インタビュー

『指文字』って知ってますか?ぜひ覚えてください!

Interviewee Profile

成田弘樹(仮)1998年生まれ。先天性の聴覚障害により両耳に補聴器を装着、口話でコミュニケーションが可能。身体障害者手帳6級。ろう学校を卒業。その後、教育機関でプログラミングを学び、現在は障害者雇用枠を利用して就労中。

 

会話をするなら正面から

ーこんにちは。本日はどうぞよろしくお願いします。

成田:はい、よろしくお願いします。

 

ーでは早速ですが、このRepeLでは反発の声・怒りの声をコンセプトにしています。聴覚障害者として感じる社会に対する怒りはありますか?

成田:会話をする時なんですけど、『聞き取れなかったら言ってください』と気を使ってくれる方は多いんですが、その言葉自体が聞き取れていない時もあるってことをわかって欲しいですね。

そもそも話しかけられてる事に気がつかない時もありますので。

例えば、後ろから急に声をかけられても気がつかないです…。

 

ー声をかける時はアイコンタクトを取ってから話すようにしてほしいって事ですね。

成田:その通りですね。 実は、ろう学校に通っていた時の先生の話なんですけど、ろう学校の先生でも生徒の気持ちを理解出来ずに、後ろから声をかけたり、気がついていないのに会話を続けてるなんてこともありました。

僕自身、身体障害者手帳6級で、障害の程度は軽いんですが、やはり後ろから声をかけられても聞こえないので、もし聴覚障害の方と接する機会があったら、正面からコミュニケーションを取ってもらいたいですね。

女性の早口はまず聞き取れない

 

ー他にも怒りを感じる瞬間はありますか?

成田:単純に声が小さいと聞き取りにくいです。

聴覚障害にも聞こえ方には差があって、僕のように小さく聞こえる人もいれば、全く聞こえない人、声は聞こえるけど内容まではハッキリわからない人もいます。

ちなみに僕も、大体の音はわかるんですけど、何を言ってるのかわからない時はよくあります。

声の質で言うと、女性の声より男性の低い声の方が聞き取りやすいですね。

 

ーなるほど。職場でのコミュニケーションはうまくいってますか?

成田:早口の方も多いので、実はあんまり話を理解できていない時があります。

その時は、あとでマニュアルをみて対応したり、職場に同じ聴覚障害の方がいるので頼ってます。

 

ー頼れる方がいるのは心強いですね!今のお仕事を始めてどのくらいになりますか?

成田:一年ちょっとですね、2年目に入ったのでだいぶ慣れてきました。

最初は、仕事を教えてもらう時にコミュニケーションの部分で苦しい時期もありましたけど、今はこの仕事が自分に合ってると思います。

手話を読み取るのは英語のリスニングと同じ

 

ー職場以外のコミュニケーションで困ることはありますか?

成田:困った話というより、すごく感謝した話になるんですけど、家電量販店にWi-Fiルーターを買いに行った時に、細かい説明を受けても理解出来なかったんです。

そしたら、店員さんがペンとメモを用意してくれて筆談で丁寧に説明してくれました。

その後、契約する関係で本人から電話をかけなきゃいけない場面もあったんですけど、店員さんが事情を説明してくれて代理で対応してくれたので本当に助かりました。

 

ーサポートしてくれるのは本当にありがたいですよね。

成田:サポートで思い出したんですが、聴覚障害者だからといって全員が手話を出来る訳ではないっていうことも伝えたいです。

僕の場合は口話がメインなので手話はわからない事の方が多いです。

大体はできるんですけど、自分が手話をするのと、相手の手話を見るのとでは、向きも感覚も違うので読み取るのが難しいです。

英語で例えるとわかりやすいんですけど、ライティングは出来るけどリスニングが出来ないみたいな感覚に近いです。

それで時々、聴覚障害の方の通訳としてサポートしてほしいっていう話があるんですが少し戸惑いますね。

しかしながら、指文字ならできます。 指文字さえ覚えておけば手話をメインで会話している方にも通じますし、周りが騒音でうるさい時にも使えるので非常に便利です。

文字情報だけじゃない、光りの重要性

 

ー自宅にいる時は補聴器を外してるんですか?

成田:お風呂の時と寝る時以外はずっとつけてます。

一人暮らしなので補聴器を外してしまうと部屋のインターホンが鳴っても気がつかないので。

 

ーなるほど。インターホンに気がつかないと宅配便が来ても受け取れないですよね。

成田:そうなんですよ。ネットショッピングをよく利用するんですけど、日時を指定出来るのは聴覚障害者にも便利な機能だと感じます。

毎回、指定した時間になったらワクワクしながら待ってますからね。笑

あと、僕が住んでた寮には、インターホンが鳴ると部屋に設置してるランプが光って知らせてくれてたんですけど、あれは良かったですね。

あんまり普及していないですが、職場の始業のチャイムにも反応して光ったら助かりますし、旅行先などのホテルにも設置してたら助かると思います。

 

ー僕らが住んでた寮と教育機関には光るランプが付いてましたね。この話を聞いて思い出しました。

成田:あと、一部の病院で導入されてるみたいなんですけど、待合室で自分の順番が来たら光りと振動で知らせてくれるベルもあるみたいです。(フードコートの呼び出しベルのようなもの)

改めて話してみると、聴覚障害者にとって、文字情報が重要ってことは健常者の方も理解されてると思うんですが、光りの重要性はあんまり知られていない気がしますね。

災害時にも役に立つかもしれない

 

ー最後に、聴覚障害者として、伝えたいこと、思う事はありますか?

成田:先ほどの話と重複する部分もありますが、やはり手話と指文字を健常者の方にも覚えてほしいと思いますね。

騒音で聞こえない時や、災害時にも役に立つかもしれないので覚えておいて損はないと思います。

最低限、指文字だけでも覚えておくと手話をメインで会話をしている方にも通じるので便利です。

 

ー僕も手話は自己紹介くらいしか出来ないので、もう少し覚えたいですね。でも似たような動きが多くて難しいですよね?

成田:そうですね。手話は、ちょっとした角度や位置で意味が変わってくるので難しいですね。

 

ーということは、伝わりにくい雑な手話をされるとイラっとしますか?

成田:、、、どちらかというと僕の方が雑なのでイラっとはしないです!笑

うろ覚えでやっているので伝わってなくてモヤモヤすることはありますけど。

どうしても伝わらない時は筆談という手もあるのでそこまで気にすることはないと思います。

 

ーそうなんですね。笑 当事者の方がそう言ってくれると、この記事を見てこれから覚えようと思ってくれた方も安心すると思います。

成田:是非、気軽に覚えてみてください。

 

ー本日はとても貴重なお話を聞かせていただいて本当にありがとうございました!

成田:こちらこそ、ありがとうございました!少しでも聴覚障害者への理解が広まってくれたら嬉しいです。

(※指文字を覚えてみたい方は下記のリンクを参考にしてみてください。)

ちびむすドリル『手話の指文字表/指文字表〜由来で覚える〜

ABOUT ME
黒田のぞみ
下肢不自由障害。片足不全。義足をつけて生活をする。身体障害者手帳2級を所持。

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