはルールを把握しましょう。
【1】 正式名称で書く
「●●高校」と書かずに、「●●県立●●高等学校」と正式名称で書きます。
また、同じ学校名が続いても、「〃」や「同上」と省略せずに正式名称で書きましょう。
【2】 最終学歴は最も高い学歴を書く
小学校からすべて書く必要はなく、最も高い学歴と1つ前の学歴を書けばOKです。
最終学歴が大学なら、大学と1つ前の高校を学歴に書きます。
【3】 入学時や卒業時の学校名で書く
市町村合併などで、学校名が変わっている場合、入学・卒業時の学校名で書きましょう。
あわせて、現在の学校名をカッコ書きで書きます。
【4】 年は西暦か和暦を統一する
履歴書全体を通して職歴の年は、西暦と和暦を統一しましょう。
おすすめは西暦です。
学歴に書く年は、学校で使われる年度ではなく、実際の年で書きます。
2020年度3月卒業なら、実際の卒業した年は、2021年3月卒業となります。
【5】 学歴の書き方の順番
学歴・職歴欄で学歴を書く場合、上から順番に左から右へ以下の内容で書きます。
また、1行目のみ「学歴」と書き、その下に入学や卒業の状況を書きましょう。
- 年月(年は西暦と和暦のどちらかに統一する)
- どこが設立したか(●●県立、私立など)
- 学校の正式名称
- 定時制や通信制の区別(全日制は不要)
- 学部や学科
- 入学や卒業の状況
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
20XX | 4 | ●●県立●●高等学校 ●●科 入学 |
20XX | 3 | ●●県立●●高等学校 ●●科 卒業 |
20XX | 4 | ●●大学 ●●学部 入学 |
20XX | 3 | ●●大学 ●●学部 卒業 |
学歴が書き終わったら、続けて職歴を書きます。
職歴の詳しい書き方は、下記の記事を参考にしてください。
>,>, 【これで完璧】障害者向け履歴書の職歴の書き方!ケース別で徹底解説
【ケース別】学歴の書き方を詳しく解説
ここではケース別に、学歴の書き方を順番に解説します。
学歴に記入できる学校は?
文部科学省が認定している学校のみ、学歴に記入できます。
以下の5つは、学歴に記入できないので注意しましょう。
- 塾
- 民間スクール(英会話スクールなど)
- 予備校
- 通信講座(ユーキャンなど)
- 職業訓練校(職歴に書く)
最終学歴と1つ前の学歴を出す
小学校からすべて書く必要はなく、下記2つの学歴を書けばOKです。
- 最も高い学歴(最終学歴)
- 最終学歴より1つ低い学歴
学歴の高い順番から並べると、以下の順番です。
数字が小さいほど高い学歴になります。
- 大学院
- 大学
- 高等専門学校・専門学校・短期大学
- 高等学校
- (特別支援学校 高等部)
- 中学校
- (特別支援学校 中学部)
- 小学校
あわせて、入学・卒業の年月、ほかに中退・休学があれば、その年月も調べます。
特別支援学校は、正式な中学校や高等学校ではありません。
ただし、最終学歴や最終学歴より1つ低い学歴になれば、書いても問題ありません。
学校設立の表記方法
学校名の前に、「●●県立」や「私立」などの設立表記の書き方は、以下のルールで対応しましょう。
国立の場合
学校の正式名称で書きます。
大学(大学院・短期大学含む)の場合
学校の正式名称で書きます。
「国立」や「私立」などの、設立表記は不要です。
- ●●大学
- ●●大学大学院
- ●●短期大学
ただし、「東京都立大学」のように、学校名に設立表記がある場合、省略するのはNG!
