「障害者枠の面接対策はどうすればいいの」
「面接ではどんな質問をされるの」
「障害のことを聞かれたらどう回答すればいいの」
もしかしたら、このような不安や心配をお持ちかもしれませんね。
でも大丈夫!
この記事では、障害者手帳1級の私が5社就業した経験、今まで100人以上を就職・転職指導した経験をもとに、
「障害者枠向けの面接対策の準備から、面接当日までのすべて」
を解説します。
もくじ
知っておきたい!障害者枠向け面接の目的と心構え
具体的な障害者枠向けの面接対策の前に、面接する目的や知っておきたい心構えを説明します。
障害者枠向け面接の目的は?
ズバリ、採用側と応募側双方のマッチングのためです。
採用側は、以下3点が会社とマッチしているかを確認します。
- 障害があっても仕事ができるか
- どんな適性や強みを持っているか
- 障害に対してどんな配慮をすればいいのか
一方で、応募側は採用側に以下3点をアピールしましょう。
- 障害があっても仕事ができることをアピールする
- 障害を受け入れながら乗り越える努力をしている
- 障害で理解・配慮してほしい点を伝える
双方のマッチングがズレてしまうと、入社後に仕事や人間関係、障害の配慮においてトラブルのもとに。
結果として、早期退職することにもなりかねません。
このトラブルを避けるために、障害者枠でも面接を行うんですね。
応募側が最もするべきことは、採用側が知りたい障害のことをしっかり伝える。
そして安心して採用してもらえるように、しっかりと面接対策や準備を行うことが重要です。
障害者枠向け面接は個人と集団のどちらが多い?
障害についてじっくり確認したいため、個人面接が多いでしょう。
採用側の面接官の人数は、会社により変わります。
人数や面接の状況に関係なく、しっかりと面接対策の準備を行いましょう。
障害者向け面接の回数は?
ほとんどの場合、面接回数は1回が多いでしょう。
大手企業や外資系企業の場合、面接を複数回(2次、3次)行うことがあります。
何回面接を行うかは、求人票を事前にチェックしましょう。
面接は直接会って行うの?
会社に訪問して、直接対面で面接を行う場合が多いでしょう。
ただし、コロナ渦の影響で、オンラインで面接を行うことも考えられます。
オンラインで面接を指示された場合には、以下6点の設定や準備が必要です。
- PCやスマホ
- 通話アプリ
- 安定した通信回線
- 静かな場所
- ウェブカメラ
- ヘッドセット
通話アプリは、会社から指定されます。
面接中に回線が途切れないように、電波環境のいい場所を探しましょう。
準備は面接当日に行うと、思うように行かないことも。
事前に以下の5点を確認しましょう。
- ブラウザーやアプリの動作確認
- ウェブカメラで自分の顔が正しく映るか
- 音やマイクの確認
- 照明の明るさの確認
- カメラに映る範囲の荷物を整理する
1人で設定が難しい場合、家族の協力を得て準備を進めましょう。
【全3テップ】障害者枠向け面接対策の準備について
面接対策は、一般枠の採用と同じ準備や心構えで行います。
あわせて障害についての面接対策が必須です。
では、どんな準備が必要になるのか?
全部で3つのステップを紹介します。
ステップ【1】 障害者向け面接対策で準備すること
おもに以下の7点の準備や対策を行います。
- 身だしなみ(スーツや髪型など)
- 社会人としてのマナーや言葉遣い
- 自己分析をする
- 障害者枠向け面接の質問回答集を作成
- 面接会場までの交通機関の確認
- 面接当日に用意するもの
- 面接当日の一連の流れを把握する
ステップ【2】 自己分析をする
面接で適切な回答をするためには、自分自身を知る必要があります。
つまり自己分析が重要です。
自己分析で行うことは、おもに以下の4つです。
- 性格
- 長所や短所
- 得意なことや苦手なこと
- 障害について
自己分析をしっかり行えば、面接で自分のアピールポイントや障害のことをしっかり伝えられますよ。
自己分析の具体的な方法は、以下の記事を参考にしてください。
>> 障害者向け自己分析の全解説!会社探しから面接まで超重要な理由も紹介
ステップ【3】 面接でよく聞かれる質問と回答を用意する
自己分析した内容をもとに、面接の質問回答集を用意します。
障害者枠の面接でよく聞かれる、質問と回答集は以下の記事を参考にしてください。
>> 【全12個】面接の回答例つき!障害者枠向け定番質問を厳選紹介!
