気になる世界の障害者雇用の現状ーアメリカ編ー

下肢不自由障害。片足不全。義足をつけて生活をする。身体障害者手帳2級を所持。


この記事では『アメリカの障害者雇用』について紹介する。

日本の障害者雇用枠を利用して働いた経験がある僕自身が、世界の障害者雇用について興味を持ったので徹底的に調べてみた。

調べてみると日本とは、障害の定義や障害者雇用政策など、様々な違いがあることに気がついた。

今回の記事を簡単にまとめると

・障害者差別禁止法を採用

・カスタマイズ就業という新しい政策

 

それでは、日本と比較をしながら出来るだけわかりやすく紹介していく。

この記事を読んでわかること

 

アメリカの障害の定義

まずはじめに、日本の障害の定義と比較しながらアメリカの障害の定義について紹介したい。

障害の定義を比較しながら学ぶ事によって、他国と日本の障害者の権利について知る良いきっかけになるだろう。

障害の定義(アメリカ)

障害とは『主要な生命機能の一つまたはそれ以上に制限する身体的または精神的障害を持つ者、そのような損傷の記録または、そのような損傷を持っているとみなされていること。』と定義されている。

アメリカの定義を僕なりに解釈すると、身体的、精神的な障害あるいはそのような診断記録によって生活に制限がある人といった感じだろう。

 

障害の定義(日本)

身体障害、 知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の 障害がある者であって、障害及び社会的障壁(事物、制度、慣行、観念等)により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいう』

日本の定義を僕なりに解釈すると、障害とは身体的、知能的、精神的な機能の低下によって、日常生活や社会生活に支障がある人といった感じになる。

 

アメリカでは診断記録も定義に含まれていて、日本と少し表現の違いがある。

では、なぜ国際的に定義を統一しないのか、その理由は障害を定義することによって起こる谷間の障害の問題があるからだ

つまり、障害の定義から外れてしまった人は支援やサービスを受けられなくなってしまう可能性があるため、各国で定義が異なるのだろう。

※谷間の障害とは:障害の定義や制度によって障害認定されない障害や難病のこと。

アメリカの障害者を守る法律と義務

このトピックではアメリカの障害者を守る法律と義務について紹介する。

他国の法律や義務を知ることによって、その国の障害者に対する考え方や施策が見えてくるだろう。

 

リハビリテーション法

1973年、職業リハビリテーションプログラムを保障、雇用や生活の支援、雇用主を援助するための法律だ。

アメリカ政府機関が実施したプログラム、アメリカ政府から資金援助を受けたプログラム、アメリカでの雇用、アメリカ政府と契約した人を障害を理由に差別することを禁止している。

さらに、アメリカ政府が提供する情報・サービスを、健常者と同等に利用できるように提供することを義務づけているのだ。

 

アメリカ障害者法(障害をもつアメリカ人法)

1990年、障害者差別を禁止するアメリカ合衆国の法律だ。

身体的、精神的な障害をもつ人々の社会に参加する権利を保障し、政府、企業、公共・民間施設の運営者に対して必要な条件の整備を義務づけた。

雇用、公共交通機関、公共施設や建築、通信といったサービスに関する差別が禁止されている。

アメリカにおける差別撤廃運動の一つとして、1964年の公民権法、1973年のリハビリテーション法以来の画期的な法律と高く評価された。

 

一方で、日本でも2016年に障害者差別解消法が制定されて、障害者それぞれに合ったやり方で配慮すること、差別をなくすことで、障害者も健常者も共に生きる社会を創ることを目指しているのだ。

 

障害者差別解消法について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も読んでほしい『障害者差別解消法とは?障害者本人が解説

アメリカの障害者雇用政策

このトピックではアメリカの障害者雇用政策について紹介する。

世界における障害者雇用政策は、大きく『障害者差別禁止法』と『割当雇用制度』の2つのアプローチに分かれる。

アメリカでは、障害者差別禁止法が採用されている

 