省略すると、赤門でおなじみの「東京大学」になり、別の大学になってしまいます。
専門学校
学校の正式名称で書きます。
高等学校・小中学校
どこが設立したかにより書き方が変わります。
設立表記 | 書き方 |
国立 | 学校の正式名称で書く |
私立 | 「私立●●高等学校」と書く |
都道府県立 | 東京都の場合 「東京都立●●高等学校」と書く |
市区町村立 | 新宿区の場合 「東京都新宿区●●高等学校」と都道府県から書く |
特別支援学校(盲学校・聾学校・養護学校)
設立の表記方法は、高等学校と同じです。
特別支援学校は、正式な高等学校や中学校ではありません。
そのため学校名に「高等学校」や「中学校」は入れられないので注意しましょう。
学部や学科・定時制や通信制の表記
学校名を書いたあと、1文字分あけて、学部や学科を書きます。
学部や学科が1つしかない学校でも、省略せずに書きましょう。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
●●大学 ●●部●●科 | ||
●●専門学校 ●●コース | ||
●●県立●●高等学校 ●●科 | ||
●●県立●●盲学校 ●●部(高等部や中学部など) |
全日制以外は、「定時制」や「通信制」の表記もあわせて書きます。
以下のように書けばOKです。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
●●県立●●高等学校 定時制●●科 | ||
●●県立●●高等学校 通信制●●科 |
ただし、「放送大学」のように通信制しかない学校は、「通信制」は入れずに学科やコースから書いて問題ありません。
入学と卒業の状況を書く
最も高い学歴(最終学歴)と、最終学歴より1つ低い学歴の入学・卒業の状況を書きます。
日付の年は、履歴書を通して西暦か和暦に統一しましょう。
とくに決まりがなければ、西暦で書くのがおすすめです。
最終学歴の1つ低い学歴が高等学校以上の場合
入学と卒業の2つを書きます。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
20XX | 4 | ●●県立●●高等学校 ●●科 入学 |
20XX | 3 | ●●県立●●高等学校 ●●科 卒業 |
20XX | 4 | ●●大学 ●●学部 入学 |
20XX | 3 | ●●大学 ●●学部 卒業 |
最終学歴の1つ低い学歴が義務教育(中学校・小学校)の場合
義務教育は、卒業のみ書けばOKです。
最も高い学歴が高等学校の場合、このように書きます。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
学歴 | ||
20XX | 3 | ●●県立●●中学校 卒業 |
20XX | 4 | ●●県立●●高等学校 ●●科 入学 |
20XX | 3 | ●●県立●●高等学校 ●●科 卒業 |
学校名に変更があった場合
学歴に書く学校は、入学時と卒業時の学校名で書きます。
学校名が卒業後、在学中に変更が変わった場合、以下のように対応しましょう。
市町村合併や学校統合により学校名に変更があった場合
最初に旧学校名を書き、後ろにカッコ書きで現在の学校名を書きます。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
20XX | 4 | ●●県●●町立●●高等学校 ●●科 入学(現 ●●市立▲▲高等学校) |
20XX | 3 | ●●県●●町立●●高等学校 ●●科 卒業(現 ●●市立▲▲高等学校) |
在学中に学校名の変更があった場合
設立表記のみが変わった場合にも、同じように対応します。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
20XX | 4 | ●●県●●町立●●高等学校 ●●科 入学(現 ●●市立▲▲高等学校) |
20XX | 3 | ●●県●●市立▲▲高等学校 ●●科 卒業 |
廃校になった場合
廃校の記載は必要ありません。
入学時と卒業時の年月と学校名を書きましょう。
廃校になる前に、学校名の変更があった場合、上記に書いた対応を行います。
中退や休学がある場合
障害や病気、家庭や自身の都合により、中退や休学がある場合、理由とあわせて書きます。
中退の場合
「中退」は略称なので、「中途退学」と書いて、下に理由とあわせて書きます。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
20XX | 4 | ●●大学 ●●学部●●学科 入学 |
20XX | XX | ●●大学 ●●学部●●学科 中途退学 |
家庭の収入事情により退学 |
理由の書き方の一例としては、以下があります。
- 健康上の理由により退学(現在は完治し、業務に支障はありません)
- 留学し語学習得するため退学
- 親の介護が必要になったため退学
- 他にやりたいことが見つかり就職のため退学
- 一身上の都合により退学(どうしても理由が書けない場合)
なるべくポジティブな理由を書くようにしましょう。
病気が完治、寛解している場合には、その旨をカッコ書きで書きます。
休学の場合
中退と同様に、なるべく前向きに書きましょう。
病気が理由の場合、病状を書く必要はありません。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
20XX | 4 | ●●大学 ●●学部●●学科 入学 |
3年次に体調不良のため1年間休学(現在は完治) | ||
20XX | 3 | ●●大学 ●●学部●●学科 卒業 |
病気が完治、寛解している場合には、その旨をカッコ書きで書きます。
中退や休学は省略してもいいの?
中退の学歴を省略すると、期間にブランクができてしまうため、おすすめしません。
留年や休学で卒業が遅れた場合でも同様です。
そのため理由を含めて、正直に書くことをおすすめします。
学歴を書いたあとの7つのチェックポイント
学歴を書き出したら、以下の7つをチェックしましょう。
- 西暦と和暦は統一されていますか?
- 学歴の年月にズレはないですか?
- 学校名は正式名称ですか?
- 学部や学科名に間違いはありませんか?
- 卒業してから設立表記・学校名に変更はありませんか?
- 変更があった場合、旧学校名と現在の学校名を書いていますか?
- 中退や休学した場合、理由を書いていますか?
問題がないことを確認したら、学歴・職歴欄の学歴は終了です。
お疲れさまでした!
引き続き職歴を書く場合には、下記の記事を参考にしてください。
>,>, 【これで完璧】障害者向け履歴書の職歴の書き方!ケース別で徹底解説
あわせて、転職や就職を有利にする、資格の書き方もマスターしましょう!
>,>, 【これで完璧】障害者向け履歴書の資格の書き方!ケース別で徹底解説
学歴の書き方は、このように細かいルールがあります。
この記事を参考にして、採用率がアップする学歴・職歴に仕上げましょう。