障害者枠の面接で適切な回答を用意するポイントは、以下の3点です。
- エピソードや事例を入れる
- 自分の障害を誰でもわかる表現にする
- 面接官が知りたいと思うことを先回りして考える
だからこそ面接官が知りたいこと、安心してもらえる回答が重要になります。
【全3個】障害者枠向け面接の当日までに準備するもの
面接を成功させるコツは、やはり事前準備に他なりません。
面接前日や当日になると、緊張してしまうもの。
緊張により、忘れ物やミスをしないことが重要です。
他にも障害に応じて準備すべきものが変わります。
そこで面接当日までに準備するものを全部で3個紹介します。
【全7個】面接日の前日までに準備するもの
おもに以下の7点を事前に準備しておきましょう。
- 会社の連絡先
- 面接場所までの交通機関
- 履歴書の控え
- 面接の質問回答集
- 身だしなみを整える
- スーツのクリーニング
- 靴を磨いておく
【全10個】面接当日に準備するもの
面接当日に準備して持っていくものには、おもに10点あります。
- カバン
- 時計
- 財布
- スマホ
- 障害者手帳
- 履歴書の控え
- 筆記用具
- 手帳
- 飲み物
- コロナ感染予防対策
面接を受ける会社で、障害者手帳の提示を求められることもあるため、忘れずに用意しましょう。
緊張した気分を落ち着かせるため、飲み物を用意しておくのもおすすめです。
【全5個】障害に応じて用意するもの
おもに以下の5点があります。
(1) 薬
障害の持病により、必要に応じて薬を用意しておきましょう。
(2) 補助用具の確認
電動車いすなら、バッテリーの状態を確認しておきましょう。
補聴器なら電池を新品に変える、予備を用意しておきます。
(3) バリアフリー設備の有無
視覚障害者や肢体不自由の方が訪問する場合、面接場所が必ずしもバリアフリーとは限りません。
また、車いすを使用している方が車で訪問する場合、広めの駐車場があるとも限りません。
このようなバリアフリーについて気になる点があれば、事前に確認を行っておきましょう。
(4) 面接場所までの下見や交通機関のチェック
当日、面接場所にたどり着けない、道に迷わないためにも、必要に応じて下見や交通機関をチェックしておきましょう。
(5) 家族や関連機関のサポート
障害により、自分でできないことは、家族や関連機関のサポートを得られる準備をしておきます。
一例として以下4点の対応があります。
- 忘れ物がないかを確認してもらう
- 面接でサポートしてもらえる人に同行してもらう
- 朝に起こしてもらう
- 面接会場まで送り迎えしてもらう
この点を確認しておきましょう。
【全3テップ】面接の具体的な対応方法
会社に訪問して到着したら、すでに面接は始まっています。
ただでさえ緊張している中、あわてて失敗しないためにも、どんな対応が必要なのか?
全部で3ステップあります。
ステップ【1】 到着したら最初にすること
会社に訪問したら、まずは受付を済ませましょう。
面接開始時間の10分以上前に到着していると安心ですね。
障害により、サポートや配慮が必要になる場合、事前に連絡を入れておくのがベストです。
また、当日どうしてもお願いしたいことがあれば、担当の方に遠慮なく伝えましょう。
ステップ【2】 待っている間にすること
以下の5点を行いましょう。
- 身支度を整える
- スマホの電源をオフにする
- 履歴書の控えを確認する
- 面接の回答を確認する
- 飲み物を飲んで気分を落ち着かせる
ただし、待っている間に以下3つの行為はNGです。
- 足を組む・貧乏ゆすりをする
- 髪をずっといじる
- スマホを見続ける
緊張するとついついやってしまいがち。
クセになっている場合には、とくに注意です。
ステップ【3】 実際の面接の対応方法
面接会場に案内されたら、いよいよ面接開始です。
面接で聞かれる質問は、一般枠で聞かれる定番の以下3つがあります。
- 志望動機
- 自己PR(長所や短所)
- 職務経歴
あわせて障害に関する以下3つの質問をされます。
- 障害の内容や障害者になった経緯
- 障害があってもできる仕事
- 配慮してほしい点
面接時によくある質問と回答例は、以下の記事を参考にしてください。
>> 【全12個】面接の回答例つき!障害者枠向け定番質問を厳選紹介!