障害者差別禁止法

アメリカのADA(障害に基づく差別を全般的に禁止と定める法律(Americans with Disabilities Act))がモデルになっている。

ADAの特徴は、機会均等と待遇の平等、差別禁止、合理的配慮と合理的調整が挙げられる。

具体的には、募集、採用、昇進、解雇、報酬、訓練などの雇用条件で、仕事ができる障害者を障害をゆえに差別することを禁止している。

 

割当雇用制度

法律で雇用率を定めて事業主に義務的な雇用を課す割当雇用制度は、国によって雇用率・納付金制度は様々だが、共通で見られる原則は『障害者雇用は社会の責任・義務である、目的は障害者の社会への統合を促進すること』である。

 

日本は割当雇用制度を採用していたが、2016年に障害者差別解消法(障害者差別禁止法)が制定されたことによって、割当雇用制度と障害者差別解消法の2つのアプローチとなった。

世界的にも、この2つからアプローチを試みる国が増えてきているのだ。

 

割当雇用制度(法定雇用率)について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も読んでほしい障害者を雇用する義務、法定雇用率とは?

アメリカの障害者雇用に対するアプローチ

このトピックでは、アメリカの障害者雇用に対するアプローチについて紹介する。

アメリカでは、障害者差別禁止法とリハビリテーション法でアプローチしているが雇用率が伸び悩み、2001年に障害者雇用政策局カスタマイズ就業というアプローチを試みた。

 

障害者雇用政策局

障害者の就業支援が社会の課題であることから、障害者のニーズを反映し、関係機関の様々なサービスを利用しやすくするように、情報共有や調整を進めることが目的であり、障害者への情報提供サイトを運営している。

 

カスタマイズ就業

障害者雇用政策局の創設と同時に打ち出された障害者就業支援の新しい政策だ。

企業が障害者を雇用するのは慈悲ではなく、その人の企業への実質的な貢献にあると伝統的な障害者雇用の原則を受け継いでいる。

その上で、重度障害者であっても企業に貢献できることを可能にしようとしているのだ。

そのためには、ワンストップセンターが企業と求職者の個別的なマッチングを支援し、行政の縦割りを超えて各種制度を利用できるように調整することが重要だ。

また、障害者差別禁止との関係で議論されてきた合理的配慮についても、障害者と企業の双方にプラスになる支援の提供を促進している。

ワンストップセンターとは:就職活動の仕方や、履歴書の書き方の講習等の支援が受けられる機関。(ワンストップキャリアセンターとも言う)

アメリカの障害者雇用の現状

このトピックでは、アメリカの障害者雇用の現状について紹介する。

先ほどのトピックでも述べた通り、カスタマイズ就業はこれまでの障害者雇用の集大成という側面をもつ。

しかしながら、同時にパラダイムシフト(思考や概念、枠組みが変わること)を意味し、これまでの関係分野の専門家や当事者の考え方と対立し、従来の制度やサービスの見直しが必要になるのだ。

パラダイムシフトに抵抗や批判があることは当初から想定されており、こうした批判に対して障害者雇用政策局は、具体的な成果を通じてこの転換を推進しようとしているのが現状だ。

これまで働けないと考えられてきた重度障害者が、最低賃金以上の一般の仕事に就けることが証明され始めていることで、地域の関係機関の認識も変化しつつある。

日本でも、障害者が一般の仕事に就けることが証明されていけば、障害者を雇用するのは義務という考え方が払拭されて、働ける場や職種も増えていくと僕は思う。

アメリカの障害者雇用まとめ

いかがだっただろうか。

今回はアメリカの障害者雇用について紹介した。

日本とアメリカでは、障害の定義、障害者雇用政策など、多くの違いがあることがわかった。

僕自身、重度障害者(身体障害者手帳2級)だが、カスタマイズ就業のように企業の慈悲で雇用されるのではなく、貢献できるというかたちで雇用してくれるのは、重度障害者に限らず障害をもった人ならみんな働くモチベーションに繋がるはずだ。

今後も、日本だけでなく各国の障害者雇用について執筆していくので、ぜひブックマークもしくはスマホのホーム画面に追加して定期的に確認してもらいたい。

 

参照資料『アメリカにおける障害者雇用施策の現状と課題

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