自己分析とは、過去の人生を振り返り、性格、強み・弱み、障害のエピソードなどを言語化する作業です。
そして、会社探し~面接対策まで、すべてに関わる重要な作業です。
自己分析は重要にも関わらず、
「自分を見るのが苦手」
「障害を振り返るのに抵抗がある」
「自己分析は、正直メンドウなので先送りしている」
こんな悩みを抱えていませんか?
この記事では、障害者手帳1級の私が5社就業した経験、今まで100人以上を就職・転職指導した経験をもとに、
「最速で簡単!効率的な障害者向け自己分析の全4ステップ」
のすべてを徹底解説します。
もくじ
ステップ【1】 履歴書を作成する
「自己分析なのに、なぜ履歴書を作成するの?」
履歴書を先に作成するメリットは、以下の3点です。
- 時系列で書くので過去を振り返りやすい
- 幼少期~現在までのエピソードを思い出しやすい
- 自己分析よりカンタンなので作業にはずみがつく
とりあえず幼少期、学生時代、社会人時代の略歴を振り返るだけでもOKです!
>> 【これで完璧】障害者向け履歴書の書き方!準備から送付まで徹底解説
時系列で振り返ることで、
「あ〜、昔は●●の趣味にハマっていたな」
「こんな楽しいこと、ツラかったことがあったな」
など、障害の状況を含めて、エピソードが浮かびやすいんですね。
ステップ【2】 障害の履歴を出す
幼少期〜現在まで、おおまかに時系列で書き出したら、あわせて障害の履歴を振り返りましょう。
振り返る内容は、以下の6点です。
- 障害や病気の種類
- 障害を持った時期や経緯
- 障害者手帳の取得日や等級
- 通院や入退院の履歴
- 障害や病気で長期間療養したブランク期間
- 最近の健康状態
など、わかる範囲でどんどん書き出します。
書き出した内容は、以下の3点で使用します。
- 障害者枠で応募する場合
- 面接で障害の情報を説明する場合
- 履歴書の本人希望欄で配慮してほしい点を書く場合
ステップ【3】 時系列ごとにエピソードを出す
先の2つのステップを踏むと、すでに当時の体験やエピソードが浮かんでいるはずです。
さらに時系列ごとに、以下の8点を中心に出していきましょう。
- スキ・キライなもの
- 趣味
- 特技・スキル
- 実績や仕事で貢献したこと
- 楽しかった・ツラかったこと
- のめり込んでハマったこと
- 成功・失敗したこと
- 得意なこと・苦手なこと
など、記憶に残るエピソードや強く感情が動いたものを出していきます。
とくに障害に関連する以下4点のエピソードは、必ず出しましょう。
- 障害があっても貢献できる・できたこと
- 障害を克服した努力や経験
- 日常生活や仕事で注意している点(健康面や仕事の進め方など)
- 障害があることで迷惑をかけてしまったこと
これらの強み・弱みがハッキリすれば、以下4点を伝えられます。
- 障害があっても貢献できることを伝えられる
- 面接で自分の障害の強み・弱みを正しく伝えられる
- 弱みや苦手を理解し、日々注意している点を伝えられる
- 配慮してほしい点をしっかり伝えられる
つまり、採用側が知りたい障害の状況を、先回りして伝えることができる。
結果として、安心感を与えることができ、採用率アップが期待できますよ。
ステップ【4】 自分の性格や長所・短所、強み・弱みを言語化する
このステップが、本来の自己分析となります。
しかし、最初から自己分析をしようとしても、思うように出てこない。
障害のエピソードは、ツラい体験から感情にフタをして出てこない。
このようなケースがあり、思うように自己分析ができないもの。
そこで、先の3つのステップを踏むことで、障害を含めた自己分析をスムーズにできるようにしました。
今まで出した情報をもとに、前田裕二さんの書籍「メモの魔力」の特典にある、「1000の質問シート」を活用すると、より深く自己分析できますよ。
すべての質問に答える必要はありませんので大丈夫!
とくに以下の5点を中心に自己分析を行いましょう。
- 性格
- 長所・短所
- 強み・弱み
- 障害があっても貢献できること
- 障害により苦手なことや注意している点
このステップを実行する際には、以下の3点を意識してください。
意識する点【1】 相手に伝えることを意識して言語化する
今までのステップは、メモや箇条書きで羅列して書き出したはず。
しかし、それでは相手に伝えることはできません。
そこで、書き出した内容をもとに傾向をつかみ、体系化する。
整理や絞り込みをして、言語化しておきましょう。
言語化しておくことで志望動機を書く、面接の自己PRなどで使用することができますよ。
「どうすれば相手に障害を理解してもらい、安心してもらえるか?」
この点を意識しながら言語化しましょう。
意識する点【2】 長所・強みの反対になるように短所・弱みにする
「強みは慎重な性格、弱みは深く考えず即決してしまう性格」
これでは性格が矛盾してしまい、採用側も不安になってしまいます。
そのため、性格や長所・短所に矛盾がないか、意識しながら言語化しましょう。
意識する点【3】 マイナスの内容はプラスな内容にする
とくに障害に関する内容は、マイナスな内容になりがち。
「障害で左手が自由に動かせない」
と、この一言ではマイナスな内容で終わり、採用側も不安になってしまいます。
そこで、マイナスな内容で終わらず、不安を払拭するためにも、
「障害で左手が自由に動かせないけど、右手を使えば問題なくできる」
などとプラスな内容にしましょう。
障害者向け自己分析は4つのステップで進めましょう!
自己分析は、時間と手間がかかり、思うようにできないもの。
とくに障害者枠での希望の場合、障害の状況を伝える必要があります。
今回紹介した、4つのステップを順番に踏むことで、以下3つのメリットがあります。
- 時系列で書くのでイメージしやすい
- 障害の状況をわかりやすく伝えられる
- 自分の希望する職種・業界・仕事内容がわかる
結果として採用率アップに繋がりますよ。
自己分析は、会社探し~面接まですべてに関わる重要な作業。
だからこそ、今回の4つのステップを踏んで、採用率をアップさせる自己分析を行いましょう!