【全4個】面接当日にトラブルが起きた場合の対策法
面接の準備をどんなにしっかり行っても、面接当日に突発的なトラブルは起こるものです。
ここでは、よくあるトラブルを中心に、全部で4つのケースと対策法を紹介します。
ご自身の障害にあわせて、想定されるトラブルを事前に把握し、対策を取りましょう。
ケース【1】 体調不良
「障害から来る病気や体調不良で、面接を受けられる状況ではない」
その場合には、早めに連絡を入れて、お詫びを入れましょう。
次回の面接日の日程は、先方の担当者と改めて相談をして調整を行ってください。
こちらを参考にして、面接のキャンセルや日程調整の相談を伝えてください。
お世話になります。
本日10時から、御社で面接試験を受ける、(名前)と申します。
実は体調不良により、本日の面接試験を受けるのが難しい状況です。
大変申し訳ございませんが、面接試験を別の日程に変更していただくことは可能でしょうか?
御社のご都合もあるかと存じますので、改めて面接試験の日程をご相談できればと思います。
万が一、訪問先で体調不良になった場合には、早めに伝える。
自力で対応が難しくなった場合に備えて、緊急連絡先や対処法の準備をしておきましょう。
ケース【2】 補助具のトラブル
「電動車いすの調子が悪く、動かない」
「補聴器の調子が悪く、声を聞き取れない」
このような、障害を補助する用具のトラブルは起こるものです。
これらのトラブルにより、面接が難しい場合には、早めに連絡を入れましょう。
ケース【3】 遅刻する場合
交通機関の乱れ、乗り換えや道順の間違いにより遅刻する場合には、気づいた時点で連絡を入れましょう。
連絡する内容は以下の3点です。
- 現在いるところ
- 遅刻の理由
- (可能であれば)どのくらいで到着するか
こちらを参考にして、遅刻する連絡を入れてください。
お世話になります。
本日10時から、御社で面接試験を受ける、(名前)と申します。
現在、JRを利用して御社に向かっている途中ですが、●●により電車がストップしてしまい、面接時間に間に合わない状況です。
大変申し訳ございませんが、面接時間を変更していただくことは可能でしょうか?
現在、私は●●線の●●駅にいます。
運転再開見込みは●時で予定通りであれば、●時には御社に到着する見込みです。
御社の最寄り駅に着き次第、または大幅に遅れるようでしたら、改めてご一報します。
何の連絡がなく面接時間になっても来ないと、
「何か事故に巻き込まれたのでは?」
「単に忘れているだけなのか、ドタキャンなのか?」
と面接官は不安になってしまいます。
そこで、早めに伝えれば相手も安心しますし、大きなイメージダウンも抑えることができます。
ケース【4】 障害により面接の対応がうまくできない場合
ここでは、2つの障害に対して、対処法を紹介します。
(1) 発達障害の場合
発達障害の場合、質問されたことに対して、正しく回答できない傾向があります。
それを避けるため、事前に自己紹介シートを渡しておくのも1つの方法です。
口頭でうまく話せない場合は、シートでフォローする方法です。
(2) 聴覚障害の場合
面接官との距離が離れると、質問内容が聞き取れないことがあります。
また、コロナ感染予防対策により、お互いの距離を置いている。
マスクをしていると、聞き取れないケースが発生します。
その場合には、距離を近くにしてもらう、マスクを外してもらうなどのお願いをしましょう。
まとめ
面接で必要となる対策や準備、面接当日の流れ、トラブル対応方法の一連を紹介しました。
障害者枠での応募の場合、必ず障害に関する内容を質問されます。
大切なことは、どうすれば採用側は安心してもらえるか?
障害があっても仕事ができることを伝えられるか?
この2点を踏まえて、面接対策や事前準備をしっかり行いましょう。
そして障害に応じて、家族や関係機関とのサポートをもらい、採用の確率をアップさせましょう。